第31話・「それ、絶対ダメなヤツ」
そこは、壁も床も、そして天井さえもどこにあるか分からないほど真っ暗な、まさに迷宮と呼ぶにふさわしい洞窟の中だった。
明かりもない真っ暗な中を、ヘルとミセリとアイリ、そしてリツカの4人は松明の灯りだけを頼りに歩いていた。
「ヘル、ごめんなさい」
先頭を歩くヘルに、リツカはそう言って頭を下げていた。
「ううん。気にしないで。私が歩くって決めたんだから」
4人が来たのはリツカの住処である地下宮殿だった。
何故わざわざここに来たのかと言うと、彼女の引っ越しを手伝う為だった。
家財道具などはフェアデリアでも買えるが、服や下着や靴などの日用雑貨は使い馴れたものを持って来たいという彼女の意志を尊重し、皆ではるばる飛竜国まで来たのだ。
前日に飛竜国入りし、国賓として大歓迎を受けた彼女らは、翌朝洞窟の入口へとやって来たのだった。
ちなみに、ミカヅキとミルフィーもついて来たのだが、飛竜国にしかない未知の薬(毒)草を探したいと言って別行動していた。
本来ならそのような行動をミセリは許さないのだが、ヘルが1ヶ月も意識を失っていたこともあって新しい薬草が必要だと判断し今回は特別に認めたのだった。
そんな訳で洞窟に入った4人だったが、そこには侵入者をリツカに近づけぬよう数々の罠が仕掛けられていた。
しかも、何処にどんな罠があるのかはリツカ自身も知らなかった。
その為、ヘルがちょっと壁に手を置いただけで床が突然抜け落ち、
「きゃ~~~~~っ!!」
「ヘルっ、あぶない」
落とし穴に落ちそうになる彼女の腕をリツカは咄嗟に掴んだが、彼女の体重を支えられるはずもなく、2人は一緒に穴に落ちていた。
「ヘル様っ」
「リツカ様っ」
ミセリ達が慌てて穴を覗くと、
「いったぁ~~~~~っ!!」
「いたっ!!」
翼を広げた2人が、物凄い勢いで飛び出していた。
そして、
「痛っ!!すごい!!なんか異世界転生っぽくなってきた」
そう興奮気味にお尻を擦るヘルとは対照的に、
「お尻に何か刺さりました」
リツカはそう言ってお尻を擦っていた。
「えっ!?」
その言葉にミセリが松明を使って穴を照らすと、無数の大きな鎗がびっしりと並べられていた。
それを見たミセリとアイリは、
「ヘル様、お尻を見せてください」
「リツカ様も早く」
そう叫んでいた。
「えっ!?なんで?」
「鎗に毒が塗られているかもしれません」
「えっ!?そうなの?」
そう言ってリツカを見ると、
「たしかに父様ならやりかねません」
彼女にもそう言われ、
「じゃ、じゃあ。お願い」
ミセリ達に急かされるままに2人がお尻を差し出すと、ミセリはヘルのズボンを下げ、アイリはリツカのスカートを捲ってパンツをずり下ろして露にしたそれぞれのお尻を、そのまま間近で凝視していた。
「ど、どお?」
あまりの恥ずかしさにリツカは顔を真っ赤にしてうつ向いてしまい、ヘルも顔を赤らめながらそう訊ねたが、
「ヘル様、動かないでください」
「お尻に傷がないか確認しています」
切羽詰まった口調でそう言われてしまい、
「ご、ごめんなさい」
と、逆に謝っていた。
「そ、それで、どう?」
が、いつまでも見続けられていることに耐えられず、恥ずかしそうに訊ねると、
「御二人とも尻尾があるので松明だけではよく見えません」
「後ほど明るい場所で改めて見させてください」
と2人に言われ、
「えっ!?まだ見るの?」
そう返すと、
「当たり前です」
「もし御二人の身に何かあったら、4ヶ国の同盟は崩壊し、戦になるかもしれないのですよ?」
