表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
50/58

とある疑惑が浮上しました。

少しずつですが、ブックマーク登録が増えてきて本当に嬉しいです!

これからもどうぞよろしくお願いします。


「………」

ドアは余韻を残しながらゆっくり閉まっていく。

しっかりと開いていない瞳はそこだけ捉えて。


最悪な気分のまま、ベッドに飛び込んだ。

ああ、疲れた。疲労がどっと襲い掛かる。予想していないことが次々起きてしまった。極めつけは最後だ。彼が会っていた金髪の女性。カフェで同席になったその人。あまり長時間観察していなかったが彼女はリュカに触れていた。見た感じ彼も拒んでいないように見えた。


(だれ、なんで、なにしてんの)

頭の中では次々と疑問が浮かぶが、言葉を話し出した子どものように、接続詞が出てこない。頭が混乱している。いろいろあったけど最後に見たそれが衝撃的で、めまいさえした。

顔を埋めて、深呼吸する。ぐるぐると回る感覚はおさまってきた。でも気分は変わらずだ。冷静に考える時間ととなっていく。


あの店はアリナのメッセージのおすすめにも書いてあった女性に人気のカフェだ。フルーツをふんだんに使ったパフェやケーキが人気だそうで、アリナが丁寧なレポートと画像を送ってくれていた。ここの地域で一番の人気店らしく、予約は必須。並んでも閉店までに間に合わないこともしばしばあるという。



(そんなところに彼が行ったの?)

またしても疑問が浮かぶ。

私の知る『リュカ』は食に頓着がない。それにかかる時間を研究に充てたい性分だ。叶うならサプリメントで栄養すべてを補給したいと言っていた。

今は私と一緒の時には食事を摂ろうとするものの、カフェで彼を見かけたのは意外だった。

(私とは一緒に行くのしぶしぶだったのに…リュカ、どうして?)

そう思えば彼はとても楽しそうな表情をしていた気がする。私と一緒の時よりも楽しく過ごしていたのではないか。






(もう、なんなのよ…)

もう何もかも面倒だ。このまま寝てしまいたい。でも寝れないんだろうな。


うだうだと考えていると

昨日と同じようにノックが鳴る。







◇◇◇





「なんですかそれ!」

部屋に訪ねてきたアリナに聞いてもらうと憤慨していた。何か話したいことがあってきただろうに、憔悴しきった私の顔を見て、真っ先に私の話を聞いてくれたのだ。


「…アリナ、もう少し静かに話してもらえる?」

「すみません…でも」

「知り合いと会ったのかもしれないし、もしかしたら私の勘違いだったのかもしれないわ」

「こんなにリュカ様のこと好きな陛下が、間違えるわけないかと思いますけど…」

アリナに話して、彼女が怒ってくれたことで少し冷静になれた。見たのは一場面だけだ。旧知の仲なのかもしれないし、もしかしたら私のためにお店を探してくれていたのかもしれない。

そう考えると落ち込んでいたのも少し浮かんでくる。


「リュカ様から、連絡はないんですか!?」

「帰ってくるまでは連絡がなかったけど…あ、きてる」

「なんて!!」

「ちょっとアリナ落ち着いて…」

「『今日は行き違いになってしまってごめん。良い店を見つけたから明日一緒に行こう』」

「…なんとも言えないですね。陛下のためにお店探してたのでしょうか」

彼の言葉は私が見た事実を証明できるものだろう(疑問も残るが)。

私は、彼を信じたい。でも100%信じられるかといえば違う。


「…そう、だといいわね」

もう少し明るく答えられたらよかったのに、思ったよりも私の言葉は暗かった。

「リュカ様めっ陛下をこんな風に悩ませて!」

「…ありがとう、アリナ」

普段はクールなアリナが冗談めいて言ってくれたのも彼女の優しさだろう。こんな風に心が通う友がいてくれてよかった。

「へ、陛下!」

ぎゅう、と彼女を抱きしめると、彼女は少し照れながら抱きしめ返してくれた。

「大丈夫です。いざとなったら私がいますし、陛下のことを想っている人はたくさんいるんですから」


彼女の手が頭に触れる。

これではどちらが年上かわからない。でもそれは心地よかった。

(久しぶりかもしれない、この心地よさ…)


「私の話は、また今度聞いてください。陛下は今日はゆっくり休んでくださいね」

ああ申し訳ない。彼女には本当に助けられている。

彼女は優しいお姉さんのように私に言い聞かせた。彼女の表情からすると悪い結果ではないようだ。

「ええ。本当にありがとう」


今日は眠れそうだ。ゆっくりお風呂につかって、行くときに買ったお菓子を食べて、眠るのだ。

ゲームのことは少し忘れよう。

せっかくの初めての海だ。

色々見て回りたい店もある。彼とも話をしなくてはならないが、今のような気分ならそれもきっと大丈夫だ。


昨日よりも良い気分で眠りにおちた。

(明日はリュカと話をしなくちゃ。大丈夫、大丈夫…)














「陛下、準備が整いました!今日の夜、出撃できます」


ちょっと休ませてくれよおおおお!




閲覧いただきありがとうございます。

少しでも面白いと思いましたら、いいねやブックマーク登録、評価のほうをよろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