1章 ~周囲の変化と俺の体調変化~ part1
二回目の投稿ということで、少し操作に慣れてきましたが、まだまだ怖い……。
しかし、あのアクセス数が分かる表示は便利ですねw
ランキングに乗るにはあと10000倍くらい必要ですが……。
改めて言うのもおかしいが、俺はいたって普通の高校生だ。人間偏差値なんてものが出来たら50ジャスト間違いなし、クラスの中でも、学校を休んだら10人くらいのクラスメイトには気づかれるが、残りは先生からの言葉があるまで気づかない……といった感じの。居ても居なくても世間的にはなんの支障も生まないであろう普通の人間。それが俺。
あえて、唯一人とちょっと違うところを挙げるとするならば、それは並外れた読書の時間だと思う。自分で自分の趣味を、「並外れた」とか言ってる時点でちょっとかっこ悪い気がするのだが、そんなこと気にならないくらい俺の読書時間は半端ない。
簡潔に述べると、俺は一週間に十五冊の小説を読むという生活を、一年と三ヶ月間続けてきた。
一日三冊で、土日は本を買うための金稼ぎということでバイトをしているので、一週間で十五冊。
きっかけは単純で、中学三年のときにあった面接練習のとき、趣味を聞かれた場面で何も答えることが出来なかったので、左隣の奴が言っていた『読書』というものをしてみようと思ったのが始まり。今ではもう読書は俺の生活の一部分となってしまっている。
そのため、俺の部屋は本が一杯に詰まった本棚だらけだ。部屋の中央に立ち、左回りで順に家具を見ていくと、本棚、本棚、TV、本棚、本棚、机、……女の子、ベッド、本棚、本棚、本棚といった感じになっている。実に約半分もの空間が本棚によって奪われているのだ。
現在時刻は一時十二分。一時間ほど前に、初めて遭った女の子に左頬を殴られるといった、ラノベ的展開があったのだが、今はもうそんな痛みは引いていて、むしろなぜあんなことをされたのか自分になにか非があったのではないかと、精神面でのほうのダメージが酷い。
まあ、目の前にその張本人がいるので、とりあえず聞いてみることにする。
「なぜお前がここにいる?」
「なんで回転イスじゃないのですか? これじゃあクルクル出来ないじゃないですか。人生楽しい?」
「お前、何者なんだ?」
「この部屋、私の家の近くにある墓場の匂いがします。きっと先輩の前世はデュラハンですね」
「どうやって部屋の中に入ってきた?」
「飴飴食べ食べか~さんが~、糖尿病で息しょ~ちん」
イスに座り、俺の勉強机の上に飴をたくさん並べてなにかやっている女の子を発見したのが四分前。その女の子が先ほど俺の頬を殴っちゃってくれた雨沢だということに気づいたのが三分五十秒前。警察か学校に電話しようかとも考えたが、犯罪的なオーラがまったくなかったので、なぜここにいるのかまずは話しを聞こうと思ったのが三分前。
以後なんの発展もなし。
雨沢の格好は、学校の時とは違い制服ではなかった。まるで理科の先生を思わせるような、白衣で包まれている。よく見るとその白衣の下には、制服が見え隠れしていたので、ただ白衣を一枚上に纏った様な格好だ。
もの凄く似合っていると思った。
まるでこの服装が私服とでも言わんばかりの着こなし方。高校生が制服、会社員がスーツ、メイド喫茶にはメイド服といった感じで、雨沢には白衣以外想像が出来ない。……いや、ほんの一時間前に、制服姿の雨沢を見たのだが、なんていうか、そんなものはただの夢であったかのような……ん? 夢?
「そういえばあんた、夢がどうとかさっき言ってなか――っおぅぁぅあああああああ!!」
『どうとか』あたりでいきなり立ち上がった彼女が座っていたイスが、この部屋ご自慢のピカピカフローリングを滑ってきて俺の左足小指に激突。『なか』辺りからその後の記憶が薄れていてなにがあったかよく覚えていないが、気がつくと俺の体は寝かされた状態になっていた。
ふー、急展開すぎてわけが分からない。とりあえず俺は一言。
「小指の感覚が……ない……!?」