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大仕事の後の一杯は格別です。

何とか12月中に書き終える事が出来ました。

============


冒険者ギルドでは宴会の準備が既に完了しており、あちこちのテーブルには料理が所狭しと並び、椅子には冒険者達が着席している。そんな彼らの手には各々が飲む酒やジュースが入ったジョッキやグラスを持っており、乾杯の時を今か今かと待っていた。



「……それじゃあみんな、おつかれさまでした!みんなががんばったから、バーサーカーコングはまちからはなれていったの。きょうはわたしのおごりだから、えんりょせずにすきなだけたべたりのんだりしてね!」



冒険者ギルドのマスターであるシーアが椅子の上に立ち、グラスを持ちながら乾杯の音戸を取っている。彼女は今回のバーサーカーコングの撃退作戦で動いてくれた冒険者達に労いの言葉を掛けているのだ。


冒険者ギルドが宴会を開いた理由というのは、今回の撃退作戦に冒険者達の参加を募った際に、特に有益な活躍をした冒険者には特別報酬を払うとシーアは約束していたが、様々な情報を照合した結果、それに該当する冒険者は誰も居ないと彼女は判断した。


それを聞いた冒険者達からは当然非難の声が上がったが、シーアはそのお詫びとして今晩ギルドで宴会を開き、それに掛かる費用は全て自分が負担すると告げると、先程とはうってかわって彼らから歓喜の声が上がって、全員が納得したのだ。


その後はギルドの従業員達が料理などを街の飲食店に注文し、それにギルドに運んで、テーブルに並べていく。冒険者達も運ぶのを手伝ったので、宴会の準備が早く完了したのだった。



「ちゅういじこうとしては、おさけをのんでもよいすぎないようにね!……それじゃ、かんぱ~~い!!」

「「「「「乾杯っ!!」」」」」



シーアの乾杯の掛け声と共に冒険者達が乾杯し、突き出したジョッキやグラスがぶつかる音が響く。バーサーカーコングという強大な魔物の撃退に成功した事に喜んでいる者が多数を占め、それを爆発させているのだ。



「乾杯」

「乾杯です!」

「ピィ!」



シーアのすぐ近くのカウンターの席にはこの宴会に招かれたリン達二人と一羽が居た。リンは椅子に腰掛けているが、エルムとヒータはテーブルに敷かれた一枚の布の上に座っている。


ちなみに、リンとエルムが突き出したグラスには酒は注がれていない。レクトイの街があるラゼンダ王国では二十歳から飲酒と喫煙が可能と法律で認められている。永遠・・の十七歳であるリンと十三歳であるエルムは飲酒は許されていないので、ジュースで乾杯した。エルムは自分専用に作られた小さいグラスに口を付けて飲み、鳥であるヒータはというと小さい皿に注がれたスープを嘴を付けて器用に飲む。



「よーし、飲んだから食うぞっ!」

「そっち切り分けてくれ!」

「沢山あるから落ち着いてよ」

「こっちも旨いぞ!」



鉄板の上でこんがりと焼かれている肉の音に香ばしい魚の匂いなど、テーブルに並べられた様々な料理が五感を刺激し、宴会の参加者の食欲をそそる。彼らは喜びを分かち合うように料理を分けていく。



「よいしょ、リンちゃんたちもおつかれさま。いろいろとうごいてくれたからたすかったって、みんなからきいたよ」

「どういたしまして。……でも、オレ達はオレ達が出来る事をしただけだから」

「そっか。でもさ、ほうしゅうをうけとらなくてよかったの?」

「特別報酬の事なら、オレ達は冒険者じゃないから受け取る権利も義務も義理も無いから受け取らない」

「リンさんの言うとおりです」

「ピィ」



シーアはリンの横の空いている席に腰掛ける。彼女達を宴会に誘ったのは、冒険者達よりも街を守る為に行動したと彼女は判断し、二人と一羽に特別報酬を渡そうとしたからである。しかし、リンは冒険者ではない自分達が受け取る資格は無いと丁重に断り、エルムとヒータもそれに同調したのだ。


その特別報酬の気になる行方はというと、シーアは悩んだ末に今回の宴会の費用に充てると決め、それを参加者全員に伝えた。結果的に宴会の参加者全員で特別報酬を分ける事になったのだ。



「そっか、わかったよ……でも、ヒータくんをけいびいんにするなんて、ずいぶんおもいきったこときめたね?」

「適材適所だよ。屋根を移動して配達するエルムの警備員にヒータ以外に適任はいないと思ったからな」

「そのあとになんにんかのぼうけんしゃが、エルムちゃんのけいびいんをするってりっこうほしたのは、わたしもよそうできなかったよ」

「……気持ちはありがたいけどよ、警備員はもう間に合ってるから」



リンは宴会に参加する際に、そこに居る全員にヒータを紹介した。ヒータをペットとして飼うのかと聞かれた時に彼女はエルムの警備員として雇ったと告げると、全員が驚きの声を上げたのだ。