物凄い剣幕でそう言われ、
「ご、ごめんなさい」
ヘルはが平身低頭でそう謝っていた。
「ヘル、ごめんなさい。私がもっとしっかりしてれば」
リツカがすまなさそうに頭を下げ、
「ううん。リツカは宮殿に幽閉されてたんだから知らないのは当然よ。だから謝らないで」
そして彼女達は再出発した。
が、その後もヘルとリツカが不用意に床の石を踏み抜いた瞬間に左右の壁から矢が飛んで来たり、
「わ~~~~~っ!?」
「きゃぁっ!!」
「ヘル様っ」
「リツカ様っ」
2人が同時に躓いた瞬間に天井から無数の鎗が落ちてきたり、
「なんで~~~~~っ!?」
「やん!!」
「ヘル様っ」
「リツカ様っ」
更には十字路に出た瞬間に振り子の原理で巨大な鉄球が迫って来て、それを見たリツカが、
「ヘル、あぶないっ」
と突き飛ばした瞬間に鉄球がヘルを直撃し、ぶっ飛ばされはた彼女は通路の壁を突き破っていた。
「ぎゃ~~~~~~っ!!」
「ヘル様っ」
「ヘル様っ」
「ヘルぅ~~~~っ」
そんな感じで4人は何とか地下の宮殿にたどり着いていた。
「は~ようやく着いたぁ」
そう言いながら、何故か正門についているドアノブを握ったヘルに、
「ヘル、だめ。ドアノブを回さないで」
とリツカが叫んだのと、彼女が、
「えっ!?」
と、言いながら、条件反射的に握ったノブを回したのがほぼ同時だった。
すると門が開き、信じられないほど大量の水が通路に溢れ、4人はあっけなく流されていた。
「ぎゃ~~~~~~っ」
「ヘルぅ~~~~~っ」
「ヘル様っ」
「リツカ様っ」
そして、なんとか流れに逆らいながら部屋に入ってドアを閉めた時、全員がずぶ濡れになっていた。
「はぁ、はぁ。これ、どういうこと?・・・」
そう言うヘルに、
「あ、あの、ごめんなさい。最後のトラップです」
リツカはそう言って頭を下げていた。
「まぁ、そりゃそうよね。飛竜王の気持ちを考えたらこれくらい当然よ。でしょ?」
そんな彼女に気を使わせぬよう、ヘルは飛びきり明るくミセリとアイリにそう言っていた。
「それは、確かにそうですよね」
「ええ、私もそう思います」
2人にそう言われ、
「これがもし私のお父様だったら、こんなんじゃすまないわ。侵入者全員食べられてると思う」
そう自慢げに話すヘルに、
「ヘル様。それ、シャレになってないです」
アイリは思わずそう突っ込んでいた。
「リツカ。どこの世界でも父親ってそんなんだから気にしないで。それよりも早く着替えて荷物をまとめよう」
ヘルは笑顔でそう話し掛けたが、そんな彼女に、
「はい。あの、それで皆さんは着替えはあるのですか?」
自分も含めずぶ濡れになってしまったリツカは、心配そうにそう聞き返すと、
「えっと、着替えも持ってきたのですが、全て濡れてしまって・・・」
アイリは背負っていたリュックから〝びしょびしょ″になった着替えを出していた。
「そ、それなら、私の服でよけれはお貸ししますがいかがですか?」
するとリツカが、小さな声でそう提案していた。
「えっ!?いいの?」
「は、はい。私のでよければ・・・」
そう申し訳なさそうに返す彼女に、
「ありがとう」
ヘルはそう言って抱きついていた。
「えっ!?えっ!?」
いきなり抱きつかれ戸惑いを隠せない彼女に、
「リツカ様、ありがとうございます」
とミセリが、そしてアイリも、
「本当にいいのですか?」
興奮冷めやらぬ様子でそう聞き返していた。
「・・・は、はい。あ、あの、皆さん本当に私などの服でよろしいのですか?」
そう伏し目がちに話す彼女に、
