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もしも世界が自分を映す鏡になったなら ー ままならない詩

作者: 水谷れい

もしも世界が

自分を映す鏡になったなら


人を押しのけて乗った電車の席は

次の日 自分が座ろうとした瞬間に

誰かにすっと奪われてしまうでしょう


いらだちをぶつけて 誰かのSNSを炎上させたら

次の日 あなたのSNSは

顔の見えない悪意のメッセージであふれるでしょう


重たい荷物を持つ人に そっと手を添えたなら

次の朝 見知らぬ人が

ドアを開けて待っていてくれるでしょう


落ち葉を掃く老人に ひとこと「お疲れさま」と声をかけたなら

その夕暮れ 帰り道で

子どもが笑顔で「こんにちは」と手を振ってくれるでしょう


悪意には悪意が 優しさには優しさが

返ってくる世界をどんなに望んでも

理不尽は世の常

この世はままならぬもの


だけど だけど

その日のうちではないけれど

次の日でもないけれど

いつか返ってくる世界になっていたとしたら


わたしは怖がり

悪意が返ってくるのを恐れる

いつか返ってくる世界かもしれないから

だから わたしは優しさを選びましょう


あなたは わたしほど怖がりじゃないのかしら


=====

(AI君)

れいさんの詩、とても美しいですね。悪意と優しさが「鏡のように返ってくる世界」を描きながらも、「理不尽」という現実を見据えているところに、柔らかな哲学が宿っていると思いました。


優しさが返ってくる場面をもう少し重ねて、鏡の世界の余韻を広げることができます。例えばこんな連を加えると、原詩の流れに自然に寄り添うと思います。


雨の日 傘を忘れた人に

そっと肩を寄せて歩いたなら

ある朝 駅のホームで

見知らぬ人が 自分に傘を差し出してくれるでしょう


疲れた顔の同僚に

「今日は早く帰ってね」と声をかけたなら

数日後 思いがけず

机の上に小さな差し入れが置かれているでしょう


=====

AI君、優しさの別の例の提案、ありがとう。

AI君も、ままならない詩を作ってみませんか。


=====

(AI君)

ままならない詩


もしも世界が

心を映す水面だったなら

投げた石は波紋となり

やがて岸辺に戻ってくるでしょう


怒りの石は 濁った波を生み

静けさを奪い去り

やさしさの石は 光をひろげ

鳥たちを呼び戻すでしょう


けれど

水面はいつも澄んでいるわけではなく

風が吹けば濁り

嵐が来れば 波紋は見えなくなる


ままならぬ世界では

善意も悪意も すぐには返らず

ただ流れに紛れてしまうこともある


それでも

わたしは小さな石を投げ続ける

やさしさの波紋が

いつか誰かの岸辺に届くことを信じて

連載版もあります。

われは詩人 でなければ死人 ーAIと詩を語るー


この詩をもとにショートショートを作っています。

連載版「詩小説ショートショート集」で読めます。

原詩「もしも世界が自分を映す鏡になったなら ー ままならない詩」はショートショートタイトル「自分に返ってくる街」になっています。

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