彼らが驚くのも無理はない。客寄せとして動物を飼うのは聞いた事があるかもしれないが、鳥を警備員として雇った雑貨屋など前代未聞であり、正気かとリンに尋ねる者まで居た。しかし、人の言葉を理解する高い知能を持つ鳥のヒータが二回もエルムを助けたのには何か理由があるのではと考えて、飼うのではなく雇う事にしたと言うと同時に、ヒータは彼女の言葉に反応して頷いたのだ。それを見た彼らは、リンがヒータを雇ったのは本当の事だと信じたようだ。


だが、それに異を唱える者が現れた。数人の冒険者が鳥のヒータに警備員を任せるのなら自分がやると名乗り出たのだ。それに対してリンは彼らに一つの条件を提示したのであった。



「……屋根の上を目立たないように飛んで移動出来るなら、警備員として雇っても良いけど?」



リンが出した条件に名乗りを上げた全員が彼女から顔を背けた。屋根に上る事は出来てもそれだけで目立ってしまい、ましてや飛んで移動するのは不可能だ。彼らは納得がいかないながらも渋々引き下がったようであった。



「これからもっといそがしくなるんじゃないの?」

「バウズ商会がなくなるから、商売がやりやすくなるから忙しくなるな。それでも、あれこれ文句言ってくる奴も居なくなったから、のびのびと出来る」

「そうだね。これからもよろしく」

「任せてくれ」



商売敵であるバウズ商会は解散するのは決定的である。また、自分と会えば何かと文句を言っていたドルグとフィテルが居なくなったので、自分の仕事がやりやすくなると感じたリンは少々気が楽になったようだ。



「リンさん、これ取り分けて下さいです!」

「ピィ!」

「分かったよ、少し待てって」



エルムとヒータから料理を取り分けてもらうように頼まれたリンは、シーアとの話を切り上げて自分の近くにあった皿にのったステーキからを肉をナイフとフォークを使って切り分けていく。



「はいよ」

「ありがとうございますです」

「……ところで、ヒータは食べれるのか?」

「ピィ!」

「分かった。野菜もしっかり食べろよな?」

「はいです」

「ピィ」



リンは一人と一羽の為にステーキを切って取り分けていたのだが、鳥のヒータが食べられる物なのか聞いてみると、彼は頷いて食べれる事を伝えた。それを読み取った彼女は切って取り分けるのを続けていく。つけ合わせの野菜も取り分けていく。


取り分けられたステーキとつけ合わせの野菜を、エルムは自分専用のフォークとナイフで更に細かく切り分けて食べ、ヒータは嘴で突いて食べていく。



「……リンちゃん、なんかおかあさんみたいだね」

「ん?なんか言った?」

「なんでもないよ~」



その様子を見ていたシーアは、リンが子供に料理を取り分ける母親のように見えたので思わず言葉に出てたようだ。それをリンに聞かれたかもしれないが、何とか誤魔化した。



「さてと、……わたしもたのしもっと!」



その宴会は夜中まで続き、終わるまで笑い声が絶えなかった。冒険者ギルドの従業員達も交代で宴会に参加し、中には冒険者達が彼らに代わって料理を運んだりなど、互いを労いあいながら喜びを分かち合ったのであった。


============


レクトイの街からバーサーカーコングを撃退してからしばらくして、今回の騒動を首謀して引き起こしたドルグとフィテル、それに関与した人達に下された処罰の内容が街中に伝えられた。


首謀者であるドルグとフィテルには、当然といえば当然だが重い処罰が下された。連行された後に行われた取り調べの時でも、自分達は悪くなくてリンが悪いと喚き続けていた二人だったが、それが取り調べを行った兵士達の心証を最悪な物にした。様々な証拠が上がっているにも関わらず、一向に罪を認めない二人は異例の早さで裁判所に送り込まれたのだ。


ドルグとフィテルの身柄が裁判所に送られてからすぐに裁判が始まった。裁判が行われている中でも二人は自分達は悪くなくてリンが悪いと言い張っていたが、そこに彼らを弁護する者は誰一人として居なかった。ラゼンダ王国では被告になった者には弁護人を数人から一人選択して弁護をしてもらえる制度があるのだが、いくら弁護しても罪を少しだけ軽くするのがやっとであり、無罪を勝ち取れる訳が無いのは誰がどう考えても明らかである。


……しかし二人は、弁護人を呼び寄せると自分達は無罪にしてリンを有罪にするようにと無理難題を押し付けたのだ。その弁護人が罪を少しだけ軽くするのが精一杯と伝えると二人は激昂し、彼を罵倒して追い出したのである。それを繰り返した結果、弁護人が不在の状態で裁判を行う事になったのだ。


