暴発後
祝50話!
――ボンッ!
爆発音が聞こえてセルリアは辺りを見渡す。
「あそこだ!」
リオンの指差す先にモクモクと煙が上がっている。
「あの辺りは先輩の家ですね」
「ってことは暴発か⁉︎」
「だといいですが。リーフェ、近くまで行ってくれる?」
リーフェが了承とばかりに鳴いて勢いよく爆発したあたりの上空をクルクルと飛び回り始める。
右手に筒を持ったセルリアは風魔法を使って素早く煙を飛ばし、人影は2つだけなことに安堵をして、セルリアはリーフェとリオンを空に残し地上に降りていった。
「魔法の暴発、ですか?」
「ああ」
一応の確認をイグニスにして、怯えているスコットにセルリアは拍手を送る。
「おめでとう、スコット君。一人前に一歩近づきましたね」
理解が出来ずキョトンとするスコット。
「みんな、一回は暴発させるんですよ」
セルリアの言葉に驚き目を丸くするスコット。どうにも信じられないらしく、イグニスの方を見た。
「師匠も?」
「まあな」
クスクスと笑うセルリアはスコットに耳打ちをする。
「先輩は数えきれないほど暴発させてますよ」
スコットはイグニスの方へ顔を向けて、なんとなくわかる気がするといった表情をする。
「なんだよ」
「二つ名が暴発魔にならなくて良かったですね」
「お前……」
数えきれないほど暴発をさせていたイグニスだが、正確には暴発直前にセンの手によって防がれているためにそのことを知る人間は少ないのだ。
セルリアがいたずらっぽく笑い、スコットが首をかしげる。
「なんですか、それ」
「魔法使いの二つ名ですよ。持ってるのは実力のある魔法使いの証、なんですけどね」
どうにも歯切れが悪いセルリア。
イグニスやセンのことを知っているからだろう。
「嘲ってつけられる場合もあるんだよ」
「良くも悪くも実力がある証拠にはなるんですけどね。大抵は舐めてかかられますが」
「師匠もセルリアさんも持ってるんですか」
スコットが疑問を口に出す。
「僕はマジシャンってそのままですけどね」
「師匠は?」
イグニスは目をそらし、スコットの頭に手を置く。
どうやら答えてくれないらしい。
嘲りの二つ名のようだ。
「セルリア、風魔法のコツとかあったら教えてやって欲しい」
「ああ、適性調べたんですね。構いませんよ」
「助かる」
セルリアはポケットからスケジュール帳を取り出して予定を確認する。
「明後日からなら空いてますが先輩の方は?」
「予定はないから、そっちに合わせる」
「わかりました。では、明後日に」
スケジュール帳を閉じたセルリアは上空を指差し思い出したように付け足す。
「おそらくリオンもついてくるので相手を頼みますね」
「分かった」
セルリアは上空を飛んだままのリーフェに指示を出して、高度を低くさせると風魔法を駆使してリーフェに飛び乗る。
「暴発で良かったです。では明後日に」
「ああ」
上空ではスコットの暴発を知ったリオンが何か祝いを用意しなくてはと1人騒いで、リーフェの怒りを買うのだった。
セルリアが持っていた筒は、対魔法使い用に作ったらしい逃げるため道具です。(発煙筒のようなもの)
これからもよろしくお願いします。




