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『『 』』→アルフレッド
『 』→アリシアパパ
「 」.《 》→変わらずアリシア
でお送りします!
“ トン・トン・トン ”
「お父様失礼致します。よろしいですか?」
『アリィじゃないか。どうしたんだい?執務室にくるなんて珍しいな。』
嬉しそうにアリシアの傍にやって来る父王。
『何かあったのかい?』
「お父様にお願いがあってきたの……」
『アリィからのお願いは初めてだな。なにかな?言ってごらん。何でも聞いてあげるよ。』
アリシアって一度もお願いしたことないの?!
きっと……
我が儘を言って困らせては駄目だと思っていたんだろうな。健気だなぁ……とってもいい子。
「駄目って言わない??」
『言わないよ。言ってごらん。』
「あのね。私……城下町へ行ってみたいの!どんな所なのかずっと興味があって……外へ行ってみたいの!町の暮らしも知りたいわ。どんなものがあるのか……どんな食べ物があるのか……お買い物もしてみたいたいし……」
「お城の中ばかりではなくて、新たな場所で“経験”をしてみたいの!お願いお父様!!」
必死さをアピールしつつ勢い良くいくしか手はない!極めつけは儚げな表情を浮かべ、上目遣い☆“ 経験 ”この言葉を付け足せばお父様は必ず落ちる。
お父様は“経験させる”ということを第一に考えている人。
お兄様たちにも常々、『色々な経験を詰め!』と口うるさく言っている。“可愛い子には旅をさせよ!”的なことかな。
お父様の顔が喜びに染まっている?ちょっと複雑そうだけど……
「お父様お願いします!」
更にもうひと押し!
『わかった。いいだろう。但し条件は守ってもらうよ。』
《《 やったー! 》》
条件つきだけど……
条件は3つ。
まずひとつ目は、魔法で目と髪の色をかえて、目立つ行動はしないこと。
二つ目は、3日後にアルお兄様の城下への視察があるから、その視察に同行という形なら認めるとのこと。
三つ目は、絶対に一人では行動せず、知らない人には付いて行かないこと。
まぁ、いいでしょう。条件が難しくなくてよかーった!
「お父様ありがとうございます!約束致します!」
『セバス!アルフレッドを呼べ!』
待機していた侍従に声をかける。
《早速お兄様に話をしてくれるのね!あら……まさかこれって……アルお兄様とデートってことじゃない?!》
《《《 ♡♡♡ 》》》
『『父上、お呼びでしょうか。』』
『あぁ来たか。』
『3日後の視察にアリシアを同行させなさい。城下を見せ、多くのことを学ばせてきなさい。アルフレッドくれぐれも頼むぞ。』
『『はっ!!かしこまりました!』』
二人のやり取りをぽうっと聞いていると……
『『よろしくね!アリィ!しっかり学んで来つつ、沢山楽いこともしようね!』』
アルお兄様からの尊いお言葉!
「はい。お兄様!よろしくお願い致します!」
《3日後のお出掛けが待ち遠しいなぁ♪》
本日2話更新できました。
稚拙な文章にお付き合いいただき、
ありがとうございます☆
引き続き楽しんで頂ければ光栄です。