SCもえ 5
じんぶつしょうかい☆ミ
若草 もえ・・つっこみがとりえの女の子。10さい♪
フユちゃん・・雪だるまのぬいぐるみ。おしゃべり☆
若草 なつき・じゅうどう部のキャプテン。14さい♪
透矢(ブラッド君)・・もえのお義兄ちゃん。18才。
もえ:『新しい魔法少女、若草なつきちゃん。わたしの小学校と、おにいちゃんの高校の間にある桜花中学校に通う、中学三年生の女の子。みんなも
みてくれたように、かわいいだけじゃなくてとってもつよいんだ。あこがれちゃうよね〜。なつきちゃんは柔道部のキャプテンで、とってもつよくて
かっこいいから、桜花中のアイドルなの。まだ彼氏はいないけど、もえのみるところ、どうやらひそかに想っている人がいるみたい。うふふふ。
恋するおとめなんだね。なつきちゃんの恋がみのるよう、もえもおうえんするから、みんなもおうえんしてね♪』
ふざけたナレーションとともに、五日目の朝がやってきた。五日目は、顧問の先生に恋するなつきを、大会の真っ最中にもかかわらず、もえがあの手この手で後押しするが、なにもかもが裏目に出てしまうという実に少女マンガらしい展開だった。
もえのせいで精神的に動揺し、決勝戦で敗れるなつき。
深まる溝。
対立する二人の魔法少女。
ケンカはエキサイトして、五匹目のソウル(蚕=SUNだった)そっちのけで、変身しての格闘騒ぎになる。
なつき:「本気でいくからね、もえ」
もえ :「こっちこそ」(やばい、目がまじだ)
スク水ドレスのなつきは、ニヤリと笑って魔力をため、一気に解き放った。
「ネコ缶食わされたうらみ、いまこそ思い知れええええっっ!」
「もう時効だよーっ」
爆じける蒼の飛沫。スプラッシユな爆発シーンとともに、もえの体はきもちよく吹っ飛ばされて夜の廃ビルの貯水タンクに叩きつけられた。
もえ :「い、いたひ・・・・・・・・」
なつき:「わー、ごめんなさーい、わたしったらなんてひどいことをー」
ぴくぴくするもえに棒よみであやまると、なつきは巨大蚕をびしっと指差した。
なつき:「こうなったのも、化け物! 全部、お前が悪いっ!」
もえ :「・・・・・・・・」(ちがうだろ)
なつき:「そんなわけでお前を倒す。蒸着っ!」
わずか0.05秒の変身プロセス。
プロテクターをつけたなつきがノリノリで格闘するが、蚕の吐き出した糸によって繭のなかに顔だけ残して閉じ込められてしまう。そこはかとなく昔つかっていた寝袋を思い起こさせる格好だ。
なつき:「しまった、わたしとしたことが!」
フユ :「いま助けたるでー」
フユちゃんが吹雪の息で助け出そうとするも、なつき同様、繭にとらわれてしまう。とらえた獲物を捕食するべくチロチロ舌をだしてなつきにせまる
巨大蚕。なつきのピンチに、もえはよろめきながらも立ち上がる。
もえ :「なつきちゃん!」
なつき:「ダメだ。逃げるんだ、もえ!」
もえ :「できないよ。そんなこと、できるわけないよ」
なつき:「どうして? わたしはあんなヒドいことしたのに」
もえ :「・・・・・・・・」(まったくだ)
なつき:「それなのに、どうしてわたしを助けてくれるの?」
もえ :「だって、姉妹じゃない」
台本ではともだちだったが、萌はアドリブしてみせた。すると、もえの体が小学4年生から元の姿―――――――高校一年生に成長した。
萌 :「なんで、わたし・・・・・?」
フユ:「いまや、萌っ!」
萌 :「メーク☆アーップ」
巫女服に胸当てがつき、バトンが薙刀にかわり、長く伸びた黒髪に鼈甲のかんざしが挿される。できあがった衣装は、普通の薙刀部に近い感じで、似合っていると自分でも思えた。
萌 :「所かまわず糸を撒きちらし、あまつさえなつきを傷つけた。
その罪、八百万の神が許しても、わたしは許さない!」
ウインクをして、くるくるっと薙刀をまわして決めポーズ。
萌 :「冥府にかわって、おしおきよ☆」