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第二話(2)
何か大事に至っている。穏やかな王都でそんなことは起こらないとは思っているが、レイの頭にはそれがちらついていた。
はじめは速足程度だったのに少女を探し出して約一時間、気が付けば駆け足で探している。
やっぱりおかしい。どこを探していも少女の姿が見当たらない。王都の警護団に通報したほうがいいかもしれない。レイがそう思った時だった。
「レイさん!!」
レイを呼ぶ声。声の主はトリヤだった。その声に反応するようにみぃちゃんは一つ声を上げた。
「この子が……!」
トリヤは腕に少女を抱いていた。そしてその少女は……。
「血を流している……?」
少女は背中からおびただしい量の血を流し、気を失っている。傷の大きさから血が止まる気配がない。
「どうしよう……!! このままじゃこの子が!!」
レイは目を見開き、その瞬間自分の影を触るように跪いた。
「僕の影を触って」
「え……?」
「いいから触って!」
トリヤは訳も分からないまま少女を抱いたまま、レイの影をさわる。
その瞬間、レイの影はまるで底なしの液体のようにレイ達の体を飲み込む。みぃちゃんもその影に飛び込んだ。