2.転生とステータス
書き直しました。
前の二話を呼んでくれた方、本当に申し訳ない...
「んん.......」
うっすらと目を開け、ベッドから上半身を起こす。
細く開けた目で後ろを見ると、ライラがいることに気づいた。
ライラは、メイド服を着て茶色の髪と目をしている女性だ。
手に綺麗な花の入った花瓶を持っている事から、花を取り換えに来たという事が伺える。
「あ、おはようございますウィル様」
オレが起きたことに気が付くと、ライラは腰を曲げ丁寧にお辞儀をした。
「ああ、おはよう」
「朝食は下にご用意してありますので、それでは失礼致しました」
ライラがドアを開け部屋を立ち去る。
「......着替えるか」
オレはタンスから着替えを取り出し、着替えを始めた。
オレは公爵家の息子、ウィル・べーレントに転生した。
転生してすぐは大変だったが今はもう慣れた。
オレは腰を下ろしていたベッドから立ち上がり鏡を見る。
身長は平均くらい、顔はかなり整っていると思う。
白い髪に蒼い瞳、前の世界ではありえない色だ。
公爵とは爵位の位の一つで、上から公爵、侯爵、子爵、男爵、平民となっている。
人口は当然ながら平民が一番多く、爵位が高いほどその人口は少ない。
つまりオレの身分はかなり高いという事だ。
親の権力を借りるつもりは一切ないが、あって困るようなものじゃない。
この家には感謝だな。
「ステータスオープン」
ステータス
ウィル・べーレント
魔法の才
無属性魔法の才
スキル
【隠蔽】(隠蔽中)
【仮想都市】(隠蔽中)
【剣術】
【体術】
【魔色眼】
スキル詳細
【隠蔽】(レアスキル)
ステータスを隠すことができる。
スキル【看破】を持つ者には通じない。
隠すことはできるが書き換えることはできない。
【仮想都市】(ユニークスキル)
遊戯神からのスキル。
【剣術】(ノーマルスキル)
剣の扱いが上手くなる。
『剣技』が使えるようになる。
【体術】(ノーマルスキル)
回避行動や殴る、蹴るなどの体を基本とした動作が全体的に良くなる。
『体技』が使えるようになる。
【魔色眼】(エクストラスキル)
相手の魔法の才を色として把握することができる。
魔法の才は基本一つ、稀に二つ発現する。
魔法の属性は、基本、火・水・風・土・闇・光、稀に無属性魔法の才が発現する。
才のない魔法を使用することはできない。
転生特典で複数の属性に適性があると思っていたのだが、そこまで甘くはなかった。
スキルにはレア度があり、下から、ノーマル、レア、エクストラ、ユニークとなっている。
スキルは先天的に獲得する場合と、後天的に獲得する場合がある。
ノーマルスキルの【剣術】や【体術】なんかは後天的に獲得したという人も少なからずいるだろう。
オレの場合は【剣術】は先天的に持っていたが、最近【体術】を獲得したといった感じだ。
コンコン。
ドアをノックする音が聞こえる。
「どうした?」
「お食事の用意ができておりますが、お食べにならないのでしたら片付けてしまってもよろしいでしょうか?」
ライラとは違うメイドがドア越しに伝えてくる。
そういえばライラも言っていたな。
「ああ、すぐ行く。もう少し置いといてくれ」
「畏まりました」
しばらくして階段を降りる音が聞こえる。
仕事に戻ったのだろう。
オレはドアを開け食堂に向かった。
「ふぅ~」
食事が終わり、再びオレはベッドに腰を下ろす。
「そろそろ調べるか......」
オレは大した期待はせず、スキルを発動させる。
「【仮想都市】」
転生してすぐは何故か使えなかったこのスキル。
公爵家という立場上、使えないスキルがあると陰で変な噂を流されるので隠蔽していた。
親にも話していない。
神から貰ったチートスキルというのもあり、いつか発動できるようになるだろうとは思っている。
そのため、毎日スキルを発動させてみているが、使えたことは一度も無い。
今日も同じようなことになるだろうと思いつつ、アナウンスが聞こえるのを待つ。
少しして、無機質な声が聞こえてくる。
――スキル起動を確認――
――【仮想都市】所持者を確認――
――これより所持者に適した土地の作成を行います――
――完了。所持者に【メニュー】を与えます――
――失敗。【メニュー】の取得条件を満たしていません。満たされ次第使用可能になるように変更します――
――成功。発動を確認したため、【仮想都市】への転移を行います――
いつも聞いている内容とは違う無機質な声。
内心驚きつつも、何が起こるのかを楽しみに待つ。
そして視界が暗転し、オレは部屋から姿を消していた。
ついに仮想都市がでてきますよ!
ご愛読ありがとうございます!




