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コントロールのコツって言われても

「魔法ってのは使えば使うだけ上手くなるってもんじゃねぇんだよ」


 イグニスが倉庫から見つけて来た魔道具を使って以来、スコット日々魔力のコントロールを磨いている。


 一番身近にいる師匠(イグニス)は残念なことに魔力のコントロールはあまり良くない上、センのおかげか説明は一応出来るのだが最終的に感覚的なものの説明になってしまうので理解ができない。

 コツを聞いたところで、自身が出来ていないためコツもあったものじゃない。


 そのため、コントロールが抜群のルピナスがせっかくいるのだからとスコットは、魔力のコントロールが上手くなるためにはどうしたらいいかをルピナスに尋ねてみたのだ。


「じゃなきゃイグニスがいつまでたっても魔法が下手な理由に説明がつかない」

「否定しにくいことを例えにしないで下さい」


 得意魔法以外はいつまでたっても上手くならず、日常的に扱う魔法でかろうじてというイグニスは、ルピナスの例えに不満はあれどその言葉に否定出来るほどの能力は持っていない。


「コツつっても人それぞれだかんな。正解はないけども――」

「けども?」


 頭をかいて喋るのをやめたルピナスに、スコットは首を傾げて続きを促す。


「早い話がセンスなんだよ。消費魔力が多くても少なくてもその通りにならねぇんだ」


 ルピナスは手持ち無沙汰なのかグラスに入った水を風魔法を使って器用に宙に浮かせている。


「ま、コントロールの練習あるのみだな。師匠(イグニス)でわかりにくきゃ協会の人間に話を聞いてみりゃいいぞ」

「協会に?」


 スコットが不思議そうに聞き返してルピナスが頷く。


「あそこは魔力の少ない奴が多いかんな、コントロールがうまい奴が多いんだよ」

「えと、セン師匠みたいにですか」

「んにゃ、あれは規格外。あんなのがしょっちゅういてたまるかって感じだな」


 センほどではないにしても、そういう連中ばっかだとルピナスは言って、浮かせていた水を口の中に放り込んだ。


「ルピナスさんはアレスさんにコントロールを学んだですよね」

「ジジイはそれしか教えなかった」


 肝心のコツが聞けていないので、イグニスも会話に参加を始める。


 昔、トアルと一緒に聞いたことはあるがあの時はまともな答えが返ってこなかった。

 センとレオルドがはぐらかしたというのもあるのだが。


「あんのジジイはっとに優しくねぇ。毎日毎日魔法の風船やらされたんだからな」

「あれって禁止されて――」

「ないぞ。ただ単に作り手が少なくなっただけだ。キャロラインとかは作れるし、量産すっからな」


 作り手が少なくなった理由はその風船が危険だと継承されなくなったことが大きいとルピナス。


「今じゃ好きこのんで使うやつもいねぇし、そもそも咄嗟に対処出来る人間も少なくなったし」


 スコットはよく分からないと首をかしげた。


「ジジイが子供の頃には廃れつつあったとか言ってたか。昔は当然に使われてたコントロール法だな」

「魔力を入れて風船を膨らませるんだが、風船ごとに込められる魔力の量と属性が違うんだよ」


 それだけ聞くと危険なようには見えないが、ルピナスが続ける。


「魔力が少なすぎると萎むし、多すぎると爆発起こすからな、あれ。防御しながらやんのが鉄則」


 成功すると風船は光の粒子になって消えるらしいが、風船の爆発は範囲は広くないが威力自体は意外と高いらしい。


 ルピナス曰く人に向けるものじゃないという。そのため、魔法で自分を防御しつつ行うと言う高度な技術が必要らしい。


「そんなものが……」


 自分ならやりたくないと思うスコットはなんとも言えないかおをしていた。


「ジジイは爆発させるなと言うくせに、自分は爆発させて相殺してるからな」


 魔力のコントロールについてのコツが分かればと聞いたのだが、参考にはならなそうだ。

 スコットはルピナスから聞くのを諦めると、セルジュが来た時にでも聞いて見ようと思うのだった。

ありがとうございました。



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