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“いよいよ町へ!part1”の話となります。
今日はお兄様達と城下町へお出掛けする日。全然眠れなかった……やはり、クリスお兄様も一緒に行くことなったよ。あの後、お父様に駄目だと言われたようなんだけど……
数時間後……
“ アリシア護衛計画書 ”
成るものを作成し再チャレンジしたんだって。如何に自分がアリシアの護衛に欠かせない存在か。アリシアに生じるであろう危険性等々……
そして……これまでの護衛に関しての問題点を的確に指摘し、今後の護衛の改善案などを完璧にしたため熱弁してきたらしい。
あまりにも完璧すぎる護衛計画書だったため、今後はクリスお兄様の護衛方法に変えるんだってさ。流石クリスお兄様。天才!ということで、兄妹仲良く行ってきましょう!
出発の挨拶をしにお父様、お母様の所へやってきた。
「お父様、お母様ごきげんよう。今日のお出掛けをお許し下さりありがとうございます。」
ぺこりと品良くお辞儀。
『気をつけて行ってくるんですよ。アルとクリスから離れては駄目よ。外は危険がいっぱいなのだから……』
心配そうにお母様が声を掛ける。
お父様が、アリシアに髪と目の色を変え保護魔法をかける。
《魔法って凄いなぁ~》
こっちに来てから魔法をかけるところを初めて間近でみた。驚きと感動!私も使えるようになりたいな。
『アル、クリス頼んだぞ!!』
お父様も美しい顔が強張っている。
『『かしこまりました。お任せ下さい!!』』
「「行って参りま~~す!!」」
お気楽アリシアは、危ないことなんてない・ない!と平常運転。楽しみ過ぎてそれどころじゃないんだよ。
さぁ、出発です!
城を出発し、暫くすると賑やかな声が聞こえてきた。カーテンを開けチラリと街並みを拝見!
《うわー!楽しそう!!》
転生前は一般市民の私。
城の中は落ち着いているもんだからこのガヤガヤした感じ久し振りだ。みんな生き生きと働いていて活気がある。街並みも綺麗だし、建物は茶系で統一されていてシンプルだけど至るところにカラフルな花が咲いて華やか!
『アリィ、最初に建設中の橋を見に行くからね。』
アルお兄様が声を掛ける。
早く町に行きたいウズウズ感出ちゃってたかな。落ち着こう!
《今日は遊びじゃない。お仕事の付き添いなんだから!》
「はい。お兄様。」
目的地に着くまで、橋の建設について教えてくれた。
今回建設している橋は、1ヵ月前に起きた豪雨災害で被害にあったんだって。この橋がないと、山間部に暮らす人々が孤立してしまう。今は遠回りをして半日掛けて町まで行っているらしい。大至急必要な橋なんだね。
出来るだけ早く、前の橋よりも丈夫で頑丈に建設しなくちゃいけない。
まもなく完成というところまで来ていて、今日は最終確認に行くことになってる。
『さぁ着いた。危ないから橋には近付いては駄目だよ。』
「はい、わかりました。」
外に出ると、驚くほど大きな橋が架かっていた。ちっちゃい橋を想像していたので驚きのあまり身震いしてしまった。
かなりの高さがあり、落ちたら死確定。
そんなアリシアの姿を見て、クリスお兄様が優しく手を繋いでくれた。
『危ないから中でお茶をして待っていようね。』
ほっとひと安心。暫く待っているとアルお兄様がやってきた。
『お待たせ。さぁアリィお待ちかねの町へ行くよ!』
《よっしゃあ!待ってました!!》
アリシアはウキウキがとまらない。この後、町で起こるであろうピンチを……まだアリシアは知らない……………