「リツカ様、何をおっしゃっているのですか?」
「お姫様が召している服を着させていただけるなんて夢みたいです」
と、2人は喜びを爆発させていた。
そして、クローゼットに並ぶ服でファッションショーをするかのように着替え続けた。
が、当然と言うかそのどれもが、翼と尻尾を出せるよう背中とお尻の部分の生地がなかった。
しかも下着もずぶ濡れな為、2人はノーパンノーブラでリツカの服を着ていた。
「わ~、ミセリとアイリがこういう格好してるのってなんか新鮮」
2人はヘルにそう“じっ”と見つめられ、
「へ、ヘル様、あまりジロジロ見ないでください」
「背中とお尻が“す~す~”します」
と、顔を耳まで真っ赤に染めていたが、
「大丈夫よ、私達も同じなんだから。それじゃあ始めましょう」
ヘルにそう言われ、4人で引っ越し荷物の梱包を始めた。
が以外に物が多く、携帯食での簡単な食事や休憩を挟んで続けても終わらず、とうとう夜になってしまっていた。
その為、続きは明日やることにして皆で夕食を取ることにした。
「じゃあ、私が作りますから少し待っていてください」
アイリはそう言うと、リュックから調理道具や食材を取り出し始めた。
「アイリ、ここで作るの?」
「はい。これなら毒も入れられようがありませんから。それに皆に暖かい料理を食べて頂きたたいんです」
そう言って包丁を振るうアイリを、リツカは呆然と見つめていた。
「リツカ様、どうかされましたか?」
その視線に気付き、アイリがそう訪ねると、リツカの瞳から大粒の涙が溢れていた。
「リツカ?」
「リツカ様?」
その様子に、皆が慌てて彼女に駆け寄る。
「リツカ、どうしたの?」
「リツカ様?」
その心配そうに自分の顔を覗き込むアイリを見ながら、
「ごめんなさい。料理をしているアイリを見ていたら母様を思い出して・・・」
そう言葉を詰まらせていた。
「リツカ様、見ていてください」
「えっ!?」
「スッゴく美味しい料理を作りますから」
「はい」
そして、限られた食材をフルに使って作られた料理の数々が皆の前に並べられた、
「す、すごっ」
「アイリさん。素晴らしいです」
2人からそう褒められ、
「そ、そんなことありません」
アイリは顔を真っ赤に染めてうつ向いてしまっていた。
「そんなことある。それじゃあ頂きましょう」
「いただきます」「いただきます」
「それ、なんの呪文ですか?」
皆が突然手を合わせてそう言い始め、リツカは不思議そうにそう訊ねると、
「これは食事を頂く前に、食材となった全ての命や、それらを作っておられる人たちへの感謝の気持ちを表しているのです」
そう、ミセリが答えていた。
するとリツカは、
「母様も同じ事をしていました。頂きます」
「うん。いただきます」
そして食事も終わり、
「ふぅ、ごちそうさま。アイリ、美味しかった。ありがとう」
「アイリさん。とても美味しかったです。また作っていただけますか?」
王女と姫にそう褒められ、
「そ、そんな、私なんてまだまだです」
アイリはもうどうしていいのか分からない程照れていた。
そして彼女が食後の紅茶の用意をしていると、
「あの、皆さん。ちょっと待って頂けますか?」
リツカがそう言って席を外した。
「どうしたの?」
ヘルが心配そうに声を掛けたが、彼女はすぐに戻ってきた。
そしてその手には、4本の小瓶が握られていた。
しかもそれにヘル達は見覚えがあった。
「リツカ、それは何?」
「ポーションです。皆に飲んでいただこうかと思って」
(やっぱりかぁぁぁ!!)
