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家の倉庫

「あれ、師匠?」


 そろそろお昼ご飯の時間だとリビングに出てきたスコットは、そこにイグニスがいないことにキョトンとした顔をする。


 くぅと小さくお腹が鳴って、机に置かれているキャンディーを一つ頬張ると、イグニスは家の中にいるはずだと探すことにした。

 出かける時は一声かけてくれるので、家の中にいるのは確かなのだ。


 まずは師匠の部屋とイグニスの部屋の前まで行くとノックをして返事を待った。

 返ってこない返事にそっと扉を開けて中を見るが誰もいない。


「どこにいるのかな」


 廊下を歩いて片っ端から部屋を覗いていくスコットはなかなかイグニスを見つけられず、無駄に広い家の中にため息をついた。


 外から見れば一見小さな家でも、中に入ると意外と広い。

 魔法使いたちの家は魔道具で中を拡張しているために広く、この家は魔法協会所有の家なのでそもそもそれなりに広い。


「一階じゃないなら、二階か」


 普段あまり行くことのない二階は、スコットにとって自分の家だというのに慣れない場所で、ほとんど何があるのか知らないのだ。


 確か、空部屋ばかりだったはずなのだが、それ以外はわからないスコットは一つずつ部屋を確認していくしかなかった。


 奥の方にスコットが進んでいくとかすかにごそごそと音が聞こえて、スコットはイグニスを呼びながら扉を開けた。


「師匠?」

「スコット、どうした」


 突然開いた扉に驚くこともなくイグニスはスコットに何かあったのかと尋ねる。


「お腹空いたなぁって思って師匠探してたんです」

「もうそんな時間か。すぐに作る」


 どうやら倉庫になっているらしい部屋は大量の大きな箱が置かれている。

 一階にも似たような部屋はあるのだが、こちらは動くスペースがほとんどないほどに荷物が多い。


 開けていた箱の蓋を閉じるとイグニスは立ち上がり、スコットと一緒に一階のリビングに向かい、すぐに昼食の準備に取り掛かった。


 すぐに食べれるものをと、軽く焼いただけのパンを用意したイグニスは蜂蜜を出して昼食にする。


 蜂蜜をたっぷりパンにつけながらスコットは二階にあんな部屋があったことに驚いたとイグニスに言う。


「あんな部屋があったんですね」


 意外とイグニスは片付けをしっかりしているので、この家で何か探し物をしているイグニスがスコットには想像つかなかった。


「ここは元々、魔法協会の持ち物だから色々持ち込まれたものがそのままになってんだよ」


 この家を借りることになった時、魔法協会の職員は必要なものだけ持っていき、あとの物はそのまま放置されているらしい。

 使えるものがあれば自由に使って構わないとは言われている。


 よく分からないものも多く残されているが時折役に立つものが出てくることもあるらしい。

 それでイグニスはスコット魔法の練習に役に立ちそうな道具があったはずだと探していたとのことだ。


「そうだったんですね」

「ああ。たまに変なものがあるから下手に触るなよ」


 勝手に魔法が発動する魔道具など危険なものあるようで、大怪我になりかねないとイグニスは注意をする。

 昔、イグニスは魔物を召喚する魔道具を発動させてしまい大変な目にあったという。


「き、気をつけます」

「そうしてくれ。手に負えないものもあるからな」


 昼食後、イグニスが倉庫に行くとスコットもついていき、何があるか確認してイグニスはお目当てのものを見つけると、危険そうだと判断したものを別の場所に保管するように分けていた。


ありがとうございました。


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