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Lv.7 推薦試験:体力試験

初めまして、VETです。

小説を書くことに関して初心者なので、ご意見・ご感想お待ちしてます。

よろしくお願いします。

英星学園のトレーニング施設――そこは、まるで近未来の研究所のようだった。


 広大な敷地に張り巡らされた人工芝のトラック、全天候に調節可能な部屋。壁には数十台のカメラとセンサーが設置され、天井にはモニターがある。選手の動きを一瞬たりとも逃さない。


「ここが……“トップ”が育つ場所か……」


 神宮寺理事長に案内されながら、僕は静かに深呼吸をする。


「渋谷君。準備はいいかね?」


「はい!……全力で、挑みます!」


 神宮寺がうなずくと、白衣を着たスタッフが試験の概要を説明し始めた。


「では早速、体力試験を開始します。第一種目は――無限腕立て伏せ」


 通されたのは白いパネルが敷かれたフロア。僕の胸元にはセンサーが取り付けられ、正しくやらないとカウントされない仕組みらしい。


「開始の合図から、リズムに合わせて腕立て伏せを続けてもらいます。テンポは、途中から徐々に加速します」


 つまり、筋力と持久力、そして体幹、集中力が試される。


「ちなみに、無限腕立て伏せの歴代最高記録は、441回です。もう100年近く塗り替えられていませんが、超えることを目標に頑張ってください。」


 すごい回数だ...でも、今の僕ならいけるはず...!


 僕はそっとステータスを確認した。


 体力:45 筋力:45『筋操作Lv.4』『持久Lv.4』『反復Lv.4』。レベルアップしたこのスキルとステータスでどこまで戦えるか....


 身体を支えながら、深く息を吸った。


 「それでは、無限腕立て伏せ、スタート!」


 電子音が鳴り、僕はゆっくりと体を下げていく。


 最初は余裕だった。鍛えた筋力で身体を支え、反復のスキルが動作を効率化する。


 30回、50回、100回――


 いい、リズム……まだいける....


 だが、テンポは加速していく。音が速くなり、フォーム維持が難しくなる。


 そこで、僕は『筋操作』を発動。上腕三頭筋と胸筋、僧帽筋、三角筋、腹筋、上腕二頭筋。腕立て伏せに関わる全ての筋肉に微調整をかけ、動作を最適化する。


 ……いける、もっとだ……!


 スタッフの一人が目を見開く。


「もう200回超えてるぞ……!合格ラインはとうに過ぎてるのに、まだ余裕そうだなんて....!」


 汗が額から滴る。でも、腕はまだ動く。


 320回、340回、360回――


「……限界、じゃない。まだだ……!」


 全身が軋むが、耐えられる。


「……終了!」


 電子音が鳴る寸前、僕はワンテンポ遅れてしまった。


「終了!記録、581回……歴代最高記録、441回を大幅に更新!」


 会場全体に拍手が起きた。驚いた表情で神宮寺が小さく頷く。


「……見事だ」


 よし……!まずは一つ...!


ーーー


 次の種目は「無限シャトルラン」。


 トラックに並ぶ。スタートとゴールを20mに区切り、ピッ、ピッという音に合わせて走る、例の地獄のやつだ。


 テンポに合わせて走り出す。走るたびに、足が地面を蹴る音が心地いい。


 200回、250回、300回――まだいける。脚が軽い。ちゃんと回ってる。


「疲れるどころか、どんどんいきいきしてるように見えるぞ……」


 スタッフの一人がつぶやく。


 350回、400回、450回。


 汗が流れる。肺が焼けるようだ。でも……


  やっと……ここまで来たんだ!


 その瞬間ーー


 【スキル『呼吸最適化Lv.1』を獲得】

 【スキル獲得により、ステータスポイント+1】


 新スキル....!これを使って...!

 新たに獲得したスキル『呼吸最適化Lv.1』により、息が楽になったおかげか、さらに走れるようになった!


「……記録、672回!」


「歴代最高記録、387回をまた大幅に更新です!」


 驚く観衆をよそ目に、膝に手をつきながら、息を整える。流石に苦しい。でも、まだまだいける気がした。


 二つ目、突破……!


ーーー


 三つ目の試験は「的当て砲丸投げ」。


 7.26kgの砲丸を、正面にある三つの的へ向かって投げる。近距離(10m)・中距離(20m)・遠距離(30m)に並ぶ的。1回ずつ3回投げ、その合計得点を計測する。真ん中で10点、外れれば0点。


「スキル『筋操作』『解析』発動」


 筋肉の出力を調整しながら、情報を『解析』で処理。距離、空気抵、あらゆる要素から適切な射出角度・速度を計算。


 ……この角度。この力で、いける!


 1投目――ズバァン!


 近距離は真ん中に命中。10点。


 二投目――ズドォン!


 中距離も真ん中に命中。10点。


 そして、三投目――……ゴンッ!


 遠距離の的に、見事命中。真ん中から少し外れたが、9点。


「合計点29点!」


「歴代最高記録は26点なので、また歴代最高記録を超えました!」


 理事長が目を見開いた。


「……遠距離は当てることすら難しいのに、ほぼ満点とは....」


 やった……!次で、最後……!


ーーー


 最後の試験は、「重量長距離走」。1500mを10kgの重りをつけて走る。


 流石に身体は疲弊していた。でも、このために毎日練習してきた。


 「それでは最後の種目、重量長距離走スタート!」


 走り出す。


 地面の感覚。重りの揺れ。すべてが一つに溶け合う。


 ……最後なんだ。全部、出し切る!


 100m、200m……脚が痛む。肺が苦しい。


 『持久』『反復』『呼吸最適化』が全身の疲労を軽減し、『筋操作』が力を調整してくれる。


 1km超えた……あと少し


 全力でラストスパート。


 ゴールのラインが見える。


 ……届け!!


 ――ダンッ!


 ラストの一歩を踏み込み、僕は全力で駆け抜けた。


「記録……2分52秒!歴代記録、4分05秒を1分以上更新!!」


 僕は膝から崩れ落ちる。


 涙が出そうだった。悔しさじゃない。嬉しさだった。


 ――全部、超えられた。何より、やり切った。


ーーー


「素晴らしい……本当に、全部を超えてきたか。それも圧倒的に...」


 神宮寺が静かに僕を見下ろしながら言った。


「これが……”君“か。素晴らしい」


 僕は、ゼェゼェと肩で息をしながら、それでも笑った。


「どうですか...先生....?」


 神宮寺はしばし黙り――にやりと笑った。


「素晴らしいよ。そんな君には“最上級”の挑戦を用意してあげよう」


【体力試験の全項目で歴代最高記録を更新しました】

【経験値を獲得。ステータスポイント+10】

【レベルが9にアップしました】


【スペシャルクエスト:神宮寺からの挑戦を突破せよ】

【報酬:??】


 スペシャルクエストと報酬「??」...!ますます面白くなってきた!


 ものすごい達成感と疲労感の中、次の挑戦の幕が、上がろうとしていた。

こういう設定はすごく大好きです。

たくさんの物語を読んできましたが、この作品もまず自分が面白いと思える作品にしたいと思っています。

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