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4.戦闘と住民

久しぶりです。

しばらく時間を空けてしまいました...

言い訳を言わせてもらうと、インフルやら風邪やらで......

すみませんでした!!

シルバーウルフ。

ランクDの魔物で、銀色の毛並みと強靭な牙が特徴的だ。

ランクとは、冒険者ギルドが決めた()()()である。

ランクはEからSまであり、数字が上がるに連れ危険性も増していく。

比較する為に説明しておくが、ゴブリンがランクE、オークがランクC。

つまり、シルバーウルフはゴブリン以上オーク以下の強さを持つという事だ。



「《生成・片手剣》」


オレは魔法で片手剣を生成、攻撃の構えをとる。


「《アクセラレーション》」


先手必勝。

オレはシルバーウルフの隙を見計らい魔法で加速する。

攻撃してみるが、爪で阻まれてしまい致命傷を負わせることができない。

仕方なくオレは後ろに下がると、シルバーウルフが爪をたてて間合いを詰めてきた。


「《シールド》!」


オレは魔法の盾で防御。

防がれたことによりシルバーウルフの重心が後ろに傾く。

攻撃を仕掛けるが、野生の勘が働いたのか咄嗟に姿勢を立て直しオレと距離をとる。

しかし完全に避けることはできなかったようで、剣先が当たり軽く血を流している。

オレはチャンスだと思い、シルバーウルフとの間合いを詰め正面から攻撃。


それをシルバーウルフは姿勢を低くして回避、隙ができたオレに攻撃を仕掛ける。


「ディミテッドバースト!」


オレはシルバーウルフ目掛けて『剣技』を発動する。

『剣技』とは【剣術】の任意発動により行える必殺技のようなものである。

『槍技』なら【槍術】の任意発動で、『体技』なら【体術】の任意発動により使用できる。



攻撃を躱されたオレは、素早くシルバーウルフの後ろに回り込み背中に二つの斬撃を叩き込む。


 キンッ――ズバッ!ズバッ!