そう。それらは、『ガルダンシアの悪夢』(命名:ユウキ・ツカサ)と呼ばれる悲劇をもたらした例のポーションの小瓶にそっくりだった。
「ね、ねぇリツカ、それ、本当にポーション?」
そう不審そうに訊ねるヘルに、
「はい。信頼できる薬売りの行商人から買ったと侍従が申しておりました」
リツカは笑顔でそう答えていた。
「そ、そう。それなら間違いないか?」
「今日は皆さんに大変な迷惑を御掛けして本当に申し訳ありませんでした」
するとリツカがそう言って皆に頭を下げていた。
「リツカ様、頭をお上げください」
「あの迷宮や罠を作ったのはリツカ様ではないのですから、リツカ様が謝る必要なんてありません」
「そうよリツカ。頭を上げて」
「でも、今度は荷物を持ってあの迷宮を通らなければなりません。ですから、せめてポーションで傷と体力の回復だけでも私にさせてください」
「分かったわ。ありがとう」
ヘルがそう言ってリツカから小瓶を受け取り、蓋を開けて一気に飲み干すと、ミセリとアイリもそれに続いた。
「美味しい」
「ガルダンシアで飲んだのも美味しかったですが、こっちも甘くて飲みやすいですね」
そう言うアイリとミセリや、
「ポーションってこんなに甘くて美味しいのですね。私、初めて飲みました」
そう嬉しそうに話すリツカの声を聞きながら、
「でもこの味、前にどこかで・・・」
そう訝しむヘルだったが、アイリが用意してくれた紅茶とデザートがあまりに美味しそうで、そんな疑念はすぐにどこかへ消えてしまっていた。
そして紅茶を飲み終えると、
「あの皆さん、お風呂はいかがですか?」
リツカが皆にそう声を掛けた。
「えっ!?お風呂?沸いてるの?」
「はい。あの、その、天然温泉なんです」
「温泉!!」
「入っていいの?」
「はい。ご案内します。こちらです」
そう案内されて向かった先にあったのは、大理石作りのお風呂だった。
いやそれは、大理石の床に埋め込まれた湯船だけでも20畳はあろうかという大浴場で、しかも、壁が全て鏡張りになっていた。
(でかっ!!)
その、地下に作られたとは思えない広さに驚きつつも、
「てか、なんで鏡張りなの?」
その、突っ込んでいいのか悪いのか分からないと誰もが思っていた疑問を、ヘルがあっけなく口にしていた。
「へ、ヘル様っ。それは・・・」
ミセリが思わず口を挟もうとしたが、
「あ、これは侵入者がお風呂に隠れられないようにするためです。お風呂は裸ですから」
リツカにそうあっけらかんと返され、
「そ、そうか!?そうですよね?よかった」
とミセリは照れていた。
「ミセリ、何がよかったの?」
その、あまりの安堵ぶりにヘルが訝しそうにそう訊ねと、
「い、いえ、違いますヘル様。私はこの鏡が別の事に使われていたのではないかとか、そんなハレンチなことは決して想像していません」
「別のこと?」
「いえ、本当に何でもありませんから・・・」
そう慌てて服を脱ぐミセリに促されるように、皆服を脱ぎ浴場に入った。
が、何故かリツカだけが中々入ってこなかった。
「ヘル様、リツカ様が入っていらっしゃいません」
「えっ!?どうしたのかな?」
するとそこに、何故か身体にバスタオルを巻いたリツカが入って来た。
彼女はずっとうつ向いたままだった。
「リツカ、なんでタオル?」
そう声を掛けながら近づいたヘルは“はっ”となった。
彼女は震えていたのだ。
「どうしたの?」
ヘルが肩に手をやると、彼女はその胸に顔を埋めて泣いていた。
「リツカ様?」
「リツカ様?」
その様子に、ミセリとアイリも駆けつける。
「どうなさったのですか?」
「リツカ、どうしたの?」
ヘルが横に座り声を掛けたが彼女は、
「・・・ごめんなさい」
小さな声でそう謝りながら泣き続けていた。
そんな彼女に、
