表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/14

第10話  長い夜

クリストール歴2019年2月22日<トライデン騎士領 ギルデア>


宿屋に戻ってから、オズワルドの部屋に俺とラルフとオズワルドの3人で集まり、兵士達への特別手当について話し合っている。

ちなみに、今の俺達の所持金は騎士団予備校からの支度金が二人合わせて600万と父上から餞別にと渡された300万、そして女盗賊達を売却した300万からエマの代金150万と今日買い物した分を引いても1000万以上ある。

「護衛の兵士達は全部で19名、討伐に参加したのは7名になりますな。」

「僕は討伐に参加した兵士だけで良いと思うよ。」

「そうだな、居残り組も馬車の護衛はしていたけど、それは通常の護衛任務と同じだから、全員に手当を出すと逆に不公平になるな。うん、支給対象は参加した7名だけにしよう。」

「金額はどうなさいますか?」

「一人1オンス金貨1枚だと合計で105万カロスか…。そんなもんかな?」

「盗賊の討伐程度で1オンス金貨1枚は高過ぎる気がしますな。」

「じゃあ、1/2オンス金貨1枚くらいか?」

「その辺りが妥当なところでしょう。」

「7名分で525,000カロスだな。早速、明日の朝出発の前に渡すから、準備しておいてくれ。それと、ラルフにはエマを買ったから良いとして、オズワルドはなにか欲しいものはないか?」

「そうですな、先程買い物をしているときに見かけた“ガイアの泉”という銘酒をお願いします。」

「オズワルドは酒以外に興味ないの?」

「思いあたりませんな。」

「まぁ、それでいいや。それじゃあ、今夜は解散な。ラルフはエマと二人部屋で大丈夫か?なんか、昼間の様子だと少し心配なんだけど。やっぱり今日は俺と二人部屋にしようか?」

「僕なら大丈夫だよ。奴隷の世話くらい自分でしないとね。」

「なら良いんだけどさ。じゃあ、解散!二人ともオヤスミ!」

「「おやすみなさい。」」


ラルフを心配している良いお兄さん的な感じで、話してたけど…。

俺が一番大丈夫じゃねェェェ!今日からメアリーと二人部屋だって自分から言い出しておきながら、これからメアリーが待ってる自分の部屋に入ろうとしてるだけで、すげぇ緊張する!

俺、すげぇビビりじゃん!弟なんてツラッとしてたよ!?兄がこんなんでいいの!?

まず、どんな顔で部屋入れば良いの!? 最初に何話せば良いの!?

その場のテンションに任せてあんなこと言った過去の俺が憎い!


「ギル様?何をしてるんですか?そんなところにいたら風邪引いちゃいますよ。」

「うわっ!?メアリー!」

「…?一体どうしたんですか?そろそろギル様が戻ってくる頃かと思って、お湯をもらいに行こうとドアを開けたらギル様が立ってたんで、私もビックリしちゃいました。」

「お…お湯、運ぶの手伝うよ。」

「それくらい任せてください!私は宿屋の娘ですよ?」

「いやあ…でも二人分だと2回運ばなきゃ行けないだろ。一緒に行った方が早いから、ね?」

「じゃあ、甘えちゃいますねっ」


焦ったァァァ!普通に話せてたかな、俺?すげぇ手汗かいてるし!

でも、お湯ってどうすんの?体を拭くお湯だよね?確かにメアリーが体を拭いているところを見たいけど、俺も見られるんだよな…。かなり気まずくね?

そうだ、メアリーに拭いてもらえば良いのか!!って、いきなりハードルたけェェェ!!!

ダメだ、考えれば考えるほど土壺にはまっていく。ここは、行き当たりばったりで対応していくしかない。


俺達は1階にお湯を取りに降りると、ちょうどエマもお湯をもらって戻って行くところだった。かなり重たそうにお湯の入った桶を運んでけど大丈夫かな?メアリーも見ていられなくなったのか、エマに近づいて声をかける。

「あっ、エマちゃん。大丈夫?手伝いましょうか?」

「…。」

「私もギル様のメイドだから、私には気を遣わなくて大丈夫なんですよ?」

「同情とかいらないから、放っておいて。」

「別にそんなつもりじゃないんだけどな…。ごめんなさい…。」


エマはそのまま桶を運ぶ作業に戻り、腕をプルプルさせながら階段を上っていく。

メアリーは悲しそうな顔でエマを見送る。なんか、面倒臭い感じになってきちゃったよ。

さっきまでの俺のテンションどうすんの?とにかく、メアリーをなんとか復活さえないと!


「きっと、あいつも色々あるんだろ。あんまり気にするなよ。」

「でも、心配ですね。」

「ラルフがいる大丈夫だと思うよ。普段あんな感じだけど、兵士達からは結構人気あるんだぜ。」

「私への対応は酷過ぎますけどね。」

「それは否定できないな。」

「・・・。」

「まぁ、自分で選んで買った奴隷だから、自分でなんとかするだろ。それより、俺達も早くお湯もらいに行かないと、受付終わっちゃうぜ。」

「そうでした!」


なんとか立ち直ったメアリーとお湯を持って部屋に戻った。

部屋で二人きりになると、また緊張してきた。しばらく沈黙が続いていたが、メアリーが切り出してくれた。


「あっ、あの、お湯冷めちゃいますね。」

「そそ、そうだな。」

「・・・。」

「・・・。」


会話が続かねぇぇぇ!そして“そそ、そうだな。”ってなんなの俺!?もっと気の効いたこと言えよ!このままではいかん!覚悟を決めるんだ、ギルフォード!せっかくこんな可愛い子と二人きりなんだぞ!!


