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魔法使いのレア職業

  スコットがあまりにも期待に満ちた目にするので、センが夕食を作った。


 喜ぶスコットは無言でひたすら食べていて、会話を聞いているのかすらわからない。


「へぇ、エルマン君とユーリがね」

「ああ」

「今回はちょっと長引いたから、すれ違いか。けど、元気そうなら何よりかな」


 かきこみすぎたスコットがむせて、センが水を差し出し、礼を言ったスコットは疑問を口に出す。


「ありがとうございます。その人たちって今日会った人ですよね」

「そうだ」

「なんで、あんな人がここにいたんですか」


 魔法使いじゃないのは明白。それにエルマンの身なりは良さそうだった。


 ただでさえ、魔法使いは嫌われていて上流階級の人間は特に嫌っているとスコットは教わっている。

 当然の疑問である。


「彼はね、王族なんだ」

「おーぞく?」

「うん、そうだよ。王様とか国のトップの人」


 センが頷く。


「確かに魔法使い(ぼくら)は嫌われてる。これは広くしられてないけどね」


 と、センが前置きしてイグニスが続いていう。


「国としては魔法使いの力は欲しいんだ」

「えぇっと……」


 センは微笑んで説明をしてくれる。


「自分の国を守るための力だよ」

「例えば、戦争が起きたとして魔法使いが一人でもいれば――」

「そっちが勝つ」

「王様の護衛としても役に立つからね。大抵一人か二人は雇ってるよ」


 なるほどと納得したらしいスコット


「それじゃあ、エルマンさんは探しにきてたんですか」

「「たぶん、違う」」


 センとイグニスがハモる。


「あそこの家は、しょっちゅう遊びにくるから……」


 困ったようにセンが笑って、イグニスが苦い顔をする。


「そんなすぐこれるものなんですか」

「あそこの魔法使いはドラゴンを扱えるからね」

「なるほど」


 スコットが納得する。

 一度ドラゴンに乗った時を思い出せば、確かに随分と時間を短縮できるだろう。

 セルリアはそれで家族の元と自宅を往復しているくらいだ。


「ついでに王宮魔法使いの説明もしておこうか。魔法使いの就職先としては珍しいところだし」


 センは水を一口飲むと、説明を始める。

 魔法使いにもあまり知られていないため、イグニスもあることは知っていたが詳しく知らないらしく耳を傾ける。


「仕事内容はさっきいった通りなんだけど、大っぴらに魔法使いだと言うわけにいかないから、王の側近っていう形で働いてることが多いんだ」

「頭がまわること前提か」

「そうだね。就職してから学ぶことも多いし、頭が良くないと務まらない。まれに素質より気が合うからって理由もあるけどね」


 といってセンは穏やかに笑う。


「俺には縁のない話だな」

「ふふ、エルマン君は呼びたかったんじゃないかな」

「それはあるかもな。ま、ユーリさんが近くにいたんじゃ気が休まらなくてお断りだけどな」

「あの怖いって人」


 イグニスもセンも否定をする。


「怖くないけど……」

「堅苦しいんだよ」


 そのうち会う機会もあるだろうと言った。



ありがとうございました。

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