夢の狭間4
【夢の狭間】
(前略)――――――夢の中なかのあなたは、草原をかけるウマであったとしても、誕生歌を歌うマリリン・モンローであったとしても、あなたはあなたであることから逃れられません。逃れたつもりでも「あなた自身」は影のように付き従います。
しかし、間違わないで下さい。それは「あなたの影」の性格であって、「あなたの」性格ではないのです。場合によっては、普段は心の奥に潜んでいる醜い影が、ここぞとばかりあなたを支配するでしょう。もちろん、このサイトのような力で、全く別の第三者に操られてしまうこともあるということを、決して忘れてはいけません。さもなければ、夢のなかで誰かを傷つけたとき、それが自分の本当の欲望だと思い込んで、予言の自己成就につながりかねません。非常に危険といえます。
夢の中で、ネガティブな感情―――――あなたが普段は抑圧、ないしは周囲によって抑圧されている感情は翼をえます(それこそが人の本性という人もいます)。翼をえた感情は些細なきっかけで爆発的に解き放たれます。きっかけはキーワードであったり、態度であったり、刺激であったりするでしょう。スイッチが入ると、あなたは法を守る良心的な市民から、凶悪な犯罪者に豹変するかもしれません。
しかし、逆もまた然りです。影の檻に囚われた魂が、光あふれる大空に飛び立つこともできます。このサイトは、それを助ける力を有しています。
(中略)
このサイトでみる夢を例えるなら「映画をテレビでみて」「その映画に出演する」という表現が最も近いかもしれません。あなたはテレビをみながらにして、映画を作ることも、テレビの中に入ることもできます。つまり、あなたは視聴者と監督を兼ねるわけです。
映画、と限定したのは、始まりがあって終わりがあるという点において同じといえるからです。もっとも、終わりをむかえる前に貴方が目を覚ます場合を除いては、ですが。
場面転換。回想シーン。視点の変換。画面の分割。映画の中で、しばしば時間は進んだり戻ったりしますが、それでもフィルムはエンドロールに向かいます。それがどれくらいの長さなのかは夢によって様々ですが――――――――――――――――(後略)
モニターの前でふせるブラッドは夢の世界を心ゆくまで楽しんでいた。
モニターの前でふせる若草 楓の頬にはうっすらと涙のあとがのこっていた。
モニターの前でふせる北条 香澄は舞台演出にてんてこまいだった。