来訪予定が決まって
「グリーンハイムさんが来る予定が決まったよ」
報告ついでにサボりにきたのだろうセルジュはそういった。
「一ヶ月後で今回は滞在期間は長め。中央は久しぶりだからね」
セルジュは壁に掛けられたカレンダーのもとまで移動すると、一枚カレンダーをめくってその日を指で囲んだ。
「要望としてスコットに会いたいって言われたから連れてきてね」
「分かった」
その日付をを頭に入れて予定を入れないように心がけて、イグニスはカレンダーに丸をつける。
「言われるとは思ってたが、まさか要望として入れてくるとは……」
「お気に入りのセンの弟子たちだし?魔法使いたちとしては亀裂が入らないようにイグニスたちには来てもらうしかないから、頼んだよ」
セルジュは楽しそうにいってのけるが、イグニスは迷惑そうな顔をしている。
「確かにそうですけど、そんな重大な話にしないでください」
「困ったことになるんですか?」
いまいち全体を理解出来てはいないが大変そうなことだと理解したスコットが口を挟むと、セルジュはそうだと笑って解説をする。
「魔法使いも完全なる自給自足ではないから、人の手を借りないと賄いきれないんだ」
魔法使いたちの暮らしは、各国の援助によって成り立っているといっても過言ではない。その支援は資金や物資など多岐にわたる。
「その見返りに国の防衛のための魔法使いを協会が派遣してる形になるんだけど、特にグリーンハイムさんの国はかなり融通を利かせてくれるから、こっちもそれなりにね」
魔法使いに対して偏見や嫌悪、恐れも持たず関わりをもつグリーンハイムにセルジュたち協会の魔法使いたちがそれなりに好意を持っていることもある。
ただ、相手は王族と考えると丁重にもてなす必要があることを除けばであるが。
「堅苦しい対応とか面倒だけどさ、やらざるを得ないし」
本音を漏らすセルジュにイグニスは苦笑をする。
そうは言ってもほとんどの対応は会長とトネリコが請け負っていて、セルジュやドロシーはほぼその場にいるだけなのではある。
それでも丁重な対応を求められる場では精神的に疲れるので面倒というのは分かる。
その場が自分たちのホームというだけまだマシというものだ。
「2日目くらいに協会に顔出します。早めの方が良さそうだし」
「そうして」
協会にいく日を決めたところで、イグニスはスコットをちらりを見て、その視線の意味を理解するセルジュは困った風に笑う。
「そこはまぁ、慣れてもらうしかないんじゃないかなぁ」
なにも知らないスコットは不思議そうに首を傾げた。
ありがとうございます。




