表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/43

スパロボ戦記 5

パイロット紹介。

若草 冬眞・・・近接回避型。「根性」「応援」「熱血」「集中」「気合」「愛」

若草 萌 ・・・バランス型。「努力」「信頼」「幸運」「補給」「激励」「夢」

若草 夏希・・・近接攻撃型。「加速」「鉄壁」「ド根性」「特攻」「気迫」「魂」

若草 楓 ・・・遠距離型。[偵察」「ひらめき」「探索」「必中」「友情」「奇跡」



 気分一新。闘志再燃。初志貫徹。

夏希:「ちきしょう、あんのやろぉーっ!」

冬眞:「あの嬢ちゃん、ちょっとおイタがすぎたね」

萌 :「うらぎったな! ボクの気持ちを裏切ったな!」

楓 :「姉さん、それはちが・・・・・・」

 深夜零時。

 星空光輝。銀色満月。

 東京上空。

 目前東京電波送信塔。但是、冥界樹化。

萌 :「よかった。今度は小学生になってないです」

冬眞:「なんだ。そんなにちっこいからてっきり―――――」

萌 :「それ以上言うと、背中から撃ちますよ?」

 姉妹談笑?

 乗機変更。其名【白虎】【青龍】【朱雀】【玄武】也。

 姉妹、皆、巫女装束。

冬眞:「楓ちゃん、巫女服(みこふく)にあってるよー。起きたらあたしの貸してあげる」

楓 :「冬眞姉さん、神社で働いていたの?」

萌 :「・・・・・・楓ちゃんは純真です」

 警告! 警告!

 敵機襲来!

 敵機襲来!

夏希:「へっ、おいでなすったな、化け物どもが!」

冬眞:「いまのあたしはハイな気分だ。本気でいかせてもらうよ」

楓 :「・・・・・・バカばっか」

萌 :「各機散開! 風水陣、いきます!」

三人:『(おう)!』

 玄武。冬眞、北方守護者也。

 青龍。萌、東方守護者也。

 朱雀。夏希、南方守護者也。

 白虎。楓、北方守護者也。

萌:「四神の力よ、()く参れ! 聖・獣・合・体!」


♪ 輝く 紅の羽 今 今 はばたけ

  吾は四神王 無敵の超機神

  天河をかける 聖獣の 命うけて 戦わん

  百邪斬断! 灼熱の炎で 敵を討て

  天魔調伏! 四神の力で 悪しき夢をうちくだけ

  嗚呼 吾に敵なし




 銀色の満月のもと、東洋の神秘が炸裂する。白、青、赤、黒の光が螺旋(らせん)を描いて闇夜に風水陣を紡ぎだし、

東西南北からつっこんできた四機のメカがぶつかりあって、めくるめく炎と風と水と土の嵐から、巨大ロボが爆誕(ばくたん)する。

萌 :「四つの力を一つに合わせ・・・・・・・四神王(しじんおう)、見参ですっ!」

香澄:「あ、あいかわらず、斬新ですわね・・・・・」

 ここは魔法少女の世界。

 冥界樹(ユグドラシル)と化した東京タワーの横にうかぶ少女がモニターに映し出されると、萌は無性に嬉しくなった。

萌 :「うふふふふふふふ」

香澄:「な、なんですの。そのリアクション・・・・・?」

萌 :「仲間、です」

 この世界で、香澄はライバル役の魔法少女だった。だから、黒のハイレグっぽいセクシイな衣装を着ていたのだが、

そのスタイルは、ニッポンジン、だった。

冬眞:「♪ ばたん ぴたん ぺったんこ」

香澄:「――――っ!」

 声にならない悲鳴。

 香澄が恥ずかしそうに背中のマントで胸元をかくした。

 それから(どうやったんだか)カメラをアップに切り替えて、元気よく怒った。

香澄:「もおっ!許しませんわったら許しませんわぁ! 召還(シュテルン)!」

 香澄が踊るように空をとんでマジカルバトンを回すと、冥界樹(ユグドラシル)のなかから人魂っぽいソウルロボが次から次へと召還されてきた。

 空を埋め尽くして襲い来る百万のお化け(ソウル)を、萌たちもハイテンションで迎撃する。

楓&冬眞:「神州霊山(しんしゅうれいざん)移山召還(いざんしょうかん)急々如律令きゅうきゅうにょりつりょう!」

萌&夏希:「計都羅喉剣(けいとらごうけん)、暗・剣・殺!」

 最初からクライマックス。

 大山を落とし、剣圧でまとめてぶったぎる。四神王は圧倒的なパワーで百万のソウルを蹴散らすと、神の雷を落として冥界の大樹を焼き払った。

 闇夜に燃え上がる333メートルの冥界樹(ユグドラシル)