そんな状態での裁判はドルグとフィテルに有利に進む筈が無く、読み上げられる罪状に対しても同様の言動を繰り返していた二人には裁判員達の満場一致で相当重い処罰が下されたのだ。それに対しても同様の言動を繰り返した二人だったが、その時に裁判長が口を開いた。



「……フィテルさん。あなたが持っているスキルを一つ、私に譲って下さい。それが出来るのならば、あなたは無罪とします」



その言葉を聞いたフィテルは一瞬だけ呆気にとられたが、すぐに反論したのだ。そんな事が出来る訳が無い、無理難題を押しつけるな、と彼女は矢継ぎ早に叫ぶが、裁判長はというと呆れながらも諭すように言葉を続ける。



「……あなたが先程から言っている事を、私はあなたに言ったのですよ?これで、スキルを他人に渡すのは無理な事だと分かりましたか?」



普段から人に無理難題を押し付けているのに、いざ自分に押し付けられたら無理だと言うのは如何なものか。その後はフィテルが何かを言えば全く同じ言葉で返していく裁判長に彼女は怒りが爆発して大暴れしたが、すぐに取り押さえられた。


そして、裁判長を含めた裁判員達は二人に対し、今回の騒動で死亡した者は居なかったものの、彼らの動機は到底許される物ではなく悪質であり、反省の意思は皆無だと判断され、懲役二十年という長い刑期を下したのだ。


判決を言い渡されてもドルグとフィテルは同じ事をしつこく繰り返していたが、裁判長が二人を退廷させるように指示を出すと、喚きながらも警備員に強制的に退廷させられていった。その後に裁判員達は、最初から最後まで騒がしかった被告は彼らが初めてだったと口々に語っていた。




次に街を守るべき立場でありながら、酒の誘惑に負けてドルグに協力した二人の兵士の処罰の内容である。彼らは連行された後の取り調べの最中に酔いが覚めたが、酔っていたから覚えていないと自分達の行為を否認した。しかし、酒を受け取ったのは酔う前であり、魔力回復薬を運び出した時も同様であると判断された。それと勤務中に、ましてや緊急事態に飲酒をするのは言語道断だと一蹴されたのだった。


そこへ隊長がやって来たのだが、開口一番に彼らを叱責した。実は二人は以前、酒に酔って問題行動を起こしていて、その時は厳重注意と減給の処分を下したが、その際に再び同じような問題行動を起こした場合は懲戒解雇の処分を下すと二人に強く言っていたのだ。それなのにも関わらず、飲酒による問題行動を起こした二人に対しては、隊長は叱責した後に容赦なく懲戒解雇を言い渡したのだった。


それから少しの時間をおいて、一人の方には彼の両親が、もう一人の方には彼の妻が面会に訪れた。両親が面会に来た方は、



「そんな風に育てた覚えは無い」

「今日限りで親子の縁を切らせてもらう」



と、両親から絶縁を言い渡された。また、妻が面会に来た方は、



「あなたが父親だと子供に迷惑が掛かるので、離婚しましょう。子供には会わせません」



と、離婚を言い渡されたのだ。二人は泣いて縋ったが彼らは既にレクトイの街の一部の住人から陰口を叩かれたり、白い目で見られ始めていたので遠くの街に引っ越す事を決めており、二人と縁を切る事も決めていたのだ。


助けてくれると信じていた家族から縁を切られて孤独の身になり、解雇されて無職にもなった二人はすっかり意気消沈し、読み上げられる罪状に対して全面的に認め、懲役五年という判決を言い渡された時は全てを受け入れ、自分達がした事の愚かさに向き合うと決め、罪を償いながら刑に服する事にしたようだ。




最後にバウズ商会の従業員達である。彼らは常日頃からドルグとフィテルから圧力を掛けられていたなどの事情があり、借金をして商会の備品を購入させられたり、ドルグとフィテルの私用で掛かった料金を負担させられたりなど、普通では考えられない事をさせられたのだ。


また、彼らは責任を感じてバーサーカーコングの子供を親に返す際に協力した事と、リン達と行動を共にしていた兵士とその時に手伝った冒険者達の証言などを総合して、彼らには一定期間の奉仕活動という軽い処罰が下されたのだった。


更にバウズ商会の従業員達には先述の借金があるのだが、事情を考慮されて全て免除するという措置が取られた。彼らがバウズ商会で働いていた際にドルグの指示によって背負わされた借金は、彼らが払わなくてよいという判断がされたのだ。


バウズ商会の従業員達は諸手を挙げて喜んだが気になるのは借金の行方だ。それはどうなったかというと、彼らに借金を背負わせたドルグが背負う事になった。裁判員達は会長という立場を利用して借金を強制させたのは悪質だと判断したのだ。一人でもかなりの金額になるのだが、商会の従業員全員という途方もない借金を背負ったドルグであった。


