スコットとグラジオ
庭で遊ぶスコットとグラジオを眺めながら、イグニスはトアルに手伝ってもらい庭に設置している魔法練習用の道具を掃除していく。
「それにしても、ここに引っ越してるとは思わなかった」
壊れていた道具を修理しながらトアルが言う。
弟子時代にイグニスに付き合わされてというより、師匠であるルピナスに引っ張られてここには来たことがある。
「協会からの借家って形だけどな。洞窟の管理も兼ねてるが」
「よく行ったね、あのドラゴンは相変わらずなの?」
魔法での実戦と言われては、ちょいちょいあの洞窟の中に放り込まれては洞窟の奥にいるドラゴンからウロコを取ってくるというのをやらされていた。
やる気十分だったイグニスと違い、トアルはあまりやる気があるわけでもなかったが、それなりに動けるようになったのはそのおかげだと思う。
「相変わらずだな。ま、今はあいつの方が弱いけど」
「そっか。今度来るときは会いに行こうかな」
トアルは呟いてから、修理を終えた道具を立てかけていると、勢いよく飛んできたボールがイグニスの頭にクリティカルヒットする。
「――ってぇ」
「わっ」
「師匠ー⁉︎」
「大丈夫ですか、イグニスさん⁉︎」
イグニスが振り向くと、手前にグラジオ、奥にスコットがいる。
どうやらスコットの投げたボールがイグニスにぶつかったらしい。投げたにしては威力は高かった。
グラジオがいる場所はイグニスと直線上にあるわけではないので、スコットのコントロールが悪かったのだろう。
ボールを風魔法で浮かせたトアルはグラジオの方にボールを飛ばす。
淀みなくスムーズに飛んでいくボールにスコットは感心をしていた。
グラジオはボールを受け取るとイグニスたちボールが当たらないよう立つ位置を変える。
どうやらキャッチボールをしているようだがら、風魔法をボールにまとわせて投げて遊んでいるらしい。
それならスコットの大幅なコントロールミスもうなずける。
ボールを浮かせて優しくスコットの方に飛ばす。
それは真っ直ぐにスコットにもとに飛んでいき、スコットは難なく受け止める。
スコットはグラジオに投げ返し、今回は真っ直ぐにボールが飛んでグラジオが褒める。
「上手、もう一回やってみよう」
「はい!」
嬉しそうに返事をしたスコットはグラジオからまたボールを受け取ると投げ返す。
今度は右にそれてしまったがグラジオが動いてキャッチをして繰り返していた。
弟子同士も仲良くやっているようで安心をするイグニスとトアルはしばらく手を止めて、スコットとグラジオを様子を眺めていた。
ありがとうございました。
同レベルで遊ぶリオンとは違い、グラジオは優しいお兄さんって感じですね。




