失敗作の日記・その1
ただの日記です
どこにでもいる、1人の人間が書いた、平凡な。
周りはちゃんと出来ている
家族はちゃんと出来ている
自分だけが出来ない
出来損ない
失敗作
やりたい事はなく、どれだけ言われても変わることはなく、努力もしない
誰か救ってくれないかと、どうして自分だけがこうなんだと、努力もしていないのに、誰かに頼ろうとする。自分は悪くないと、悪いのは別の何かであると。
腐っている
性根から、何もかも
出来損ないが1人消えたところで、別に何かが変わるわけでも無い。身近な人は優しいから、きっと悲しんでくれるのかな。どれだけ覚えててくれるのかな。1日も早く忘れてくれたら嬉しいな。こんなやつ覚えてても仕方ないから。
こんな人間でも変われますか
届かない声掛けをここに残します
「こんなもんかな。」
私は書き終えた日記を読み返す。今の気持ちを、なるべく心のままに書き写したつもりではある。改めてみるとめちゃくちゃな文章だが、まぁ自分しか見ないものだし、これくらいいい加減でも問題は無いだろう。
………まだ夜は明けない。とても暇だ、そう思うけれど、特にしたい事は無い。2階から飛び降りれば楽になれるかな、階段から飛び降りるのはどうだろう、台所から包丁を持ってきて首を切るとか、どれも考えるだけで、行動したいとは思えなかった。死にたいとずっと思ってきたが、自ら命を絶つ事がこんなにも難しいなんて思っていなかった。
仕方なくスマホを開く。やりたいゲームは………いや、もう沢山かな。出来ると思っていたリズムゲームも、大会に出れるくらい上手いわけでもなく、他に暇を潰せるゲームも、今日はやってしまった。1階には持ち運び可能で、オンラインにも繋がる家庭用ゲーム機があるが、そこまでして遊びたいとは思わない。後は、布団に横になり、目覚ましがなるのを待つだけだ。
………また朝を迎えなくてはいけないと思うと、嫌な気持ちになる。次に目を覚ました時には、見たことも無い世界が広がっていて、魔法が使えるようになってたり………馬鹿な妄想はこの辺にしておこうかな。まぁでも、別の世界だったら、ちゃんと出来てたのかな。ここじゃ失敗作でも、きっと別の何処かなら、誰かの役にたってるかな。にしても、こんなこと文章にするなんて、やっぱり起きたら何かあるのかな、なんて、平和な考えでもして、今は寝よう。
2月の中旬
救いようのない失敗作の物語が
ただひっそりと、始まりました