第2幕 ソウルキャプターもえ
萌は死んだ―――――――――――――――
その魂は冥界にある閻魔大王のもとにとんでいった。
「おまえが若草 萌か」
「そうです」
「地獄行き。はい、次の人ー」
「ちょ、ちょっと待ってください。どうして、わたしが地獄行きなんですか」
「おまえがしでかした罪を言ってみよ」
鎌倉の大仏よりもばかでかい閻魔大王に見下ろされて、頭の中にまっさきに浮かんできたのは
ワナワナと青ざめた姉の顔だった。
「ごめんなさい。姉が大切にしていたシ○ネルのバックを疵つけたのはわたしです」
「他には?」
「ごめんなさい。姉が隠していたバイ・・・・・・・・・・・電動こけしを壊したのはわたしです」
「他には?」
「姉のせくしいな下着を無断でつけました。ええ、そりゃもう涙が出るほど似合いました。ええ」
「他には?」
「姉の部屋の蔵書は参考になっています・・・・・・・・・もちろん学術的な意味ですよ?」
「他には?」
「猫まんまは中国の宮廷料理がルーツだよ、と妹に教えました」
「他には?」
「妹をだまして猫缶を食べさせたことは、今となってはいい思い出です」
「他には?」
「羊肉を和牛ロースに偽装しました。いまでも夏希は和牛が苦手です」
問われるまま、萌は十の罪を告白した。
すると、閻魔大王はみるみる縮んで、愛らしい幼女の天使になった。背中には羽が、おしりにはシッポが、頭には猫耳がピョコピョコしている。
「お主は正直者だにゃあ。チャンスをあげるんだにゃあ」
「わあい、うれしいにゃあ」萌はなげやりに答えた。
「いいか。よく聞くのにゃ! 今からおぬしは生き返り、地上にさまよい出た十のソウルを捕獲するのにゃ!
期限は十日にゃ。それを過ぎるとハルマゲドンボッカーーーンにゃあ!」
「はい。質問ですにゃ」萌は手をあげた。
「なにかにゃ。なんでも聞くにゃ?」
「あんた、ほんとにアメリカ人かぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
萌は全開パワーで夢の主につっこんだ。