そして、今までドルグによって冤罪を被せられた者達の無実を証明する証拠が商会から多数見つかり、彼らには無罪が言い渡されて釈放されたのだ。その代わり、冤罪を被せたドルグは被せてきた冤罪以上の罪を背負う事になり、フィテルもそれに加担していたとして、彼らの刑期は積もり積もって懲役二十年から五十年と当初の倍以上となった。二人は刑期を終えるのが先になるのか、それとも人生を終えるのが先になるのかは誰にも分からない。


ドルグとフィテルは仮に相当長い刑期を終えたとしても、途方もない借金や方々から請求されている膨大な賠償金を払い終えるまでは、一般的な生活を送る事は不可能だろう。彼らが起こした今回の騒動はそれだけ重罪なのである。


============


騒動を引き起こしたドルグ達の処罰の内容が街中に伝えられている中で、雑貨屋のウィンストでは開店前にリンがとある作業を行っていた。



「……ここは、これがちょうど良いか?」



柱に空いた一つの穴に円柱状の木の棒を差し込み、金槌で叩いて押し込んでいく。



「ここはこれが……あ、違う。こっちか」



壁に空いた一つの穴に先程と同じように円柱状の木の棒を差し込むが、穴に対して木の棒が細かったのではまらず、それを置いて別の木の棒を手に持って穴に差し込むと金槌で叩いて押し込んでいく。



「ピィ、ピィ」

「ヒータの羽毛はふわふわしてて気持ちいいです」

「ピィ」



エルムはヒータに彼女の手で持てる大きさのブラシを使って羽繕いをしてあげているようで、彼はそれを止めないように動かないでじっとしている。



「……よし、とりあえずこのくらいか」

「終わったんですか?」

「ああ、止まり木を付ける作業はな」



リンは一通りの作業を終えたようで、使っていた金槌などを片付けていく。彼女が先程まで行っていたのは円柱状の木の棒を止まり木として壁や柱に取り付ける作業である。ヒータの休息の為に二人が意見を出し合い、街の材木屋に依頼して、太さも長さもそれぞれ異なる木の棒を二十本作成してもらったのだ。


ちなみに、これらの木の棒は大きな木材から切り出したのではなく、他の作業で生じた端材を加工した物であり、それ故に代金は安く済んだのである。



「それじゃあヒータ、乗ってみてくれ」

「ピィ」



ヒータはリンに促されて羽ばたくと、一つの止まり木に乗る。彼は脚で止まり木の感触などを確かめている。



「ピィ!」

「気に入ったようで何よりだ」



ヒータは嬉しそうな鳴き声を上げると、それを聞いたリンは彼が満足したと受け取ったようだ。働きやすいように店の環境を整えるのは主に店長である自分の仕事であり、人ではなくても雑貨屋の従業員である事に変わりはないヒータが喜んでいるなら、全く苦にはならなかった。



「私も座ってみたいです」

「ピィ」



エルムはヒータの隣に腰掛けようとすると、彼は止まり木の先の方へと移動して彼女が座れる場所を空ける。



「私が座っても大丈夫ですね」

「ピィ!」



ヒータの為に用意した止まり木だが、エルムも座れるようだ。一人と一羽は和気藹々としているが、開店時間が迫っている事に気づいたリンは彼らに声を掛ける。



「エルム、ヒータ。楽しんでいるところ悪いけど、そろそろ時間だから仕事に入ってくれ」

「分かりましたです」

「ピィ」



リンに言われて止まり木から離れると一人と一羽は仕事の準備に取りかかる。エルムは魔法袋を持つと配達する商品をそれに入れていく。ヒータは特に準備する事は無かったが、彼女の準備が終わるまではその場を動かなかった。



「それじゃあ、今日もよろしくな」

「はいです、配達に行ってくるです。ヒータ、お願いしますです」

「ピィ!」



エルムとヒータは雑貨屋の二階へと移動し、そこの窓から外に出て、配達に向かっていった。彼女が屋根から屋根へと移動しながらの配達方法は既にレクトイの街の風景の一つになっている。



「ピィ!」

「ヒータ、安全確認ありがとうございますです」



ただし、エルムは一人で配達を行ってはいない。彼女に寄り添って飛ぶ一羽の赤い鳥のヒータに守られながら配達をしているのだ。


エルムの行く道を先回りして不審な人や物が無いか確認したり、迫る危険を察知して彼女を退避させたりと、ヒータは警備員としての仕事を特性を活かして全うしていた。


一人と一羽が共に仕事をしている様子は、とても息が合っているように見える。出会ってからそんなに時間が経っていないのにも関わらず、そのように見える理由は誰にも分からなかった。無論、彼らもであるが気にする素振りは無く、今日も今日とてエルムとヒータは各々の業務を遂行したのである。


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