プロローグ
この作品は多少下手な部分もございます。ご了承ください(><)
「じゃあ今からテスト返すぞー」
今日はテストが返ってくる日だった。クラスメイトは「最悪だ!」とか「楽しみ」とか色々な声が上がってくる。
次々とクラスメイトたちはテストが返され、点数が良かったのか喜んで友達と話しているやつもいたり、友達の点数にからかっているやつもいた。
「吉川ー」と呼ばれ、重ったるい身体を机で支えて椅子に立つ。ゆっくりとダラダラ歩きながら教卓の前で先生を睨むように見つめる。先生はちょっと落ち込んでいるような顔でテストを渡す。
机に戻った俺は点数を恐る恐る見る。
ーー18点。今までで最高記録で悪い点数だった。そりゃ先生も落ち込むかと思いながら引き出しに入れる。
「はぁ……」
思わずため息が出る。
それもそのはず、このテストが一番成績関わるそうで前のテストよりも一生懸命勉強した。
なのに、点数は過去一酷い。
いつの間にか俺は天井を見上げていてこう呟いていた。
「もう、何も上手くいかないな」
俺はもう、この世界が嫌になった。
吉川タクミ、いかにも量産型な組み合わせの名前だが、一応百人一首部に入っている。特殊とは言い難いが普通の高校生だ。
なぜ今更自己紹介?と思った人もいるだろう。
そんなの、自分でも分からない。だって俺はーー。 …なんて変な妄想をしていたら、いつの間にかボロマンションの屋上にいた。
下を覗くと仕事帰りのサラリーマンや交通量が多いのか車が渋滞していた。
そんな中、サビだらけで今でも崩れそうな柵にゆっくりと足を掛ける。
クラクションの音や人々の声がだんだん静かになっていく。
手に力を入れ、身体を持ち上げる。珍しく空気がいつもより荒い感じがした。
その瞬間、いきなり強い突風が襲った。
いきなりだったのでバランスを崩してしまって尻もちをついた。
「痛って…」
激しい痛みが全身に伝わる、やがてその場で寝転んでしまった。
起き上がろうと目を開けた瞬間、激しい光に目が眩んだ。
そこには文様のような光が屋上デッキに写っていた。
「ーー魔法、陣?」
ふと、頭の片隅で思った。
いやいや、そんなはずはない!この世界に魔法陣が存在するなんて…。
いや待てよ、もし存在していないのなら何故ここにあるのか?
もしかしたら本当に異世界へ繋がるかもしれない。
まだ痛い身体をうつ伏せになって引きずりながら近づく。
もし本当だったらこの世界から逃げられるかもしれないーー。
本当だったらもう学校に行かなくていいかもしれないーー。
また新しい人生を歩めるかもしれないーー。
そう頭の中がグルグルしていると、また突風が襲った。
さっきよりも強くてうつ伏せになっている身体もどんどん風力で光に近づいていく。
「えっ、えっ!ちょっーー」
パニックになって必死に逃げようとしたが、光が眩しくなっていくつれに吐き気がして意識が朦朧とする。
朦朧としているうちにだんだん視界が暗くなっていって、いつの間にか意識を失っていた。
読んで頂きありがとうございます!次の更新は11月23日12:00ぐらいです。(もし、更新しない場合は、申し訳ございませんが、24日になります。)