おとこのさがしもの
ふとしたあるひ、あおぞらのなかひとりのおとこがあるくのをやめ、みちにたっていました。
おとこはなにかをおもいだしていたが、それがなんなのかわからずにいたのです。
「なんだっけなぁ」
おとこはひっしにおもいだそうとするが、やっぱりそれがなんなのかわからずにいました。
「んー、とりあえずあるいていたらおもいだせるかなぁ」
おとこはとりあえず、そのなにかをさがしにあるきはじめるのでした。
とことこ、てくてく、とことこ、てくてく。
とことこ、てくてく、とことこ、てくてく。
おとこはあれからあるきつづけているのだが、なにかをみつけれずにいました。
おとこはまだまだあるきつづけます。
とことこ、てくてく、とことこ、てくてく。
とことこ、てくてく、とことこ、てくてく。
ですが、なかなかみつけれません。
もうすこしあるきつづければ、なにかをみつけれるのでしょうか。
おとこはまだまだあるきつづけます。
とことこ、てくてく、とことこ、てくてく。
とことこ、てくてく、とことこ、てくてく。
まだまだあおぞらのひろがるなか、おとこはたちどまります。
すこしつかれたので、やすむことにしたのです。
「うーん、すこしつかれたなぁ、どこかにやすめるところがあるといいんだけどなぁ」
おとこはまわりをみて、べんちをみつけます。
「よかった、あそこにすわろう」
おとこはうれしそうにわらい、べんちにすわり、ひとやすみすることにしました。
「うーん、それにしてもぜんぜんおもいだせないなぁ」
うーん、うーんっとおとこはおもいだそうとがんばりますが、やっぱりおもいだすことはありません。
するとそこにひとりのおんなのこがやってきました。
「ねぇ、おじさん。おおきなこえだしてどうしたの」
おんなのこはふしぎそうにこちらをみつめ、おとこにきいてきます。
おんなのこには、おとこがげんきがなさそうにみえていたので、こえをかけてきたのです。
「ありがとう。おじさんはね、なにをおもいだしたのかわからなくなっちゃったんだ」
おんなのこはふしぎそうにしながらも、ふーん、そうなんだとへんじをします。
「わたしはね、ぱぱとままをさがしているの」
おんなのこはあるいていたら、ふたりともいなくなっていたんだとはなします。
「でもわたしね、なかないの。ふたりともみつけるまでなかない」
そういっておんなのこはわらいました。
ですが、それはおんなのこなりのせいいっぱいのつよがりでした。
ほんとはおんなのこはさみしくておおきなこえをだして、なきたいのです。
おとこは、それをやさしくみつめます。
「そっか、えらいね。おじさんもいっしょにさがしてみるよ」
おとこはやさしいかおで、そういいました。
おんなのこはなきそうになりながらも、たずねます。
「いいの」
おとこはやさしくほほえんで、うなずきます。
「もちろんだよ、ふたりでいっしょにさがしてみよう」
そういっておとこはべんちからたちあがり、おんなのこのてをひいてたたせ、あるきだします。
おんなのこもえがおでついていきます。
とことこ、てくてく、とことこ、てくてく。
とことこ、てくてく、とことこ、てくてく。
おとことおんなのこはまわりをよくみてさがします。
とことこ、てくてく、とことこ、てくてく。
とことこ、てくてく、とことこ、てくてく。
おとことおんなのこがあるきつづけていると、まえからおおきいおとこのひととおんなのひとがやってきました。
ふたりはだれかをさがしているみたいに、まわりをきょろきょろとみわたして、さがしています。
おとこはふたりにむかってこえをかけます
「すみません、このこのパパとママでしょうか」
そのこえにふたりはかおをあげて、まえをみます。
するとじぶんたちがさがしていた、おんなのこがいました。
おんなのこは、おおきなこえでなきながら、ふたりにかけよります。
ふたりもなきながら、ははおやはおんなのこにかけより、ぎゅうっとだきしめ、ちちおやはおとこにかんしゃをつたえます。
「むすめをみつけてくださり、ありがとうございます」
ははおやもおとこにかんしゃをつたえ、おんなのこにおれいをしましょうね、といいます。
おんなのこは、えがおでおおきくうなずきます。
そして、「ありがとう」とこころからうれしそうにわらいながらいいました。
それからさんにんで、てをつないでかえっていきます。
そのようすをおとこはほほえましくおもいながら、みつめます。
ですが、おんなのこのてにもっているものをみて、あっとこえをだしおどろきます。
そして、じぶんがなにをおもいだしたのか、おもいだすことができました。
そしておとこは、あるばしょへとはしっていきます。
もうそらは、あかいひかりがでています。




