表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/47

早く私も話したい

今はまだ四月上旬。

今日は良いお昼寝日和。心愛様も仕事は休み。

珍しく部屋の片付けをしている。

すると、心愛様が言った。


「フォレスト〜、今日は俺の知り合いの人が来るから良い子にしててね〜」


そう言ってそそくさと部屋の片付けをしている。


(もしかして、恋人?)


そう思った瞬間、私は、身体中にビリビリっと電流が走るような感覚がしました。


「んー、そろそろ着くみたいだな〜」


すると、『ニャンニャーン』とインターホンがなりました。


「あ、来た!」


心愛様は急いで玄関に向かった。

私も玄関に向かった。

扉を開ける。

見ると、背が高く、なんだかホッソリとした物凄く爽やかな感じの男性が立っていた。


「シュウ兄さん久しぶり〜」


「変わったインターホンだね」


(良かった。恋人じゃなくて。)


私は心の中で安心しました。

心愛様は私を持ち上げて紹介してくれた。


「フォレスト、この人は、動物病院の鴨頭先生の息子さんで、鴨頭修平(しゅうへい)さん。 俺より六つ年上のお兄さんなんだ〜」


すると、その修平さんがこちらを見て言った。


「君がフォレストちゃんね。 こーくんから聞いてたけど、オッドアイなんだね。本当にかわいいね。よろしく」


凄く爽やかだった。

そして、部屋に入り、なにやら心愛様と修平さんが話し出した。


「シュウ兄さん、動物病院、継ぐんですよね?」


「うん。そのつもりで大学卒業してからの二年間、県外の動物病院で修行してたからね」


「やっぱり凄いな〜。さすがシュウ兄さんだ」


「君も凄いだろ?いろいろと。まだ君は20歳じゃないか」


「シュウ兄さんだってまだ26歳とかじゃん!」


二人の会話を見ていると、私もこうやって普通に話せるようになりたいと思っていました。

そして、修平さんが言いました。


「それで、今日僕を呼んだ理由って?」


「俺が仕事の間は、動物病院でフォレストの面倒を見てもらえますか?」


「僕は別に構わはないけど、なんで急に?」


心愛様は私が最近ぐったりしている事を修平さんに話していました。

修平さんが答えました。


「なるほどね。 分かった。来月からは親父の動物病院で働くから、君が仕事中の時は僕が面倒を見るよ」


「ありがとう〜! さすがシュウ兄さん!」


話し合いは終わり、修平さんは帰って行きました。

心愛様はなんだか申し訳なさそうな顔をしています。

どうやら私は、かなり迷惑をかけていたのだと気付きました。

心愛様だけではなく、他の人にまで...。

そして、人間になる練習ができる期間も後、一ヶ月しかありません。


(急がないと....。)


それから私は、次の日、また次の日と毎日練習を重ね、五月の下旬にもなると、人間の姿になっても、身体が軽いと感じられる程になっていました。

私はスタスタ歩けるようになり、飛んだり跳ねたりできるようにまでなっていました。

私は、五月になるまでに、人間の姿を心愛様に見せようと心に決めました。


私は、何を言われても良い......。 この姿さえ見てもらえれば。



普通に話せる姿が羨ましいと思うストーリーでした。

次話はいよいよ.........。


感想や、レビュー、評価など、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 8話まで読みました! フォレストちゃんが練習を重ねて、なんとか苦痛なしで人間になることができて良かったです!後は心愛くんに自分の想いを伝えるだけですね! それから今回は、心愛くんのイメージ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