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短めのお話です。
町へ外出してから10日が経った。
お父様との条件を破ったため、外出禁止令発令……今後の外出はある程度の年齢に達しないと許可が貰えない。
クリスお兄様も完璧な護衛計画を経てたのにアリシアを見失い、危険に晒してしまったことにものすごーく落ち込んでいる。らしい……
最近は、アルお兄様と協力して城下町の治安改善に取り組んでいる。朝食に顔を合わせるだけで忙しくしている。
アリシアも街で購入したものでタッセル作りに勤しんでいる。大量に作り城のみんなに配っていく。城の雰囲気も更に良くなったように感じる。
黒と焦げ茶色のタッセルを作った際のこと。街で助けてくれた黒いフードの人を思い出す。
《あのお兄さんの怪我大丈夫だったかな。お礼したかったな……》
そんなことを思いながら、次に会えたら渡そうと願いを込めつつタッセルを宝物入れの箱の中にそっとしまう。
《魔法も凄かったんだよなぁ。あんな風に魔法を使えたら、一人で外出をしても危なくないんじゃないかな。》
光魔法は攻撃魔法がなかったような……ゲームの中では光魔法は特殊な魔法だから、他の魔法は身に付けなくてもオッケーな感じだったし……周りからも光属性を極めろと言われ、他の属性の練習をさせて貰えなかった。
まだ発現していない今がチャンスかも。早速、図書館で魔法辞典を借りて練習してみよう。
《えっと……魔法はイメージが大切らしいから……》
物を作り上げるイメージで頭の中で呪文を唱えればいい。……私の得意分野じゃん!!
《これならいける!!》
沢山の魔法を習得して最強を目指せば死亡フラグ回避出来るかも。
《よし!次は全属性を習得できるように頑張ろう!!》