Lv.1 ステータス画面
初めまして、VETです。
小説を書くことに関して初心者なので、ご意見・ご感想お待ちしてます。
よろしくお願いします。
生物は全て、自己防衛能を持っている。では、生物ではないものはどうだろうか?そこらに転がっている石、流れる川、広がる海、空。ひいては地球や惑星そのもの。それら無生物にも自己防衛能が備わっているとしたら...
ーーー
ーー目を覚ました瞬間、僕は自分の目を疑った。
目の前にはどこかのゲームでよく見るようなステータス画面が浮かんでいた。
現実にあるはずのない青色透明なウィンドウ。そこに白い文字でこう表示されている。
ーーー
名前:渋谷翔
年齢:15
職業:高校1年生
レベル:1
ステータス : 知力:1
体力:1
筋力 : 1
感覚 : 1
魅力 : 1
運:1
不明 : ー
ステータスポイント : 0
スキル:ー
称号:『凡人以下』
これは……夢か?夢以外あり得ない、はず.....とりあえず、頬をつねってみた。
いたい。
夢じゃない。普通に痛いし、何より夢じゃない感じがする。だけど、目の前にウィンドウはあるし、消える気配もない。
「ステータス、スキル、称号『凡人以下』...?このステータスの不明ってなんだ?」
とても理解が追いつかないけど、これだけは言える。
……このステータス、めちゃくちゃヒドくない?
全部「1」。『平凡以下』の称号。何の才能もないと言われているようで、泣きたくなる。いや、実際そうなんだけど。
勉強は小学生からダメダメ、中学でも赤点常連。運動は50メートルを10秒で走るレベル。顔も良くないし、身長も低い。それに家事も苦手で、料理をすれば焦がすし、手先も不器用。さらに音痴で、運も悪いし、友達もいない。
青い猫型のお友達がいる、あの小学生の方が1万倍マシと思えるレベル。むしろ羨ましい。
まさに最底辺。
それでも、ここまでストレートに数値化されると、さすがに心にくる。今まで半ば気づいていても、気づかないように、努力をすればできるはずと信じて頑張っていたのに。
「…...はぁ、朝から最悪。今日、登校日初日なのに....」
そう、今日は高校に上がって初めての登校日。
僕はベッドから起き上がり、ステータス画面に手を伸ばす。すると、タップしたような感覚で、ウィンドウがシュッと消えた。
……え?操作できるの?
困惑しつつも、学校はあるので制服に着替え、朝の準備をしていると、突然、脳内に響くような声と一緒に、ウィンドウが出てきた。
ーーー
【ステータスアップ条件:レベルアップ及びステータスポイント分配により加算】
【レベルアップ条件:経験値の獲得】
【スキル獲得条件:“行動で開放”】
ーーー
びっくりした。また出てきた。今のは……通知?
まるでゲームのチュートリアルみたいな説明だ。
さっき出てきたステータス画面の説明なのだろうか。ステータスやレベルの上げ方、スキルの獲得条件が書いてある。
...スキルは”行動“で解放。つまり、勉強したり、運動したり、何か行動をしたらとりあえずいいのかな?でも、肝心のステータスアップに必要なステータスポイントとレベルアップに必要な経験値獲得方法が書いてない。
「とりあえず何かしなくちゃ分からないってことか……何はともあれ、本当にゲームみたいになったってこと?」
僕は、今までの人生で、“初めて”ワクワクしていた。
生まれ持った才能を変えることはできない。才能に抗って努力をしても、報われる保証はない。でも、確実に努力が反映されるなら、話は別だ。
今まで、「頑張っても結局意味がない」って思ってたけど……それがちゃんとステータスで見えるなら.....頑張ろう。
ーーー
僕の名前は、渋谷翔。
どこにでもいる、いや、むしろ、どこにもいないほど平凡以下の高校1年生。
でも、僕の人生は今――レベルアップを始めた。
こういう設定はすごく大好きです。
たくさんの物語を読んできましたが、この作品もまず自分が面白いと思える作品にしたいと思っています。