14
“いよいよ町へpart4”
“ バシン ”
後ろから鈍い音がする。振り返ると黒いフードを被った人と苦しそうにもがく悪党のおじさん。
様々な魔法を使って次々に倒していく。
『お前何者だ!!』
………………………………
無言のまま新たな魔法を繰り出す。魔法の攻撃を受けた悪党のおじさんの力が抜けアリシア解放……
《助かった……》
物凄い魔法を見せられ何が起こったのか……呆然とするアリシア。
『大丈夫?』
黒いフードを被った人が声を掛ける。アリシアは意識を取り戻し応える。
「ありがとうございます。助かりました。」
お礼を言い顔を上げると目が合う。
“さっ”とそらされたが、キラキラとした瞳。
「うわぁ!お兄さんの目キレイだね!キラキラ光って宝石みたい。」
何処にでもいるような焦げ茶色の瞳なのだか、光の反射でキラキラと輝いている。もう一度覗き込んでみようとするが俯いてしまってみえない……
《今日買ったガラス玉みたいな瞳!もう少しみたいのに……》
ふと地面に目をやると血が滴り落ちている。黒いフードの人の手から……
「血がでてる……」
持っていた刺繍入りのハンカチを取り出す。
『あぁ。これくらい平気だ。気にしなくていいよ。』
「駄目だよ。バイ菌が入ったら大変!」
アリシアは持っていたハンカチを手に巻き付けて手当てをしていく。
「本当に助けてくれてありがとうございました。怪我もさせてしまったし……あなたが居なければどうなっていたか……」
『無事でよかった。この辺は危ないから早く戻ったほうがいい。……これありがとう。』
手当てしたハンカチを指差すと、“ふっ”と柔らかく笑ったようにみえた。
アリシアが声を掛けようとしたら……
『『いました!!発見致しました!!』』
と声が響き渡る。振り返るとお兄様達と護衛がいた。アリシアに駆け寄りアルお兄様が抱き締める。
『アリィ。無事でよかった。急に居なくなるから探したよ。』
「ごめんなさい……」
「えーっと…………少年と……ふわふわが……モフモフで……甘くて……それから……おじさんが悪党で……キラキラ瞳が……キレイで助けてくれたの!!」
とテンパってしまい訳のわからない説明をしてしまう。
『ん??』
アルお兄様が固まる。
『この人達がアリシアを連れていったんだね。許せない!!』
延びている悪党おじさん達を見つめ、怒りの表情を浮かべるクリスお兄様。
「うん。でもね、危ないところをあの方が助けてくれました。」
うしろを指差し言う。
《あれ?いない……行っちゃったんだ……》
『とにかく無事で安心したよ。父上の保護魔法が発動したからアリィに危険が迫っていると知ったんだ。本当に焦ったよ。』
「ごめんなさい……」
『さぁ。取り敢えず城に帰ろう。』
クリスお兄様はここに残り悪党を捕縛。治安の悪い箇所の確認をしてから城へ帰ることになった。
馬車に乗り帰宅する。
帰宅後、心配したお父様、お母様に泣かれ……勝手に走って居なくなったことに関して、こっぴどく叱られ……反省するアリシアなのでした☆