Lv.2 スキル獲得とレベルアップ
初めまして、VETです。
小説を書くことに関して初心者なので、ご意見・ご感想お待ちしてます。
よろしくお願いします。
登校の準備を終え、家を出ると、空はどこまでも青くて澄んでいた。
まるで僕の心の中を写しているようだ。いつもよりも景色が明るい。理由は明確。
さっきの“ステータス画面”だ。
あれが夢じゃないということは、つまり僕が、ゲームみたいに、やり込み次第で強くなっていくということだ。
僕は再度チュートリアルを表示してみた。このウィンドウは、声に出しても、頭の中で思っても表示されるらしい。
【ステータスアップ条件:レベルアップ及びステータスポイント分配により加算】
【レベルアップ条件:経験値の獲得】
【スキル獲得条件:行動で開放】
この条件的に、スキルの獲得が一番にできそうだけど、経験値を獲得したり、ステータスポイントを手に入れたりしないとレベルも上げられないよね。
まあ、まずはスキルを手に入れてみよう。
でも、どうすればスキルを手に入れられるんだろう?
条件は「行動で解放」だから、なんでも試してみるしかない。
そんなことを考えながら歩いていると、通学路の先に中学の時同じクラスだったの陽キャ男子、佐藤が見えた。
佐藤はいつも嫌なことを言ってくるから、見えないふりして素通りしよう。
「あれぇ?渋谷じゃん!お前にも高校って入れるのな」
佐藤が笑いながら話しかけてきた。
……僕の名前を覚えてくれてるだけ嬉しいけど、投稿初日からその挨拶はないと思う。
「な、なんとかね.....」
笑って返したけど、心の中は笑ってない。
そこでふと、翔の脳裏にある可能性が浮かぶ。
……こういう場面で、会話とか、コミュニケーション的な何かのスキルとか……獲得できたりしないかな?
期待しながら、頭の中で「ステータス」とつぶやいてみる。するとまた、ウィンドウが目の前に現れた。
ーーー
名前:渋谷翔
年齢:15
職業:高校1年生
レベル:1
ステータス
知力:1
体力:1
筋力:1
感覚:1
魅力:1
運:1
不明:ー
ステータスポイント:0
スキル:ー
称号:『凡人以下』
ーーー
……増えてないか
こんな薄い会話じゃダメなのか。それとも他に条件があるのか。
「なあ、渋谷!来週の体力テスト、楽しみにしてるわ!せいぜい頑張れよな!」
佐藤は「ははっ」と笑って、行ってしまった。
いつもは億劫でしかなかったやり取りも、スキル獲得のためならむしろ、もっとしたいとさえ思えた。
人と話したいと思ったのなんて、いつぶりだっただろう。
こういう小さなことでも、積み重ねれば変わるのかもしれない……
そんな前向きな思考になれたのは、たぶん今の僕が「ゲームの主人公」の気分になっているからだ。
ゲームなら、最初ザコでもいつかは魔王に勝てる。
それにしても体力テスト...どうしてあんなものをやるのか理解できない。僕みたいな運動できない人、まして運動“も”できない人には憂鬱でしかないのに....
ーーー
学校に着いて、朝のホームルームが終わると、オリエンテーションも束の間、地獄のような数学の授業が始まった。
勉強は特に何もできないが、数学はできない上に嫌いだ。中学の時の数学担当の先生も含め、いつもできない僕を笑いものにしていたからだ。
僕は当然のように、当てられた問題を間違えた。
中学から僕を知るクラスメイトは、クスクスと笑っている。こういうのが本当に傷つくんだよ...
だけど、ここであることを思い出す。
スキルは”行動“で解放、だった……それなら、授業でやることもスキル獲得の対象になるかもしれない...!
教科書を開き、必死に黒板を写し、わからなくても何度も読み返す。知らない漢字は調べ、公式の意味も確認しようとした。
今までの僕なら、諦めていた。
でも、今は違う。何かを掴みたくて、ペンを握る手に力を込めた。
そして――授業の終盤、またしても“頭に響くような声”が聞こえた。
ーーー
【スキル『数学理解Lv.1』を獲得】
【スキル獲得により、ステータスポイント+1】
ーーー
「やったぁ……!」
思わず声が漏れてしまい、隣の席の女子がびくっと肩を揺らす。
「……す、すみません」
顔を赤くして謝る僕を見て、その女子はくすっと笑って小さく首を振った。
ーーー
その後も、英語に授業で『英語理解Lv.1』、科学の授業で『化学理解Lv.1』、国語の授業で『日本語理解Lv.1』を獲得し、午前中のだけで、合計4つのスキルを手に入れる事ができた。
ーーー
昼休み、僕はまたステータス画面を確認した。
ーーー
名前:渋谷翔
年齢:15
職業:高校1年生
レベル:1
ステータス
知力:1
体力:1
筋力:1
感覚:1
魅力:1
運:1
不明:ー
ステータスポイント:4
スキル:
『数学理解Lv.1』『英語理解Lv.1』『化学理解Lv.1』『日本語理解Lv.1』
称号:『凡人以下』
ーーー
ステータスポイントが4。
どうやら、スキルを手に入れることで1ポイントが手に入るらしい。
つまり、いろんな分野の“スキル”を開放していけば、少しずつ強くなっていける……!
このポイント、どうやって割り振ればいいんだ?
ステータス画面をよく見てみると、「ステータス:知力 : 1」の横に、小さな「+」ボタンが表示されているのを見つけた。
これかな……じゃあ、上から順に1ずつ割り振ってみよう。
ポチッと押すと、ウィンドウが反応し、数値が「2」になった。
ーーー
【知力、体力、筋力、感覚が2になりました】
ゲームなら、それは初期の段階。まだまだ全然弱い。先は遠い。でも、ほんの少しでも前に進めたことが嬉しかった。
ーーー
放課後。
帰り道の途中、スーパーに寄って食材を少しだけ買った。
今日は、家で何か料理を作ってみようと思ったのだ。
午後の授業は午前と科目がかぶっていたから、新しいスキルは獲得できなかった。だから他のことでスキルを獲得する!
そう....『スキル:料理Lv.1』ーー!
あるかは分からないけど、それを、今度は狙って獲得してみたくなった。
ーーー
初めての包丁は重く、切った大根は太さがバラバラで、火加減も難しい。
でも、30分格闘して、なんとか「味噌汁」が完成した。
ーーすると、あの声が聞こえた。
【スキル『料理Lv.1』を獲得】
【スキル獲得により、ステータスポイント+1】
【経験値獲得。レベルが上がりました】
【称号『挑戦する者』を獲得】
…..!?案の定スキルは獲得できたけど、経験値も獲得できてレベルも上がった!何かに“挑戦”すると経験値がもらえるのかな...
期待しながら画面を開く。
ーーー
名前:渋谷翔
年齢:15
職業:高校1年生
レベル:3
ステータス
知力:5
体力:5
筋力:5
感覚:5
魅力:4
運:4
不明:ー
ステータスポイント:1
スキル:
『数学理解Lv.1』『英語理解Lv.1』『化学理解Lv.1』『日本語理解Lv.1』『料理Lv.1』
称号:『凡人以下』『挑戦する者』
ーーー
「っしゃあああっ!」
今日の僕、すごすぎる……!人生で1番、いや、初めて確実に成長してる...!
こんな気持ちは、人生で初めてだった。
成長していると、初めて思えた、初めてのレベルアップの一日だった。
こういう設定はすごく大好きです。
たくさんの物語を読んできましたが、この作品もまず自分が面白いと思える作品にしたいと思っています。