夢の狭間3
(前略)―――――多くの場合、夢は「想い」で出来ています。それは思い込み、望み、恐れ、憎しみ、愛、怒り、嫉妬、否定といった強い感情であり、あなたをあなた足らしめているもの、すなわち「魂」あるいは「心」と言い換えることができます。もしも、あなたが夢の海原を征きたいと念ずるのなら、しっかりと「己」をもち、想いの波にさらわれないようにすることが肝要です。
例えば、こんな経験はありませんか? 同じ夢を何度もみているのに、いつもよくない結末を迎えてしまう。あなたは夢のなかで自分が夢の中にいることを悟り、その後の結末まで知っているのに、やはり悲劇的な最後をむかえ、不快の汗で目を覚ましてしまう。
夢の結末を変えたければ、あなたは「絶対意思」をもち、能動的に夢の世界を作り変えていかなければなりません。それは作り変えて置き換えるというよりは、「夢の創造」といったほうが適切かもしれません――――――――――――――
(中略)
――――――もしも、他人の夢につながったのなら、事態はいっそう複雑です。あなたが取り込まれるケース、あなたが自我をもったま取り込まれるケース、あなたの夢と相手の夢が混じるケース、混じり合わず化学変化を起こすケース、利用するケース、相互補完するケース、否定しあうケース、並存するケース、・・・・・・枚挙に暇がありませんが、いずれにせよ、「意思」ある者が夢の世界で主導権をにぎるのです。望もうが、望むまいが、それだけがたった一つの確実なルールです――――――――――(後略)
以上のことをご了承頂いた上で、
あなたの世界を創りたいのならば、
あなたの真実の名前を声に出して唱え、
画面をクリックしてください
「原田 楓」
彼女は自分の名前を唱えてクリックした。
すると、サイトが暗転して、消えゆくモニターに吸い込まれるように彼女の意識は遠のいていった。
なぜ知らない人の夢につながったのか、彼女には分からない。夢をみるまえに、彼女は唯一の肉親である母とつながりたいと願っていたが、
あいにく、彼女の母は階下のリビングで夫とくつろいでいた。
知らない人の奇妙な夢の中。
気がつくと、彼女は望まぬ姿と役割を与えられていた。彼女は台本を破り捨てる権利を与えられていたが、彼女はそうはしなかった。
ふざけた世界の中で、思いもよらない人との出会いが待っていたのだ。