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Lv.6 鍛錬のその先に

初めまして、VETです。

小説を書くことに関して初心者なので、ご意見・ご感想お待ちしてます。

よろしくお願いします。

朝の光がカーテン越しに差し込む中、僕はベッドから勢いよく起き上がった。目覚めは良好。身体も軽い。昨日の見学で心に火がついたのだ。


 英星学園――あの場所で、僕は“トップ“を見た。全国トップの体進科生たち。見るからに鍛え抜かれた肉体、しなやかで、美しかった。あれが、目指すべき「頂」なんだ。


「……やるしかないな」


あの時、耳元に響いたクエストの声。


【クエスト:英星学園体進科・推薦試験に挑め】

【達成条件:試験の各項目で歴代最高記録を超えよ】

【報酬:達成数に応じて経験値・ステータスポイント獲得・全項目達成で??】


 歴代体進科生の記録――つまり、日本トップの高校生たちの残した壁を、超えろということだ。「??」が気になるけど、全てで1番になるなんて簡単じゃない。


 とんでもない話だが、やりがいはある。


 そのためには、今の自分ではまだ足りない。確実に、もっとレベルアップが必要だ。


「まずは、試験の内容を確認しよう」


 昨日の見学の最後に、神宮寺理事長が推薦試験の概要を教えてくれた。


ーーー


【推薦試験の概要】


●体力試験


①無限腕立て伏せ:腕立て伏せの限界までの回数

②無限シャトルラン:20m往復の限界までの回数

③砲丸的当て:砲丸を投げ、的への命中度

④重量長距離走:両手両足胴の計10kgの重りを着けて1500m走


●学力試験


数学・英語・国語・理科・社会


ーーー


「思い返してもすごい内容だ。しかも体力だけじゃなく、学力も見られる……」


 僕は自分のステータス画面を開いた。


ーーー


名前:渋谷翔

年齢:15

職業:高校1年生

レベル:6


ステータス

知力:12

体力:25

筋力:25

感覚:12

魅力:11

運:11

不明:ー


ステータスポイント:0


スキル:

『数学理解Lv.2』『英語理解Lv.2』『化学理解Lv.2』『日本語理解Lv.2』『料理Lv.2』

『持久Lv.3』『筋操作Lv.3』『反復Lv.2』


称号:

『並以上』『挑戦する者』『諦めない者』


ーーー


 知力は12。たしかに平均よりは高いけど、試験でトップを取るには全然足りない。


「……まずは知力だな」


 僕はその日から、生活のルーティーンを変えた。これまで放課後は筋トレと走り込み中心だったが、前半を勉強に、後半をトレーニングにすることにした。


 苦手な社会と古文を集中して復習し、数学の応用問題もひたすら解いた。


「この公式……あれ?前よりすんなり頭に入る……」


【スキル『数学理解Lv.2』が『Lv.3』になりました。】

【スキルレベルアップにより、ステータスポイント+3】


「よし……!」


 勉強関連のスキルもどんどんレベルアップさせていく。


【スキル『地理理解Lv.1』『歴史理解Lv.1』『古典理解Lv.1』を獲得】

【スキル獲得により、ステータスポイント+3】


 知識が頭にスッと入ってくる感覚。勉強が、楽しくなってきた。


ーーー


 一方で、体力試験に備えた特訓も続けていた。


 無限腕立て伏せ――これは、筋力と持久力の限界との戦いだ。リズムに合わせて腕立て伏せをしていく。初めはゆっくりだが、徐々に早くなっていく。シャトルランの腕立て伏せ版という感じだ。

 今は、開始5分で腕が上がらなくなる。でも、それを『筋操作』『持久』『反復』スキルで補っていく。あわよくば新しいスキルも獲得したい。


 フォームを正し、力を最小限に保ちつつ効率を最大限に。

 呼吸と回数を計算する。筋肉を“制御”しながら動かすのだ。


「……あと……10回……!」


ーーー


 無限シャトルランは、文字通り無限のシャトルラン。走るたびにスキル『反復』が強化される。


 重量維持走は、近所のスポーツ用品店で重りを買い、身につけて近所の公園を走った。最初は辛かったが、回数を重ねるうちに少しずつ慣れてきた。


 最初は全身が悲鳴を上げていたが、数日後には息を切らす程度になっていた。

 そして、この数日間、練習しながらその記録を取ることで、新たなスキルを獲得していた。


ーースキル『解析Lv.1』。これは文字通り解析に特化したスキルだ。レベルが上がれば、物事の本質を容易に見抜けるようになりそうだ。


ーーー


 そして1週間後、推薦試験の前夜。


 僕はステータス画面を開いて確認する。


ーーー


名前:渋谷翔

年齢:15

職業:高校1年生

レベル:8


ステータス

知力:43

体力:45

筋力:45

感覚:21

魅力:21

運:21

不明:ー


ステータスポイント:0


スキル:

『数学理解Lv.3』『英語理解Lv.3』『化学理解Lv.3』『物理理解Lv.3』『生物理解Lv.3』『日本語理解Lv.3』『地理理解Lv.3』『歴史理解Lv.3』『公民理解Lv.3』『古典理解Lv.3』『料理Lv.2』『解析Lv.1』『持久Lv.4』『筋操作Lv.4』『反復Lv.4』


称号:

『超人』『挑戦する者』『諦めない者』『鍛錬する者』


 この1週間の鍛錬で、称号『鍛錬する者』を獲得した。さらにステータスの合計が体力テストの時のおよそ倍以上になり、いつのまにか『並以上』の称号も『超人』へと変化していた。


 知力は43。体力・筋力ともに45。新たな勉強系のスキルも手に入れて、以前の僕とは、比べ物にならないほど成長した、別人だ。


 一部のステータスポイントは、活かせるかもしれないと考え、他にも少し振っておいた。


「明日……全部、出し切るぞ」


 僕は机の上の問題集を閉じて、深く息を吸った。


ーーー


 翌朝。


 会場である英星学園のトレーニング施設に着いた僕を、神宮寺理事長が出迎えてくれた。


「さあ、始めよう。君の挑戦を、我々は歓迎する」


 空は青く澄んでいた。少し肌寒い風が、逆に気持ちを引き締める。


【クエスト:英星学園体進科・推薦試験に挑め】

【条件達成:試験の各項目で歴代最高記録を超えよ】


「――行くぞ!」


 僕は一歩、前に踏み出した。


 “レベルアップした僕”が、本物かどうか。それを証明する時が来た。

こういう設定はすごく大好きです。

たくさんの物語を読んできましたが、この作品もまず自分が面白いと思える作品にしたいと思っています。

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