黒牛王
かごしま漫画クロデミー賞に応募したマンガのプロットになります。
これをきっかけにもっと多くの人が漫画クロデミーの事を知っていただけると嬉しいです。
●この作品は作者の創作によるもので事実ではありませんファンタジーです。
鹿児島の片田舎に一人の男が現れる。
和牛会の風雲児 黒田丸大介
彼はのちに黒牛王と呼ばれた。
<シーン1>
オーストラリア
のどかに牛を飼っている風景
ジープにのって外国人と日本人が現れる。
外国人が日本人に言う。
見てください、この広大な土地で飼われている牛たちを。
この牛たちが次々に日本に入ってくるのです。
日本には、アメリカやオーストラリアの安くて美味しい肉が沢山はいってきて。
日本の消費者はみんな大喜びです。
いままでみたいに、高い日本産の肉を買う必要はなくなるのです。
どうです、黒田丸さんもここオーストラリアで牧場を始められては?
黒田丸
・・・・・・・・
<シーン2>
鹿児島和牛会での会議
ネガA (60):もう、外国産の牛肉でおれたちはダメだ。
ポジB (65):なにをいうが、うちらの肉は最高級品じゃ、外国産なんかにゃ敗けはせん。
ネガA (60):だが実際、ここ最近じゃ安い外国産におされて売り上げも減ってきておる。
それに外国産も味がよくなってきている。
ネガC (55):消費者も国産牛は高くて買わん。
ポジB (65):それじゃ指をくわえて、和牛が衰退するのをみるだけか?
ネガD (70):確かにわしらは牛で生活してきた。
だが、わしらはもう年じゃし後継者もおらん。
このままゆっくりと暮らした方がええ。
ポジE (50):では、わしら中堅はどうすればええんじゃ。
ネガC (55):中堅といっても、みんな50代だで、
息子たちも牧場なんて、さらさらやる気もない。
ネガA (60):もう日本の牛肉業界は末期じゃ。
ポジE (50):黒田丸、おまえはどうするんじゃ
黒田丸 (45):俺は一人でもやらしてもらうぞ!
<シーン3>
黒田丸は考えた。
鹿児島の牛はシェア日本一じゃ
だが、売上は毎年減るばかり・・・
もし、鹿児島がダメなら日本は終わりだ。
俺たちは、このまま終わってしまうのか?
いや、そんなことはない何か手があるはずだ。
まずは、敵を知らねばな。
黒田丸は飛行機でオーストラリアへ飛んだ
<シーン1の続き>
オーストラリアの広大な大地をみつめる黒田丸
オーストラリアで牛を育てるとは、確かに面白い話だ。
だが、おれは鹿児島の牛をなんとかしたいんだ。
なら、こういうのはどうだ?
鹿児島の種牛をオーストラリアに持ってきて、
オーストラリアで安くで牛を育て、成牛になる前に鹿児島にかえす。
そして鹿児島産の牛にすればいい。
黒田丸・・・・・
たしかにそうすれば、多少は安くなるが、それが鹿児島産といえるのだろうか?
それに多少やすくなったとして売れる決定打にはならん。
新たな販路をつくらないと・・・
<シーン4>
数ヵ月後、黒田丸は香港にいた。
香港は中国経済の入り口、しかも最近までイギリスの統治下だったんで英語も通じる。
黒田丸は下手な英語をつかってなんとか牛肉の試食会を開いた。
黒田丸の試食会の客足はまずまずだった。
こうした努力を少しずつ積み重ね、数年の月日がすぎた。
香港では、鹿児島黒牛のブランドが認知され、中国経済の発展とあいまって
鹿児島産の牛の輸出量は右肩上がりに延びていった。
黒田丸は、いままで個人経営だった牧場を会社組織にし、
若者が安心して働ける企業にしていた。
<シーン5>
そんな時、鹿児島和牛会からクレームが入る。
黒田丸さんところの牛は、安くて旨いということで売れてはいるが、
あれは本物の鹿児島産とは言えんじゃろ!
オーストラリアからもってきた偽物じゃないか!
あんたたちの言いたいこともようわかる。
じゃが、なにもせずじり貧になって、泣き言をいっているだけでは
始まらんじゃないか!
鹿児島の黒牛は、松坂牛や神戸牛ほどの知名度はない。シェア日本一だが誰も知らん。
若者も育たない、そんな状況を打開するためには必要なことじゃ。
偽物といわれようが、種はまちがいなく鹿児島の黒牛じゃよ。
上質の牛肉を安く世界に広げ。
若者が安心して働ける世界を作ることこそ鹿児島の黒牛を未来につなげる事になるのではないのか。
黒田丸は、鹿児島和牛会の反論をはねのけ、黒牛肉の世界シェアを広げていった。
こうして、黒田丸大介は黒牛王と呼ばれるようになっていったのである。
●この作品は作者の創作によるもので事実ではありませんファンタジーです。