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さくせんかいぎをはじめます


討伐当日。

打ち合わせのために全員がホテルの一室へ集合する。

やたらと顔面の良い身分の高そうな集団が時間の済んだ食事会場に集まっているのでざわめいている。



「…では、今日の討伐についての打ち合わせを始める」

「武器や防具の準備は万端です」

「昨日申し出てきたケイトですが、ニール様により今鍛えられています。疲弊してもポーションで超回復するらしいので。戦いまでには間に合うかと」

「それは…まあ彼にがんばってもらおう」

取り仕切る光の長ルドル、報告をする炎の長スルト、水の長ノルズ。彼らは滞りもなく計画を進めていた。こういった緊急事態には慣れているのだ。進捗報告もスムーズだった。


「前衛は騎士団の二人、それにルドルとディン、で…後衛が聖女アリナ、ヨルド、ニール様、そしてケイトと僕で問題はないかな」

「ありません」

闇の長ヘイムと風の長ヨルドがそれに続く。魔法が得意なものが後衛に、剣や武器などの心得がある者が前衛にという陣形だ…ん?私いなくない?


「ちょっと待って」

「なんでしょう、陛下」

「私はどうなるの」

その場にいる全員が固まった。何かまずいことを言ったかしら。


少しの沈黙の後、ルドルが目を合わせず言った。

「陛下は今回…見守りということに決まりました」

「…私が引き受けた以上責任があるわ。誰に何を言われたのか知りませんが、止められても行くつもりよ」

私の知らないところで彼らは話をしていたらしい。彼らの表情が物語っていた。

「陛下」

それまで黙っていたアリナが席を立つ。


「陛下はこちらに来てから、疲労が増しているように感じます。陛下がいなくとも戦力に置いては問題ないと思います」

「…それは」

「先に…不敬をお許しください、そのような状態では敵に標的を作っているようなものです。陛下を守るのは当然ですが、ご自身の調子を管理されていらっしゃらないのに、参加されては戦う者の気力もそがれます」

「……」

彼女のいうことは尤もだった。いくら敵のことを把握しているとはいえ、私の(精神状態は)万全とは言えない。そんな状態で参加しても士気は上がらないだろう。


「陛下。今回あなたの参加を止めたのはアリナなんだ」

なんとなくわかっていた。彼女は私のことを気にかけてくれる。私のことをわかってくれている彼女だからこその発言だろう。


「…わかって、ください」

消え入るような声で、彼女は言った。

それほどまでに私は心配をかけていたんだろう。


「わかりました。ですが皆の命が最優先です。危機を感じたらすぐに撤退してください」



自分が情けなかった。こんな言葉しかかけることができない。



その後は魔物についての情報を報告(海蛇のような大きな個体に子分のような海蛇が何体かいるらしい)それについての作戦(前衛は基本的に壁役となり、後衛の魔法で戦うこと)などを話し合った。

朝から始まっていたそれはたいした時間もかけずに終わった。

「陛下」


あとは最終調整、ある者は最後まで鍛錬を行い、またある者はぎりぎりまで休み、いつも通りに過ごす者もいる。

私は会議が終わったと同時に彼のもとへ向かう。彼女の声は聞こえていたが、振り返れなかった。


◇◇◇






「ごめん、待たせた」

「大丈夫よ」

ホテルのラウンジで待ち合わせ。王立研究所の彼は星雲のソワレでは特に役割がない。魔物のことに関しては騎士団が調査しているし、戦いも彼は参加しない。

彼を見ると普段とはあまり違いがないように感じる。私の願望なのかもしれないが。


「今日は忙しいんだろ?ほんとに今日でよかったのか?」


「…うん。話したいこともあったし…」

「?そうか」

彼の手が私の手をつかまえる。変わらないいつもと同じつなぎ方に少しだけ浮かれてしまう。


(どうか、何事もなく済みますように)

彼が連れてきたカフェ。VIPルームに案内される。黒みがかったピンクの壁に黒板がかかっており、メニューは手書き。なるほど、女子が好きだね。こういうの。

「何にしようかな…」


私が考えていると


「イヤ~リュカヨクキタネ~」


「!?」


昨日見た金髪の女性が

リュカへ抱き着いたのだ。

















閲覧いただきありがとうございます。

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