ディミテッドバーストは、正面から攻撃した後素早く後ろに回り込み、がら空きの背中に斬撃を叩き込む技だ。

『剣技』である以上、遠距離攻撃としては使えないが、汎用性が高いこの技はよく使用している。


「グルルゥ......」


致命傷を浴びたシルバーウルフが弱々しく吠える。

足も震えていて、立っているのが精一杯といった感じだ。

オレはそんなシルバーウルフに向かって剣を振るい、息の根を止める。


――シルバーウルフの絶命を確認。『銀狼の牙』『銀狼の肉』を獲得――


――アイテムを【インベントリ】に収納します――


シルバーウルフの死体が消滅し、【インベントリ】へと収納される。

あの本にも書いてあったが、倒した魔物はこのように自動で【インベントリ】に収納されるらしい。


――個体『シルバーウルフ』の所持スキル【移動速度上昇】が《スキル》に追加されました――


「......?」


あまりピンとこなかったオレは、【カタログ】の《スキル》を開く。

すると、【移動速度上昇】と書かれたスキルがあった。


【インベントリ】から『都市本』と書かれたあの本を取り出し目次を調べる。

オレが『都市本』を詳しく見ていなかったのは、【インベントリ】からいつでも取り出せる事を知ったからだ。


「【カタログ】《スキル》......223ページ」


目次にあった通りに、223ページまで紙をめくる。



【カタログ】スキル・技・魔法について

《スキル》《技》《魔法》は購入可能商品0から始まり、購入するには()()させる必要がある。


スキル追加方法は生物を殺す事。

殺した生物の所持スキルは()()《スキル》に追加される。

スキルの価格は自分との適性によって変化する。

追加不可能なスキルはなく、ノーマルスキルからユニークスキルまで全て購入可能となる。


技・魔法の追加方法は目で見る事。

技と魔法はそのスキルや才がなくとも購入は可能。

だが、スキルや魔法の才がなければ使用することはできない。

技の場合は《スキル》から術を、魔法の場合は《魔法》から『属性適正上昇』を購入し、魔法の才を獲得する必要がある。



正直な話、オレがあの契約書に同意した理由の大半は、この事を知ったからだ。

スキルというのは、習得に月単位の時間が必要になると言われている。

命をすり減らして練習したり、よほどの才能があれば話は別だが、大体はかなりの時間が必要となる。


スキルは月単位で習得に時間がかかる反面、その分強力なものだ。

そんな月単位で時間が必要なスキルが、日どころか秒という時間で増やせるのだ。

当然、そんな美味しい話を逃すオレではない。

かなりの資金が必要となるが、それでも美味しい話という事に変わりはない。


「......始めるか」


『都市本』を【インベントリ】に収納した後、オレは魔法で加速し近くにいた魔物の心臓部を剣で貫く。


拠点は、範囲内に魔物を出現させないだけで、元からいた魔物については討伐するしかない。

よく見れば、周りにオレを喰らおうとする魔物がまだたくさんいる。

一部の魔物は怯えているみたいだが、ほんの一部に過ぎない。


ありがたく、こいつらからスキルを貰うとしよう。



魔物の素材売却による獲得資金+1億6700万



■ ■ ■



住民は民家を購入、設置することで獲得できる。

民家は百万で購入可能で、一つの住居にランダムで一人から六人まで住むことができる。

その住民たちに畑を耕して貰ったり、商売をして貰ったりするので無くてはならない存在だ。



「十軒くらいでいいか......」


オレは、民家を横並びに十軒購入する。

すると、レンガのような材質で建てられた家が現れた。

中を見てみたが普通の家だった。強度も問題ない。

後は待つだけ。しばらくすれば勝手に民家に住んでくれる。



オレは拠点から椅子を持ち出し、外で休む。

駆除作業は思いの外早く終わった。

シルバーウルフは何体もいたが、魔法で一掃したり奇襲で殺したのであまり手こずらなかったし、他の魔物はシルバーウルフよりも弱かったので早く片付いた。

倒した魔物のアイテムは自動的に【インベントリ】に収納されるで、倒したらすぐ次の魔物に移り変われたのも時間短縮のおおきなポイントだろう。


「......そういえば井戸がないな」


オレは重大な忘れ物に気付き、すぐに【カタログ】を開く。

水を一滴も飲まなかった場合、4、5日で人は死ぬ。

魔法で水を作り出すことは可能だが、お世辞にも美味しいとは言えないのだ。

それに、井戸は一つ五十万ほどで購入できる。

安いと言える程ではないが、それで人が集まりやすくなるのなら安いものだろう。

水を選べるほどの金銭面での余裕がこの世界の人々にあるのかは分からないが。


「あの~、すみません」


オレが井戸を設置し始めると、後ろから声をかけられる。

声の方を向くと、優しそうな男性が立っていた。

男性の後ろには女性と子供が一人ずついるのが見える。


「なんですか?」

「ここの都市の代表を呼んで貰えませんか?」


代表?長などではなく?

少し違和感を感じたが、そういう世界なのだと思い頭を切り替える。


「この都市の代表は私ですが......もしかして移住ですか?」

「はい。自然豊かな土地で暮らそうと思いまして」

「そうですか、ではこちらへどうぞ」


正門を潜らせ、民家へ案内する。

その隙にオレはこっそり【魔色眼】を発動させ、才をみる。

男性は緑色なので風属性の才が、女性は水色なので水属性の才があり、子供は女性と同じように水属性の才があるようだ。

知った所で特に意味はないが、知っておいて損があるものでもないだろう。


「私はクリス・プリングルと申します。こちらが妻のフリアで、この子がヨハネスです」

「ご丁寧にありがとうございます。私はウィル・べーレントと申します。先程も申し上げた通り、この都市の代表者をやらせて貰っております」


オレは手を差し出し握手を求める。

クリスさんはオドオドしながらも握手を交わしてくれた。

丁度民家の前に着いたので話を切り替える。


「こちらの家にお住みしていただきたいのですが、どうですか?」

「いいですよ」


断られたらどうするか考えていたがその心配は無用だった。

井戸の設置が途中なので作業に戻ろうとすると、クリスさんから声がかかる。


「あの、すみません」

「どうしましたか?」

「この都市の名前って何ですか?」

「ああ......」


都市の名前。

少し考えたが、ピンと来るのはこれしかない。

前世に未練はないと思っていたが、少しばかり心残りがあるようだ。


「では改めまして、ようこそ――――日本へ」



――都市名を日本に変更します――


都市情報

ウィル・べーレント

都市名:日本

都市レベル:1

資金:2億600万円



まぁ、という訳で住民を獲得しました。

都市の名前に関してはただ単純に思い浮かばなかったので......

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