 豪華特大キャンプファイヤーの炎から、天をつく巨大な影が姿を現す―――――――――

4人:「うわぁ・・・・」

香澄:「オーホッホッホッホッホッ、オオーホッホッホッホッホッホッホッホ!」

 頭にのった六角帽。恐ろしげな赤ら顔。手には破戒棒(はかいぼう)閻魔帳(えんまちょう)

 業火の中から現れ()でたのは、鎌倉の大仏よりもバカでかい閻魔大王(えんまだいおう)っぽいロボだった。

香澄:「オーホッホッホッ、この東嶽大帝(とうがくたいてい)にかなうと思いまして!?」

 やけくそめいた笑い声をあげると、香澄は頭の六角帽から閻魔(えんま)ロボに乗り込んだ。

 閻魔(えんま)ロボは(破戒棒と閻魔帳を律儀に地面においてから)、両手をあわせて三角形を、ついで逆三角形をつくった。

香澄:「エロイムエッサイム、エロイムエッサイム。

    我れは求め訴えたり! いでよ、第一使徒から第12使徒!」

 怪しい呪文をとなえると、悪夢と怨念がとび出した。

 歪んだ空間から(WASP(ワスプ)的に)やばげなネーミングがつけられた化け物たち――――――胸にドクロをもつ化物やら、白い鮫っぽいやつ、

黒い巨大ピラミッドにしかみえない化物――――などが召還され、一斉に火炎やら光線やらで攻撃をしかけてきた。

萌 :「跳ね返して! 龍鱗甲(りゅうりんこう)!」

楓 :「だめです。念動フィールド、もちません」

冬眞:「なんてこったい」

香澄:「オーホッホッホ! わたくしを忘れていただいては困りますわったら困りますわ! 極大消滅呪文(シュテルン)!」

萌 :「きゃあああっ! けど、わたしたちは一歩も引きません! それが私達、若草姉妹なのです!」

香澄:「殊勝な心がけですわね! でしたら破戒棒(マジカルバトン)の威力をとくと思い知らせてあげますわ!」

夏希:「ぐううっ! 反撃だぁ! 龍虎河車(りゅうこかしゃ)! 雀武周天(じゃくぶしゅうてん)ッ!」

楓 :「デバイス開放。エネルギーフルチャージ」

萌 :「撃ちます! タイラント・オーバードレイクゥゥゥゥゥ!」

 弾けるスーパーエネルギー。塵と消えゆく使徒と街並み。

 中華っぽいメカと、インド原産のメカが咆哮をあげるたび、ビルが、駅前が、また一つ消えていく。

 ・・・・・・・・これって魔法少女ものですよね。楓がぽつりとつぶやいた。



 小一時間に及ぶ激闘の末、トーキョーは圧壊した。

 クレーターと成り果てた廃墟の上空で、傷ついた2体のロボが対峙する。

香澄:「はぁ、はぁ、な・・・・・・なかなか・・・・・・しぶ・・・・・・とい、です、わね。ケホッケホッ」

夏希:「こ、こえが・・・・・・」

萌 :「・・・・・・あ、あんた、ぶかつ、やってん、でしょ」

夏希:「『必殺のぉ背負い投げだぁ』って、さけぶかよ、げほっ」

楓 :「妙なところでリアルですね、この夢」

冬眞:「まったくだ。そのセンスがわからない」

 技を使うたびに声優さんのように絶叫していたのだ。疲れていないのは、あまり叫ばない役の楓と、いい大人の冬眞だけだった。

とりわけ、普段はおしとやかだろうに、律儀に高笑いをつづけていた香澄は酸欠寸前だった。

冬眞:「そんじゃま、たまにはリーダーらしくしめますか」

楓 :「どうぞ。やっちゃってください」

香澄:「ち、ちょっ・・・・・・と、ま・・・・・・まって・・・・・・・・、ケホッケホッ」

楓 :「ごめんなさい。待ちません」

 気力150。熱血+必中+愛。

 四神王は天界より神弓【若草】を召還する。

楓 :「聖獣の力、壱の矢にこめて」

冬眞:「玄武(げんぶ)! 青龍(せいりゅう)! 朱雀(すざく)! 白虎(びゃっこ)!」

楓 :「・・・・・・・四神召還」

 黒、青、赤、白の光が渦をまいて、つがえた矢に宿る。

 東嶽大帝は閻魔帳をかざしてバリアをはる。

楓 :「いまこそ放て。若草の力」

冬眞:「OK.かっこよく決めちゃって」

楓 :「目標との相対距離算出。調整。・・・・・・・発射」

 放たれた光の矢は閻魔ロボを一撃で浄化した。

 光となって消えゆきながら、香澄が健気に捨て台詞(ゼリフ)をさけぶ。

香澄:「あ、あなたたち、これ・・・・・で、勝ったと、思うなよぉ、ですわ! ケホッケホッ」

冬眞:「あの子、身体はってんねー」

楓 :「ま、夢ですけどね」


―――――

―――――――――

―――――――――――――――――

――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