幕前5
その夜。
次女の萌は、テスト勉強を少しやったあと、いつものように友達の沙織とメールを交換してから、タオルケットをかぶった。それから半年ぶりにあった姉のことや、姉のかばんからのぞいていた高そうな香水や化粧品のこと、明日のことやテストのことをあれこれ思ううちに眠りにおちていた。
長女の冬眞はほろ酔い気分を楽しみつつ、蕩けるように眠りにおちた。
三女の夏希は、朝練に備えて早々に眠るつもりが、ついついゲームをやりすぎてしまってから、眠りに落ちた。
四女の楓は、あねたちよりも遅く、モニターの前で眠りに落ちた。