表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【魔物島】~コミュ障な俺はモンスターが生息する島で一人淡々とレベルを上げ続ける~  作者: シオヤマ琴
第四章 岐路

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

50/109

第50話 メタリックスライム

『おいらはメタリックスライムだよっ。メタリンでもメタランでもメタムンでも好きなように呼んでねっ』

銀色のスライムは人間の言葉で流暢に話しかけてくる。


「すご……本当に喋れるようになったんだな」

実のところ半信半疑だったのだが、メタリックスライムとやらは気持ち悪いくらいに人語を操っていた。


『きみがおいらを喋れるようにしてくれたんだね、ありがとう! っていうか、さっきのおだんごもっとちょうだいっ。すっごく美味しかったんだ!』

「いや、悪い……さっきのだんごはあれ一個だけだ」

『え~、残念っ。でも、まあいっか。おいら人間の言葉を喋れるようになったし』

あっけらかんとメタリックスライムは言う。


『それできみの名前はなんていうの?』

「俺か? 俺は柴木善だけど」

『善っていうのかぁ。じゃあ善、これからよろしくねっ』

ウインクなどしてメタリックスライムは微笑んだ。


「え? これからよろしくってどういう意味だよ」

俺が疑問をぶつけると、

『おいら、善の仲間になることにしたからっ。えへへ』

とメタリックスライムは少し照れたように笑う。


「こらこら、何言ってるんだ、勝手なことを言うな。大体なんで俺の仲間になろうだなんて。俺は人間でお前はモンスターだろ」

『それがどうかしたの?』

メタリックスライムが不思議そうに首をかしげた。


「人間とモンスターは敵同士だろ。それが仲間になるとかおかしいじゃないか」

『でも、善はおいらのことを助けてくれたよね』

「それはそうだけどなぁ……」

スライムには手を出さない。俺は過去の出来事からそう心に決めていた。

その理由をメタリックスライムに説明するのは面倒なのでやめておくが。


『だから今度はおいらが善を助けてあげるよっ』

俺の都合などお構いなしに話を進めるメタリックスライム。

俺はモンスター相手にも言い負かされてしまうのか。


「いや、待て待て。お前が俺を助けるって? さすがにそれは無理だろ。自慢じゃないが俺はかなり強いぞ。仲間なんて必要ないくらいにな。ましてや正直言ってお世辞にも強そうに見えないお前に助けてもらうなんてまずありえないんだが」

少し冷たいような言い方になってしまったが、この際本当のことをばしっと言って諦めてもらうしかない。

そう考え口にしたのだがメタリックスライムにはまるで通じなかったようで、

『大丈夫だって。たしかにおいら強くはないけど、その代わりにすごい特性を持ってるからさっ』

自信満々に言い放つ。


「特性? なんだよそれ?」

『えっへへへ。なんとおいらと仲間になるとねー、善がモンスターを倒した時のモンスターのアイテムドロップ率が2倍に上がるんだー』

「えっ」

メタリックスライムはさらに続けて、

『しかもそれだけじゃなくて、善がモンスターを倒した時の獲得経験値も2倍になるんだよっ。ねっ、すごいでしょっ?』

まるで俺に褒めてもらいたくて仕方ないというように、ドヤ顔で俺の顔を見上げて言った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