私の実力がついに発揮されます!
あの…
前世が顔を出してますよ、アリナさん。
一緒にいる属性の長達(特にディン)は「いやいやそんなわけがない、アリナの方からあんなドスのきいた声がするなんて」みたいな顔をして、どことなくおかしな挙動のまま戦闘を続けている。
「だいたい、女王にかなわないから、こうやってちまちま集まってきてんだろ?大した事ないくせに口だけは一丁前だな」
「…なに」
「回りくどい技なんて使わないで魔法の実力だけで勝負してみなよ。大したことないんだからさ」
緊迫した状況のはずなのに、私はアリナの思いがけない「素」にあわあわすることしかできない。
(でも、アリナそっちもかっこいいかもしれない…)
美人がすごむのってとっても綺麗なんだね…
私がそんなことを考えている間、アリナの挑発に乗ってしまったオンネンはそれまでの笑顔が消え、私を見るような憎悪を向ける。
「来なよ。王にもなれず、群れることしかできない無能が」
「後悔させてやる!貴様は八つ裂きだアァア」
オンネンは私にも目がくれず、一直線にアリナへ襲い掛かってくる。その間にアリナは集中させ、光の矢を放つ。
それを避け襲うも、再びアリナが魔法を使い距離を取る。それを超高速で繰り広げている。
「……」
「陛下、今のうちに準備を」
「、そうだったわね。アレを出しましょう」
完全に戦う機会をなくした私は軽く空いた手を招いてみるも、リュカに呼び止められ現実に戻った。そうだった。オンネンは戦闘不能状態にしてもこれはすぐに復活する。それを防ぐために道具を買い込んだのだ。私たちはそれを袋から出した。
「よいしょ…これで全部ね」
「しかしこんな石で…本当に大丈夫なんですか」
道具屋で買い込んだのはターコイズ、ラピスラズリの石。
ケイトに連れられた土産物店で見つけたものだ。ここの特産品らしく、どこにでも売られている。
これがなぜ必要かというと。
「…大丈夫。少し集中するわね…」
この世界の宝石には魔力を増幅させる効果がある。高価であれば良い、などではなく、宝石の大きさで決まるらしく。
ポウっと、私の魔力に反応して宝石たちが輝きだした。その光は淡いものから、少しずつ強くなる。
あのオンネンはレイア嬢ほどの手練れでも完全に消滅できなかった。だとしたら、打てる手を打ち、オンネンを完全に消滅させなくてはと考えた。
今回使おうと思っているのは私のオリジナルの魔法、そのため決まった詠唱イメージはなく、自分の頭の中で細かく想像しなくてはならない。そのための時間をアリナが稼いでくれている。
アリナも自分の実力がわからないわけではないだろう。オンネンとアリナの力は同等だ。私に何か秘策があると思って託してくれたのだ。
(アリナの思いも、みんなの力も…無駄にはしない!)
詳細なイメージが完成する。
あとは、それを詠唱によって固定させていく。
「鎖よりも檻よりも強固は真の空なり。彼のモノを封じ込めよ!密なる調べ!」
それを唱えた瞬間、オンネンの時が止まった。
それと同時にアリナは攻撃をやめる。
「うまく、いった…そして…」
ありったけの聖魔力をスライムのように、まとわりつくような状態にし。それへ向かわせる。
オンネンは体が倒れそこに私の聖魔力スライムが上から覆いかぶさった。
そして…
パチン、
私が手をたたくとそれの体積は増していった。
ほどなくしてその圧力に耐えきれないオンネンはプチンとなんともあっけなく潰された。
あとに残った小さな黒い光も私は容赦なく聖魔力で消滅させる。
「終わっ…た」
久々のまともな戦闘だったが、アリナの助けもありなんとかこなすことができた。
「…レア、お疲れ様」
「あり、がと…リュカ」
へたりこんだ私にリュカが手を差し伸べてくれる。
強い力が私を引き、その腕が私をぎゅうっと抱きしめた。
「リュカ、ちょっと、みんないる…」
「いいから」
リュカはこういう人目を気にする人なのに。
「何にもできなくて、ごめん。誤解させてごめん」
「レア、前世の記憶があろうと、俺は他ではないレアがいいんだ」
(はああああああああ!)
(新規セリフいただきましたア!)
抱きしめられてるから顔が見えない。でもこれ超貴重なものだよね!あああ誰か撮影してくれえ!
「…うん。ありがとう、ございます…」
「なんで、敬語」
私は、リュカが好きだ。この世界と、彼が大好きだ。
(守れて、良かったなあ)
駆けつけてくるアリナや長達の姿を見て、私はほっと息をついた。
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