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今度は

ブックマークや評価、ありがとうございます。

励みになっています。

「またね。イグニス、スコット君」


 少なくない荷物を持ったトアルが言った。


 積もる話はいくらでもあって、気心の知れた長年の友人とはどれだけ時間があっても話題が尽きることはない。


 けれど、ずっといるわけにもいかないとトアルとグラジオは今日家に帰る。


「今度はぜひ、うちに遊びに来てください。先生たちも喜ぶと思います」

「師匠、絶対に行きましょう」


 グラジオの言葉にスコットはイグニスの方を見上げて言う。


「そのうちな」

「絶対ですよ。セン師匠のところとグラジオさんのところ」

「わかってるよ」


 その様子を見てトアルが声を出して笑い、必ず実現するからとスコットに言うのだ。


「大丈夫だよ、スコット君。来なかったら僕の師匠が引きずってても招待するはずだから」

「ああ、あの人ならやりかねないな」

「でしょ」


 トアルやイグニスの反応から、おそらくイグニスが勝てない相手なのだろう。

 というか、スコットからみるとイグニスが勝てる相手の方が少ない。いや、逆らえない相手というのが正しいか。


「ま、必ず行く。避ける理由もないからな」

「うん。いつかはセンさんたちみんなで集まれたらいいよね」

「そうだな」


 弟子がいるから前よりももっと賑やかになると想像するだけでも楽しみだ。


「それじゃあ、そろそろ行くね。またね」

「手紙、書くからね」


 トアルとグラジオは魔法協会から出発するドラゴンに乗りこむ。協会の職員が同じ方向だからと乗せてくれたのだ。


 ドラゴンは一気に空高く舞い上がる。

 手を振っているのが分かって、スコットは手を振り返しイグニスは片手だけを上げた。


 気軽に会いに行ける距離ではないが、今までと比べれば精神的には近く感じる。

 きっと、ずっとつかえていたものがなくなったからだろう。


 平気だと分かっていても実際に会いに行くのが互いに怖かったから、でももう大丈夫だ。


「行っちゃいましたね、師匠」

「ああ」


 スコットがドラゴンがいなくなった空を見上げたまま呟いた。

 イグニスはそれに頷き、スコットの頭をわしゃわしゃと撫でた。


「外に出たついでだ。便箋でも買って帰るか」

「はい、師匠!」


 初めて友達に書く手紙だと、なかなか便箋を決められないスコットにイグニスは根気よく付き合い、弟子たちも自分たちと同じようにずっと仲良くいてくれたいいと願うのだった。

ありがとうございました。


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