「あ、あの、リツカ様。もしかして人族と一緒に入浴するのが怖いのですか?」
アイリが言葉を選ぶようにそう訊ねていた。
「えっ!?」
その言葉にミセリも“はっ”と我に返ったように姿勢を正し、
「リツカ様の気持ちも考えないで甘えてしまい申し訳ありません。私達はすぐ出ますから・・・」
そう言って立ち上がったコルデ姉妹を、
「ち、違うのっ」
リツカはそう呼び止めていた。
「えっ!?」
だが、そう言われ、逆に戸惑いを隠せない2人に代わり、
「リツカ、無理には聞かない。話せる範囲でいいから訳を聞かせて」
ヘルが優しくそう語りかけていた。
「・・・ヘル」
するとリツカは意を決したように話し始めた。
「2人共ごめんなさい。人族が怖いんじゃないの。私、2人のこと大好きよ」
「じゃあ、なんで?」
そう聞かれた彼女は、
「わ、私、皆に自分の裸を見られるのが怖いの」
声を絞り出すようにそう言っていた。
「見られるのが怖い?」
「私はドラゴンハーフだから。私の身体が他の女性とは違うんじゃないかと思って・・・」
「違うって?・・・自分以外の女性の裸を見たことないの?」
ヘルが口にしたその疑問に、
「いつも身体を洗ってくれる侍女の方達の身体を見ても、私と全然違うの。だから・・・」
リツカはそう答えていた。
「そんなことありません。それは、その方達が飛竜人だからです」
だが、彼女の言葉は、そこでミセリに遮られていた。
「リツカ様のお身体は、同姓の私から見てもとてもお美しくて魅力的です」
「ミセリさん」
「そうです。タオルの上からだって胸が大きくて形もキレイだってわかります。同姓の私が見ても羨ましいぐらいです」
ミセリに続きアイリにもそう言われ、
「そ、そんな。・・・いくら何でも褒めすぎです。それに私の胸がキレイだなんて、そんなことないです」
顔を赤く染めてそう照れるリツカに、
「そんなことあるから」
ヘルはそう言を掛けたが、
「で、でも、私・・・」
彼女は又してもうつ向いてしまっていた。
するとアイリが、
「リツカ様、百聞は一見に如かずです。ここにいる皆で見比べてみましょう」
そう提案していた。
「えっ!?」
「皆さんこちらに来ていただけますか?」
「えっ!?なにするの?」
するとアイリは、4人を円陣を組むように向かい合わせ立たせていた。
しかもそれぞれの距離は、互いの胸の膨らみ頂点で“つん”と自己主張する蕾同士がくっつくほど近かった。
そしてアイリは、
「ヘル様、リツカ様のタオルを取ってあげてください」
ヘルにそうお願いしていた。
「えっ!?」
「リツカ様もヘル様なら委ねられますよね?」
そう、諭すように薦められ、
「は、はい。ヘル様なら・・・」
彼女は頬を赤く染めながら小さく頷くと、
「ヘル様、お願いします」
そうお願いしていた。
「じゃ、じゃあ」
ヘルがそう言ってバスタオルを取ると、窮屈そうに閉じ込められていた2つの膨らみが、生地を弾き飛ばすように〝ぷるん″と弾んでいた。
「どうですリツカ様?皆、同じでしょう?」
アイリにそう言われたリツカだったが、恥ずかしそうに顔を耳まで真っ赤に染めてうつ向いていた。
が、その視線は、目の前に立つヘルに胸に吸い寄せられていた。
「リツカ様の胸、とてもキレイで可愛いです」
そう見惚れるようにミセリが言うと、
「うん。私もそう思う」
とヘルも、そしてアイリも、
「はい。私もそう思います」
そう頷いていた。
「そ、そんなこと・・・ないですから」
そんな、顔を耳まで真っ赤に染めてうつ向く彼女にアイリが、
「リツカ様、よかったら私にお胸をマッサージさせて頂けませんか?」
と、彼女の耳元で囁きかけていた。
「えっ!?マッサージですか?」
「はい」
だが、そんなことを突然言われた彼女は戸惑い気味に、
「でも、何故マッサージをする必要があるのですか?」
