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魔法使いのお仕事

  危険な洞窟に行くと言うのに、イグニスの服装は全く変わらず、短剣を腰に二本装備しただけのラフな格好だ。

  強化魔法はある程度かけてはいるようだ。


  一方スコットは、魔力が込められている防御力抜群の外套をいつもの服の上から羽織っている。背中にはバックパック。

 そこにプラスアルファで防御魔法が重ね掛けされている。

  これをやぶれるものはそうそうに存在しないだろういうぐらい厳重に。


「これから中に入るけど、スコット。()()()俺から離れるなよ」

「は、はい。師匠」


  念を押すようにイグニスは言う。

  いつものどこか面倒そうな雰囲気はない。スコットからすれば、初めて見る真面目な師匠(イグニス)かもしれない。


「それじゃあ、行くか」


  中に入れば静かだったのは最初だけで、すぐに魔物の鳴き声がそこらじゅうから聞こえてくる。

  聞いたことのないような唸り声。恐怖にスコットの足は竦む。


「っ……」

「なーに怖気付いてんだよ。まだ魔物にすらあってないってのに」

「………師匠」


  スコットが顔を見上げると、イグニスは笑ってスコットの頭をぐしゃぐしゃと撫でる。

  頭を左右に振ったスコットは、不安を追い出して大きく頷いた。

  それを見たイグニスは歩き始める。


「そろそろ出てくる頃だな。離れるなよ」

「えと、頑張ります」


  曲がり角を曲がれば、小さな空間が現れる。

  犬のような黒い魔物が、唸りを上げてこちらを見ていた。待ち伏せをされていたようだった。


  「スコット。動くなよ」


  スコットがコクコクと頷くと、イグニスはゆっくりと歩き出す。

  襲いかかってくる魔物を、短剣で一閃。ただそれだけで決着がついた。


「腕は落ちてなさそうだし、問題ねぇな」


  イグニスは軽く腕を伸ばして深呼吸を一つ。

  スコットは何が起きたのかわからないと呆然としていた。


  魔物から落ちたアイテムをイグニスは拾うと、スコットに鞄に入れるように指示をして、先へと進む。


  そんな調子で30分程歩き続けていると、先ほどまでうっとしいくらいに現れていた魔物達が急に出てこなくなった。

 

 洞窟内はとても静かだというのに、どこか重くて威圧的な空気が流れる。


「………師匠」


 その空気を感じ取ったのかスコットが不安そうにイグニスを見上げるが、イグニスはあくびでもしそうなほどで気負った様子はどこにも見えなかった。


「相変わらず威張り散らしてんのか。スコットは俺が倒すまで外にでるなよ」

「わかりました」


  歩いた先にあったのは小さな草原で、のどかとは程遠い存在がそこにいた。


  一体のドラゴンだ。


  怯えるかと思ったスコットから出たのはそイグニスの予想とは違っていた。


「リザードマンじゃないんですね」

「ここにはいないからな」


  リザードマンは人型のトカゲのようなもので、割とどこにでも出でくる魔物だ。

  スコットはまさか翼のある巨大なドラゴンがいるとは思っていなかった。


  スコットを洞窟内に残し、イグニスは草原に足を踏み入れると思いっきり雷の魔法をぶっ放した。

  それが戦いの合図のようで、ドラゴンが襲いかかってくる。


  それからしばらく、スコットの目に見えない戦いが続き、静かになった時イグニスの手には一枚のウロコが握られていた。


「今回も俺の勝ちだな。もらってくぞ」


  ドラゴンが悔しそうに小さく唸り声を上げる。

  その様子にスコットは首を傾げる。


「今回も?」

「ああ」


  イグニスはそれ以上は言わずに来た道を戻る。


  家に戻るとイグニスは勝利報酬のドラゴンのウロコを加工していたようだったが、見ていてもよく分からなかったのでスコットは拾ったアイテムの仕分けしていた。


  魔法協会に渡したあと、面倒な依頼はこりごりだと簡単な依頼をいくつか受けて帰ったイグニスだった。


まだまだ未熟な部分が多いですね。

いつかは戦いとか書けるように頑張ります。



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