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桜の花に約束を込めて  作者: しゅうや
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オンラインゲーム

桜が咲いていた。といってもそれは現実の話ではない。桜が咲いているのはオンラインゲームのロビー。待機所みたいなところだ。その桜の周りには無数のプレイヤーが集まっていた。どこでも桜はきれいなもので、決してなくなることのない花びらが散っていた。俺は桜には多少思い出がある。まぁ大したことではないのだが。

「はぁ・・・何してんだか。」

現在時刻は3時を回っていた。俺の名前は(ひいらぎ) 祈叶(きっと)。明日・・・いや、今日から高校生だ。要するに今日は入学式。そろそろ寝なくては入学式で爆睡することは確定だ。まぁもう手遅れかもしれないが・・・。そんなことを考えているとチャット欄に1通のメッセージが届いた。

KUMI>おーーい。起きてるかー?

こいつはこのオンラインゲームで知り合った友達。ネ友というやつだ。名前はクミ。まぁ偽名だろうが。

KITTO>あぁ。起きてるよ。

俺は正直に返す。ちなみにゲーム内でも本名を使っている。考えるのもめんどくさかったし、きっと何て名前本名だって思うやつもいないだろうしな。

KUMI>おぉ。そりゃちょうどいい。手伝ってほしいクエストがあるんだよ~。

KITTO>俺は今日入学式なんだが?

KUMI>そーなの?奇遇だねー。私もだよ。

KITTO>まじか。

正直にそう思った。何の入学式だろうか。中学校か、高校か。はたまた大学か。まぁどれでもいいんだが。同い年かもしれないということに少し驚いた。

KITTO>早く寝ないと朝起きられないかもしれないぞ?

KUMI>じゃあ寝なくていいんじゃないかな。今日は寝かせないよ~w

そのセリフ、リアルで言ってもらいたい。是非!是非!!

KITTO>はいはい。わかったわかった。

KUMI>おい。返しが適当すぎるぞお主!

KITTO>なんだそれw

KUMI>深夜テンションだ。

KITTO>あっそ。

俺はそんなどうでもいい会話をクミとしていた。こんなこと話してるなら寝たほうがいいんじゃないかと思ったりもする。何しろ俺は眠いのだから。

KUMI>こんなこと話してるなら寝たほうがいいよー。

こいつは心でも読めるのか。

KUMI>さぁさぁ。早くクエスト行こっ!

そーいえばそんな話をしてたなと思い返す。案外俺は記憶力がないのかもしれない。

KITTO>りょーかいりょーかい。どのクエストだ?

と。そんなこんなで俺らは入学式当日の午前3時ごろにゲームを始める。本当にバカなのではないかと思う。てかバカだろ。画面にクエスト開始と文字が出た。あぁもう引き返せない。ならば仕方ない。絶対オールしてやる。誰が何と言おうと、何をしようと。俺の意思は変わることはない!

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。ねみぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」

つい口から本音が出てしまった。しかし自分の決めたことはできるだけやるという中途半端な性格を持っているためゲームに集中した。結果から言うと4時半ごろにクミは寝落ち。俺は今寝たら本当に起きられないと思い何とか寝ないでいた。正直限界だ。今布団に入れば某国民的アニメの丸メガネの少年より早く寝られそうだ。

「入学式か・・・。あれは睡眠時間なのだ。そうに違いない」

意味の分からない独り言と共に記念すべき高校生として初めての朝を迎えるのであった。

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