と、当然とも思える問いを返していた。
「リツカ様のお胸、大きくてキレイです。でも、その美しさを保つ為には血行を良くしてあげないといけません。それにはマッサージが1番なんですよ。私、エステの資格を持っていて、ヘル様にもしてさしあげているんです」
「えっ!?ヘルにも?」
「はい」
そう笑顔で微笑む彼女を、
「えっ!?ちょ、ちょっと待ってアイリ」
ツカサは慌てて止めようとするが、
「はい。ですから、もしよろしければ御一緒にいかがですか?」
渡りに船とばかりにそう提案しながら、ずぶ濡れのリュックからローションのボトルを取り出していた。
「なんでローション持ってきてるの?」
「主の疲れを癒すのもメイドの努めですから」
それを聞いたツカサは、
「待ってアイリ、いきなりそれは、リツカには刺激が強すぎるんじゃ・・・」
慌ててそう否定しようとしたが、
「そうなのですか?では、お願いします」
と、リツカはあっさりOKしていた。
「えっ!?いいの?」
「では、ヘル様は私が・・・」
「ミセリまで何言ってるの?」
「リツカ様もヘル様と向かい合って、鏡映しのように同じことをされる方が安心かと思いまして」
「そ、そうかなぁ?」
「リツカ様もその方が安心ですよね?」
「は、はい。ヘルと一緒なら・・・」
「いや、違うんじゃない?」
そう突っ込むツカサを置き去りにして、アイリとミセリは、リツカとヘルの背後に回って後ろから身体を密着させると、それぞれの肩口から胸、そして背中へとローションを垂らしていた。
「ぁん」
身体を滴り落ちる冷たい感触に、身体を”びくっ“と跳ねさせるリツカを押さ込むように、首筋から肩口を通って二の腕へ、そして鎖骨から背中へと手のひらを滑らせローションを塗り広げていく。
「ゃん」
初めて知る“ぬるぬる”の指に肌を舐めるように撫で回される感触に、リツカはただ耐えることしか出来ない。
それなのに、アイリはその背中に自らの胸の膨らみを押し付けていた。
まだ成熟途中の2つの膨らみが”ぎゅうぎゃう“押し付けられるたび、その頂点で“つん”と自己主張する桜色のちっちゃな蕾が肩甲骨に”こりゅこりゅ“擦れるのが分かる。
「ぁん、あ、アイリさん」
「なんでしょうか?」
「そ、その、・・・せ、背中に当たってます」
その、くすぐったいような、それでいて”ぞくっ“とするような未知なる刺激に、思わず身体を反らして逃げようとする。
が、アイリはローションで“ぬるぬる”に滑る膨らみを彼女の背中に更に押し付け、圧し潰された2つの膨らみが”たわわ“に弾みながら”にゅるにゅる“擦れる度に、その先端の蕾が、背中を甘く突っつきながら這い回るような甘美な刺激に、リツカは戸惑いを隠せない。
するとアイリは、ローションで“ぬるぬる”手を彼女の脇の下から前へと滑り込ませ、リツカの、瑞々しく実る果実のような2つの膨らみを鷲掴みにしていた。
「えっ!?アイリさん?何を?」
だがアイリは有無を言わせず、2つの膨らみの乳腺に沿って指をあてがうと、そのまま揉みしだき始めた。
「ぁあん」
緩急と強弱を織り混ぜながら揉みしだかれる度に、そこから火花のようになにかが弾け、背骨を伝って脳天へと突き抜ける。
「あ、アイリさん。んくぅん」
その甘美な刺激に、思わず声を漏らしそうになりリツカは慌てて唇を噛んだ。
だがアイリは、そんな彼女の耳の形を確かめるように舌先で舐め回していた。
しかも彼女の視線の先では、ヘルがミセリに自分と同じことをされていた。
「ゃん。やめてミセリ。こ、こんなのだめぇ」
だがミセリは、ローションで“ぬるぬる”に滑る2つの膨らみを揉みしだきながら、その先端で自己主張するかのように“つん”と尖る可愛いらしい蕾を、指の腹で圧し潰しながら“こりこり”捏ね回したり、摘まんで“くりくり”していた。
