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やっぱり猫の方が良いのかな

私は一週間、ずっと人間の姿になる練習をしていました。

人間の姿になった時、前は一時間程気を失っていましたが、今では三十分程まで短くなりました。

ですが、猫の姿に戻った際、やはり疲れがたまり、私は一週間、毎日のようにぐったりしていました。

そんな私の様子を見かねた心愛様が話しかけてきました。


「フォレスト、俺が居ないから元気がないの?だったら、明日から職場に連れていくよ」


私は嬉しかった。私の事を考えて、心愛様は私を一緒に職場へ連れて行ってくださることになりました。


(でも、人間の姿になる練習ができないな...。)

私は心の中で思いました。

確かに一緒に居られるのは嬉しいけれど、人間の姿を早く見せたいという気持ちが私の中に強くあります。


そして次の日、私は心愛様に抱かれて一緒に職場に向かいました。

その職場はホテルで、『ペット同伴可』と書かれていました。

どうやら心愛様はホテルマンのようです。

心愛様が言いました。


「この職場は、自分の買ってるペットを連れて来てる人も居るから安心してね」


中に入ると、沢山のデスクがありました。

中年くらいの男性が言いました。


「心愛。お前、猫を飼ってたのか?可愛いじゃないか。はははぁ」


「フォレストって言います。社長も仲良くしてください」


「うんうん、ペット同伴可のホテルだからな!まずは我々が動物を買わなくてはな。はははぁ」


そのホテルでは、お客様の接客中以外は、自分のペットと遊んでも良いようで、心愛様はずっと私と遊んでくれました。

午後17:00。

「お疲れ様でした〜」


仕事も終わり、家に帰りました。

家に着くと心愛様が言いました。


「今日は元気だね〜。そんなに寂しかったのか?可愛い子だな〜」


そう言って私を撫でてくれました。

私は思いました。

(ずっと一緒に居られるのなら、猫の方が気楽で楽しい。)


私はその事だけを考えていました。


二、三日、私は心愛様の職場に行きました。

そして四日目の今日は、人間の姿になる練習がしたいと思い、心愛様が私を持ち上げようとした時、私は逃げました。


「あれ、フォレスト?今日はお留守番?」


私はコクリと頷きました。


「分かった。行ってきます」


なんだか心配そうな顔で玄関を出ていきました。

私はすぐさま人間の姿になる練習をしました。


「すぅーっ」


私は息を吸い込み、心愛様の事を考えました。

なのに、全然人間の姿になれません。


「ニャー?」(なんで?)


恐らく原因は人間ではなく、猫のままで居たいと思っているから。

私はとにかく悩まされました。

一緒に職場に連れて行ってもらった時は本当に嬉しかったし、楽しかった。

一人でしんどい思いをしてまで人間になるくらいなら、猫のままでも良いと深く考え込んでいたから。


(お母さん、どっちが良いの?どっちが正解?)




いろいろ考えていると、一つ思いつきました。

『迷ったら両方!』




私はどちらが正しいのかをまだ分かりません......。

でも、どちらも頑張る。心愛様のために。

私のために。

ご主人様の優しさで、一緒に職場に行ける。ずっと甘えていられるというストーリーでした。

次話は、とにかく悩まされる話です。



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