猫でも人間に恋します
私は捨てられた。
けれど、それと同時に拾われた。
助けてくださった新しいご主人様。
「君、真っ白の毛が泥だらけだね。 酷い人だ、洗ってあげるね!」
ジャーー
私についた汚れを洗ってくれました。
私は初めてお風呂に入った。
そして私は、その人に飼われる事になりました。
「飼うとしたら、なまえが必要だね!ちなみに俺は心愛って名前だよ」
新しいご主人様、心愛様は、優しい声で話してくれる。
「んー、君の品種はなんだろー?」
そう言って、いろいろ検索してくれた。
「あ、ターキッシュアンゴラか! しかもオッドアイ! 縁起がいいね〜!」
そう言って、私を持ち上げてくれた。
「名前は何が良いかな〜?ターキッシュアンゴラだから、アン?いや、なんか違うな〜」
私は、飼ってくれただけでも嬉しかった。
「んー、前に住んでたとこがフォレストガーデンだったから、『フォレスト!』君の名前は、フォレストだ!」
私はとても嬉しかった。初めて名前を付けて貰えた。
新しいご主人様、心愛様は、私の事を考えて、近所にある、動物病院へ連れて行ってくれた。
「フォレスト、動物病院に着いたよ〜。 健康状態とか診てもらおーね!」
私は動物病院の先生に診てもらった。
「この子は元気ですか?」
「はい、しかし、かなり痩せてますな。 栄養のある食事を心がけてください」
「ありがとうございます! ただ、この子は、捨てられたんです。 前の飼い主には虐待を受けてたみたいで...」
「左様でございましたか。この品種の猫は、いろんな人に愛されるよりも、自分のお気に入りの一人と親しむ事を好むタイプの猫です。貴方にはすぐに懐くでしょう」
「そーなんですか! 嬉しいです!」
私は爪を切ってもらった。
心愛様は先生に爪の切り方を教わっていて、とても真剣でした。
「また、何かありましたらいつでも来てください」
「助かります! では、失礼します!」
帰り道、心愛様が私に優しい声で話しかけてきた。
「フォレスト、辛かっただろう? そんな思い、もう二度とさせないからね!」
私はとても嬉しかった。
家に着く。心愛様が言った。
「よし、今日は一緒にお風呂に入ろう〜!」
私は、なんだか今までに感じた事のない感情が湧き起こった。なんだか凄くドキドキする。
「フォレスト〜、おいで〜」
私は緊張して、なかなか中に入れなかった。
「ターキッシュアンゴラは水が大好きな猫のはずなんだけど...」
心愛様は少し残念そうな顔をしている。
私は、意を決して入っていった。
「よしよ〜し!」
ジャーー。
「にゃんにゃんきゃわわなフォレストちゃん〜」
歌を歌いながら洗ってくれた。
私はとても嬉しかった。
嬉しさのあまり、心愛様の懐に飛び込んでしまった。
「ニャーー!」(心愛様〜!)
「フォレストは甘えん坊さんだな〜」
甘えん坊。そうなんだ。私は今甘えているんだと思いました。
前の飼い主の時はこんな思いなんてした事なかったのに........。
お風呂から上がると、心愛様はドライヤーをかけてくれた。その後クシで、ちゃんと毛並みを揃えてくれる。私にとって何もかもが初めてだった。
「ニャ〜〜ニャ〜〜」(心愛様大好き。)
「可愛いな!」
私の声は心愛様には『ニャーー』としか届かない。でも、それでも大切な、大好きな人のそばにいられるのに、変わりはない。
「お母さん、私は好きな人間が出来ました。好きで好きでたまらない大好きな人が!」
私の大好きな人、心愛様.......。
ご主人様の愛情をもらうストーリーでした。
次話は、愛情を貰うことによって、一緒に居られない時間に寂しさを憶える話です。
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