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【魔物島】~コミュ障な俺はモンスターが生息する島で一人淡々とレベルを上げ続ける~  作者: シオヤマ琴
第三章 成長

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第41話 脱獄

「独裁国家っ?」

言葉の持つおどろおどろしい響きに思わず声を上げる俺。

そんな俺を細い目で眺める石栗さん。


「ここに独裁国家を作ったっていうんですか? その広本って奴が」

「ああ。しかも女子学生ばかりを従わせてな」

女子学生ばかりを従わせての独裁国家だって……?

なんてうらやま……ひどい奴なんだ。


「でもそんなことどうやって? 人にいうことをきかせるなんてそんな簡単に出来ることじゃないですよね」

「まあ、ここからはわしの推測じゃが、おそらく広本という奴はなんらかのアイテムで女子学生たちを洗脳しているのではないかと思うておる」


石栗さんの言葉で俺はハッとなる。

たしかにこの【魔物島】には多種多様なアイテムが存在する。

ならば相手を洗脳させて操るアイテムがあってもおかしくはない。

もしくは呪文という線もある。


「さらにそのアイテムの効果は男には効かんのじゃろう。だからわしらは操られることもないまま牢屋に閉じ込められたのではないかのう」

「なるほど。そ、そうですね」

「広本が何を考えておるのかは知らんが、ここにいる女子学生たちにしてみれば今の生活は本意ではあるまい。きっと広本の洗脳から逃れたいはずじゃ」


そう言った石栗さんは悲しげな顔になる。


「とは言ってものう、わしにはどうすることも出来ん。操られているであろう女子学生たちに手を上げるわけにはいかんし、そもそも数が違い過ぎる。おそらくじゃがこの集落には女子学生が二、三十人はおるからのう、わし一人ではとてもとても……」

それを受けて俺は、

「だったら俺がやりましょうか?」

自然と口に出していた。


「お前さんがか?」

きみに何が出来るんだとでも言わんばかりの表情だが、この際そんなことは気にしない。


「はい。要は広本ってやつをみつけてそいつから人を操れるようなアイテムを奪えばいいんですよね?」

「まあ、そうじゃが……しかしこの牢屋はどうやって出るのじゃ? 鉄格子が張り巡らされていてとてもじゃないが抜け出せんぞい」

「大丈夫です。俺、こう見えても結構強いんで」

俺は鉄格子の前に立つと両手で二本の鉄格子を掴む。

そして思いきり力を込めた。

直後、ぐいぃぃーんとまるで柔らかい粘土のごとく鉄格子が折れ曲がる。


「な、なっ、なんとっ……」

「しばらくここで待っていてください。なんとかしてみますから」


大口を開けて驚いている石栗さんにそう言い置いて、俺は地下牢から颯爽と抜け出した。

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