「んくぅん」
あまりの気持ち良さに身体が“びくん”と跳ねる。
その瞬間2人の目が合い、、言葉に出来ないほどの持ち良さに戸惑う顔を互いに見られている事に気付いたヘルとリツカは、顔を耳まで真っ赤に染めていた。
「ゃん、ヘル、ダメ。んくぅ、み、見ないで・・・ぁん」
「ぁあん、リツカ、ち、違うの。んんっ、だめ、そこ、ひぅ」
ツカサは視線を逸らすように後ろのミセリを見た。
「んんっ。み、ミセリ、ぁあん。だめだったらぁ」
そして、精一杯の抵抗を見せるようにそう言った彼女にミセリから返って来たのは、思いがけない言葉だった。
「ち、違うのですヘル様」
「違う?はぁあん。何が違うの?くぅん」
「そ、その、ぽ、ポーションの飲んでからおかしいのです」
「お、おかしい?んぅん」
「はい。ポーションを飲んでから、だんだん頭が“ぼ~っ”としてきて、考えが上手くまとまりません」
「えっ!?」
そしてそれは、アイリも同じだった。
「わ、私も、胸も、おへその下も凄く熱くなって、身体が火照って、・・・あ、あそこも痛いぐらい“じんじん”疼いて。リツカ様。わ、私、もう我慢できません」
アイリもそう言いながら、それでも指は止まらず、
「ゃん、だめぇ。あ、アイリさん。こ、こんなことされたら、わ、私。くふぅ」
リツカは彼女にされるがままになっていた。
「ヘル様。私も、もう我慢できません」
「あぁん、こ、これってまさか?」
ツカサの脳裏には、この前の秘め事がチラついていた。
「り、リツカ。んんっ。さっき飲んだのってホントにポーションなの?はぁん」
「ぁん。は、はい。が、ガルダンシアの闘技場でも使われてる由緒正しい品だと、んくぅんっ」
「そ、それ、絶対ダメなヤツ!!ぁあん」
2人が、そのあまりに気持ちいい指戯から逃げるように身体を捩らせ前に突き出すと、ヘルとリツカの胸の膨らみがキスするように密着していた。
「ゃん」
「ぁん」
豊潤に実る果実のような、若々しい張りと弾力を保つ4つの脹らみが、ローションにまみれながら互いに圧し潰し合い、弾き返さんと“たわわ”に弾む。
しかもその先端で自己主張するかのように“つん”と尖るちっちゃな4つの蕾同士が“ぬるぬる”にまみれながら“こりゅこりゅ”と擦れ合っていた。
「ぁん、ヘル様、こ、これ、ぁあん」
「ゃん、り、リツカ。う、動いちゃダメ、んんっ」
だが、彼女らを逃さぬように、背後からミセリとアイリが2人をサンドイッチのように挟み、ローションにまみれる胸を背中に、そして〝つるつる″で〝ぷにぷに″の双丘をお尻に〝にゅちゅぬちゅ″擦り付けながら、ミセリがリツカの指を掴んでヘルのそこへ、そして同じようにアイリもヘルの指を掴んでリツカのそこへと導いていた。
「あ、アイリさん?」
「二人とも、何を?」
だが、リツカとヘルがそう訊ね終わるより早く、2人は導いた指に自分の指を重ね、それぞれのスリットの切れ込みから“ちょこん”と顔を覗かせる春に芽吹く新芽のようなそれを、種皮ごと“こりゅこりゅ”捏ね回し合っていた。
「あぁあん」
「んくぅん」
その瞬間、そこから火花のようにパルスが弾け、背骨を伝って脳天へと突き抜けていた。
「はぁぅん」
その痺れるような快感に、2人は膝の力が抜け腰から崩れ落ちそうになる。
が、それでも4人の指は止まらなかった。
そして、そんなリツカの耳元でアイリが、
「リツカ様、ヘル様の指は気持ちいいですか?」
アイリはそう訊ねていた。
「ひぅ、は、はい。とても・・・ぁあんん」
彼女は顔を耳まで真っ赤に染め、消え入りそうな声でそう呟いていた。
アイリはそんな彼女に追い討ちをかけるように、
「では、今されていることをそのままヘル様にもして差し上げてください」
そう囁いていた。
「えぇっ!?」
