猫の私も連れて行って
朝6:00。心愛様は起床する。
心愛様は一人暮らしの20歳。
今日も仕事に行く準備を始める。
でも、ちゃんと欠かさず私にご飯を与えてくれる。
本当に優しいご主人様です。
そんな生活を何日か送って思ったことがあります。
前の飼い主の時には何も感じなかった。
むしろ、飼い主が家に居ない時間の方が幸せでした。
今のご主人様、心愛様が仕事に行くと、なんだか物凄く寂しいという感情が芽生えはじめました。
「じゃあ、フォレスト、行ってきます!」
そう言って、今日も仕事に行ってしまいます。
「ニャーー」(寂しいですよ。)
前のこの時間は、とても嬉しい時間だった。
今はとても辛い時間。
私は玄関まで何回も何回も行ったり来たり。
「ニャーニャー」(早く帰って来てください。)
窓からずっと外を眺めたり、ずっとご主人様の事を考えてしまう。
「ニャー」(今日、帰って来なかったらどうしよう。)
なんだかとてと苦しい気持ち。
何もかも前の飼い主では感じた事ない感情ばかり。
「ニャー」(やっぱり私は心愛様が好き。)
早く帰ってきてほしい。
午後18:00。
ガチャ
「ただいま〜」
あ、心愛様が帰って来た!
すぐに玄関に走って向かう。
「ニャー」(おかえりなさい。)
「おー、フォレスト〜」
そう言って私を抱き上げてくれた。
やっぱり、心愛様の腕の中が一番心地良い。
「ちゃんと、お留守番出来た?」
心愛様は優しい感じて話しかけてきてくれる。
「ニャーニャー」(もちろんです。寂しかったですよ。)
「良い子だね〜」
そう言って、私の頭を撫でてくれた。
なんだか凄く気持ち良い。
とても落ち着く。
心愛様が言った。
「フォレスト、ご飯だよ〜」
私達は一緒にご飯を食べる。
「美味しいね〜」
「ニャー」(美味しいです。)
ご飯を食べ終えたら一緒にお風呂。
そして寝る時も一緒。
今まで、一緒に寝たり、一緒にお風呂に入ったり、一緒にご飯を食べた事のなかった私は本当に嬉しかった。それでも、仕事の時間になると・・・・・・
「じゃあ、フォレスト、行ってきます」
「ニャーニャーニャー!」(行かないで。一人にしないで!)
「甘えん坊だな〜」
そう言って頭を撫でて仕事に行ってしまう。
私はまた、仕事の時間が寂しくて切ない時間だと思ってしまう。
私は何回も何回も部屋のあちこちを行ったり来たり。
ずっと窓の外を眺めている。
心愛様はお昼ご飯を用意してくれているけど、一緒に食べれないと考えるとお昼ご飯はあまり、喉を通らない。
「ニャー」(こんなに誰かを好きになったのは初めて。)
そして午後18:00。心愛様が帰って来た。
ガチャ
「ただいま〜」
私は玄関に猛ダッシュして、心愛様の胸に飛び込んだ。
「フォレスト〜。寂しかったのか〜!可愛いな〜」
「ニャー、ニャーー」(心愛様、心愛様、心愛様。)
私はとても嬉しくてしばらく心愛様の腕の中のいた。
そして、一緒にご飯を食べで、お風呂に入って、ベッドに着いた時、心愛様が言った。
「明日と明後日は休みだから、フォレスト、ちょっとお出かけしよっか?」
「ニャーニャーニャー」(はい。喜んで。)
私はとても嬉しかった。
心愛様とお出かけ。
誰かと思い出をつくれるなんて......。
一人で居るのは寂しい、辛いという感情が強くなっていくストーリーでした。
次話はからは、猫として生きるか、人間の姿になって楽しむか、どちらの生き方が楽しく、自分にとって正しいのか悩んでいく姿を描いていきます。
感想や、レビュー、評価などよろしくお願いします。