「じゃあ、二人で黙々と体を拭くのも味気ないから、俺がメアリーの体拭いてやるよ。」

「えっ!!あっ、いや、悪いですよ。私は自分で拭きますからギル様の体を私が拭きます!」


頬を赤く染めて慌てているメアリーも可愛い。が、今の俺にはそんなことを言ってる余裕はない!

メアリーに体を拭いてもらっている間に確実に奴が目覚めるだろう。いや、既に考えただけでも奴が目覚め始めている。それも、メアリーの裸を見てからなら仕方ないが、俺だけ脱いだ状態で、しかもいきなり目覚めた状態の奴の姿を見られるのは非常に気まずい。

いや、逆に考えろ、最初に全てを曝け出すことによってその後の展開がスムーズになるのではないだろうか?むしろ、そうなった方がお互い崖っぷちに立たされ、そのままなし崩し的に進めるしかなくなるのでは?そこから先は一本道じゃねぇか! !道は見えたァァァ!!!


「じゃあ、お願いします!」

「は、はいっ!あの、えっと、服を脱いでもらっても良いですか?」

「あっ、そうだよな。このままじゃ拭けないよな。ハハハハッ。」


もう、引き返せねぇ!腹をくくるしかない!ここは男らしく、バッと脱ぐしかない!

聖騎士家の長男、ギルフォード・スペンサー、男になります!!!

俺は白い詰襟の衣装と、その下にきている開襟シャツも一気に脱ぎ捨て、上半身裸になる。

そして、そのままの勢いでパンツと同時にズボンも降ろした。もちろん奴は完全に目覚めた状態でメアリーにその凶悪な姿を曝け出す。


「きゃっ!」

「ごめん。ビックリさせたよな。」

「あっ、いえ、大丈夫です!初めて見たので少しビックリしちゃいました。ごめんなさい。」

「いや、良いんだ。」


メアリーは顔を真っ赤にしながら、タオルをお湯に濡らし、首、背中、腰、尻、足の順番に後ろから丁寧に俺の体を拭いてくれた。俺の恥ずかしさは既に限界を超えていて、声を発することすらできないでいた。メアリーも顔を真っ赤にさせながらも丁寧に前側も上から順番に丁寧に拭いてくれる。そして、なんとか耐えきった!こっから俺のターンだ!


「ありがとう。じゃあ、次は俺がメアリーを拭いてあげるよ。」

「いっ、いえ、恥ずかしいです…。」

「俺も凄い恥ずかしかったんだから、お互い様だよ。」

「でも…。」

「俺に拭いてるところを黙って見られるよりは、恥ずかしくないと思うんだけどな。」

「たったたしかに、そうかもです。あの、じゃあ、お願いします!!」


俺はメアリーの後ろからメイド服のボタンを1つずつ外していき、肩から服をずらし、そのまま下に引き下ろす。あっさりとメイド服は足元に落ちて、メアリーは下着姿になった。


「あっ」


俺には下着姿のメアリーを堪能している余裕などなく、そのまま上下の下着も脱がせた。

メアリーの体はとても綺麗だった、まるで陶器のような美しい肌、芸術的な曲線美を描く腰のくびれ、白桃のようにプリプリとした小さなお尻に、決して小さくないバランスの取れた2つの丘、思わずそのまま見とれてしまった。


「あの、すごく恥ずかしいです・・・。あまり見ないでください・・・。」

「メアリー、凄く綺麗だ。」

「ギル様に気に入ってもらえますか?どこか変じゃないですか?」

「気に入るもなにも、完璧だよ。本当に綺麗だ。」

「嬉しいです。でも、恥ずかしいので、その・・・。」

「あ、ごめん。じゃあ拭くね。」


タオルをお湯に浸して、軽く絞ってから、メアリーがしたのと同じように、俺もメアリーの体を丁寧に拭いていく。


「終わったよ。」

「はい・・・。」


ここまでなんとか我慢してきたが、もう限界だった。

俺はメアリーを抱き寄せて、今までしたキスとは違い、深く熱いキスをした。

メアリーの唇の間に舌の先を割り込ませると、メアリーは軽く口を開き、それに応える。

おそらく10分くらい、舌を絡ませてから俺はメアリーの胸に手を伸ばし、優しく触る。

メアリーの胸は俺の掌からこぼれるぐらい大きく、本当に陶器のように滑らかで、思ったよりも弾力があった。


「あの、ギル様・・・。」

「ん?」

「ベッドに行きませんか・・・。それと、明るいのは嫌です・・・。」

「わかった。」


そのままメアリーと手を繋ぎ、ランプの灯を消してから、お姫様抱っこでメアリーをベッドまで運んだ。俺達はベッドで抱き合い、しばらくお互いの唇を求め合った。


「ギル様、私のこと飽きちゃ嫌です。」

「こんな可愛いメアリーを飽きるわけない。ずっと大切にするよ。だから、メイドはやめて俺の彼女になってくれないか?」


メアリーは泣きながら俺の背中に手を回して、力いっぱい抱きついた。

「嬉しい。大好きです、ギル様」

「俺も好きだよ、メアリー。」


メアリーは宣言通り処女だった。俺も初めてのことで最初は少し手間取ったが、2回目からは少し慣れて、それから何度もお互いを求め合った。結局二人供寝たのは明け方近くになってからだった。


ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。


ご意見、ご感想、誤字脱字等なんでも気付いたことは教えてください。


明日も21時投稿予定です。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