そう、気持ちいいの戸惑いが入り混じるリツカの表情を見たミセリは、
「ヘル様はいかがですか?」
わざとリツカに聞こえるように、ヘルの耳元でそう囁いていた。
「あ、ぁん。り、リツカだめぇ。そ、そんなことされたら、わ、私、くふぅ」
そう身悶えして耐える彼女に、
「ヘル様も、リツカ様からして頂いていることを、リツカ様にしてあげてください」
そう勧めていた。
「えっ!?」
「早く」
そう急かされ、
「も、もう知らないからぁ」
ヘルも、リツカにされていることをやり返すように指を動かし始めた。
「ゃん、こ、これ。くふぅ」
対するリツカも、それをまたやり返していく。
「んくぅん。り、リツカだめぇ」
「どうですリツカ様。自分がされていることを、そのままヘル様にしているから、ヘル様がどれだけ感じているのかが、自分のことのように分かりますよね?」
「はぁあん。だめ、そんなこと言わないで。ぁあん」
「ヘル様はどうですか?」
「ゃん。だめぇ。わ、私、私、もう、んんっ」
そして、そんなリツカとヘルの姿を見て我慢できなくなったのはミセリとアイリも同じだった。
2人は、指で弄る度に〝びくっ、びくっ″と不規則に跳ねるリツカとヘルの尻尾を跨ぐように脚の付け根に挟んでいた。
「あ、アイリさん!?」
「ミセリ、何を?」
そして2人は、彼女らの背中に自重で圧し潰れて弾き返さんと“たわわ”に揺れる脹らみの頂点で“つん”と尖る桜色の蕾で肩甲骨を“こりゅこりゅ”と擦りつけ続けながら、〝つるつる″で〝ぷにぷに″の双丘のスリットの切れ込みから〝ちょこん″と顔を覗かせる新芽と、そのすぐ下にある桜色の2枚の花びらを、ローションで〝ぬるぬる″に滑るヘルとリツカの尻尾に“ぬちゅぬちゅ”と擦りつけていた。
「ぁあん。リツカ様の尻尾の鱗がローションにまみれながら〝ぐりゅぐりゅ″擦れて、んぁあん」
「ゃん。アイリさん。尻尾まで気持ちよくしちゃダメぇ」
「へ、ヘル様のムチのような硬さの尻尾が〝こりゅこりゅ″擦れて、んくぅ」
「やん、だめよミセリ。わ、私、尻尾は弱いから、くふぅ」
「リツカ様、ヘル様の指はどうですか?」
「くふっ、ヘルの指が、んぁっ、私の中を掻き混ぜてる。あん、だめ。そ、そこ感じちゃうから、んぁあん」
「んんっ、へ、ヘル様、リツカ様の指はどうですか?んんっ」
「ぁあん。り、リツカの指、んくぅ、、スッゴく長くて。信じられないぐらい奥まで届いて。ゃん、そ、そこ。わ、私、こんなの初めて。はぁあん」
「へ、ヘル様、わ、私も、ひぁ、ヘル様の尻尾が気持ち良すぎて、ぁ、あん」
「ゃん。わ、私も、り、リツカ様の尻尾が、鱗が、ぁあん」
それぞれの膨らみを押し付け合い、その中に埋もれる蕾を“くりゅくりゅ”擦りつけ合いながら、互いのを圧し潰すように“こりゅこりゅ”捏ね回し、体重を預けながら腰を縦横無尽に動かして尻尾にそこを〝こりゅこりゅ″擦り付けながら、〝ぬるぬる″に滑る蜜壺の中を“ぬちゅぬちゅ”の“ぐちゅぐちゅ”に掻き混ぜる淫靡な音の四重奏が浴場に響き渡る。
そして4人はあっけなくその時を迎えていた。
「り、リツカ様、わ、私、もう、もう。あぁん、どうよう?私、私、リツカ様の尻尾だけでイっちゃう」
「ゃん、アイリさん。ヘル。ゃん。怖い。ぁあん、おへその下が熱くて、そこから何か来る、来ちゃう」
「ゃん。ヘル様だめぇ。ヘル様の尻尾がエッチ過ぎて。ひゃん、わ、私、もう、もう。んくぅん」
「んぁ。リツカもミセリもだめぇ。ゃん。も、もうイク、イっちゃうからぁ」
「あぁん」
「ひぅっ」
「んくぅっ」
「きゃうっ」
4人は膝から崩れ落ちるようにその場にへたり込み、肩で大きく息をしながら、半ば放心したかのように汗まみれの身体を互いに凭れ掛かるようにして、何とか身体を支え合っていた。
〈つづく〉




