表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/47

勇気の先に

今日は四月最後の日。

心愛様も休み。

私の、人間の姿を見せるチャンス。


朝9:00。


心愛様が起きた。


「んー、おはよう、フォレスト」


私はベッドから降り、今日こそ人間の姿を見せると心に誓い、いつものように息を吸い込みました。


「すぅー」


「フォレスト?」


身体中に力が湧き上がってきた。

そして、少しずつ身体が人間の姿になっていく。


「えっ?フォレスト?どうした?」


私は人間の姿になった。

慌てる心愛様。


「なんで.........」


心愛様は言葉を失ってしまいました。

私はゆっくりと口を開いた。


「心愛様、私はもともと、人間の姿になれたのです。 今まで黙っていてすみません」


心愛様は目を大きく見開いて言った。


「これは、夢?」


「いいえ、夢ではなく、現実です」


心愛様はその場に固まって動かなくなってしまった。

これが普通の反応なんだと思い、私は恐る恐る聞いた。


「怖い...ですか?」


すると、思いもしない返答が返ってきた。


「美少女じゃん!」


「えっ?」


私はよく分からなかった。でも、心愛様はなんだか嬉しそうに言った。


「普通に美少女じゃん!夢みたいだよ!」


私は嬉しかった。嫌われるどころか人間の姿の私を歓迎してくれている。


「あ、でも服着なきゃ!尻尾は無いな。ちょっと待ってて」


そう言って、心愛様は自分の服を持ってきた。


「俺も結構小柄だけど、フォレストにはちょっと大きいかな?」


心愛様は私に白のパーカーと黒のジーパンを着させてくれた。


「ありがとう、ございます」


「いやー、びっくりしたわ。 今日シュウ兄さんに挨拶行かなきゃなのに」


そう、私は明日から、心愛様が仕事の間、鴨頭さんの動物病院で面倒を見てもらう事になっている。

私は少し混乱しながら言った。


「私、迷惑では?」


「そんな事ないよ。 シュウ兄さんなら大丈夫!」


心愛様はそう言ってくれた。でも、そもそもこの状況は普通ならありえない。心愛様の順応力の速さと優しさの現れなのでしょうか?


心愛様は私の頭を撫でる。


「かわいい猫耳だね」


「ありがとうございます」


「なんだか妹みたいで嬉しいよ。 よし、シュウ兄さんにもこの姿を見てもらおう」


私は怖かった。心愛様は嬉しいと言ってくれたけれど、修平さんが同じ反応をするか分からない。

心愛様は優しい感じで言った。


「大丈夫! シュウ兄さんの方がなかなか凄い経験してるから」


「あ、はい」


「それと、フォレストは俺の腹違いの妹でハーフって設定ね。 フォレスト・アンって名前でどう?」


「分かりました」


心愛様はあっという間に私のプロフィールを作ってくれた。


「一応これ掛けて」


私にサングラスを渡してくれた。

心愛様は物凄く用意周到な人で驚いた。

私一人の為にここまでしてくれる。

そして、動物病院に行く為に心愛様は私の手を繋いでくれた。

私は物凄く嬉しかった。


(大好きな人と手を繋げるなんて幸せ。)


私はとにかく嬉しくて、そのまま抱きつきたいと思っていた。


(今は我慢。)


二人で並んで歩けるのも私にとってはご褒美です。

初めて人間の姿を見せたフォレスト。

嫌われずに受け入れられて嬉しそうです。

次話は、他の人にも受け入れて貰えるのか?という気持ちを描きます。


感想や、レビュー、評価など、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ついに人間の姿を心愛くんに見せることができたフォレストちゃん! 無事、心愛くんが喜んでくれて良かったです! この調子でシュウ兄ちゃんにも受け入れてもらえると良いですね! ちなみにシュウ兄…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