表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
688/688

610話 年が明けて

明けましておめでとうございます。

相変わらず不定期更新が続きますが本年もよろしくお願いします。

 外では新年を祝う花火が打ち上げられ部屋の中は様々な色で照らされている。ちなみにこちらの花火は西洋式のため円筒上のモノを打ち上げため展開方式が異なる見た目が結構異なる。


 さて、必要な儀式は終わったのでここからは真面目な話だ。


 とりあえず直近の予定は朝になったら魔獣(カーミナ・バーラナ)討伐組が出発する。それを見送ったあとは居残り組のメイザン枢機卿(カーディナル)から補佐役を紹介される予定だ。

 司教(ビショップ)から枢機卿(カーディナル)に昇格した事で流石に共同体(クラン)運営だけに関わる暇がなくなったためだ。

 僕らウィンダリア王国使者組は飛行魔導輸送騎(マギ・エアロキャリア)の準備が遅れている事もあり出発は最速でも夕刻、場合によっては翌朝になるだろう。

 留守番する面子は通常業務を行うものと討伐組から追加の人員要請があった場合に派遣するための者らに分かれる。


 師匠が最後に連れてきた高屋(たかや)家の者らはまだ同化訓練が終わっていないので例の島で待機である。


 姫将軍バンフリアンサー・オルグメンのところに派遣する面子も共同体拠点(クランベース)工事を始めるはずだ。鉄筋コンクリート製の巨大な市壁を作りつつ外側は煉瓦積みのこっちの世界風の壁とする。

 作業用の魔導重騎(マギ・オファー)をそれなりに導入するので春の前月(4月頃)には完成しているだろう。

 騎士(キャバリエライダー)として派遣する面子の他に魔導歩騎(マギ・ファンタリア)装甲歩兵アーマタエ・ペダイテズが扱える人員も同時に常駐させる。

 十字路都市テントスは危険度が少ないので戦闘員は最低限で十分である。


 あとは条件付き【転移門(ゲート)】の設置を行い物資の行き来を楽にするくらいか。


 黒の偽勇者(佐藤くん)のところに処分奴隷アービトリオ・スクラブらを送って人頭税(カノーリスバーロー)の支払いを済ませる。


 あとは…………確か冒険者組合エーベンターリアギルド担当職員(オーサル・パーソナー)であるマクファイト伯爵令嬢(カウント・フィリア)から面会予約(アポイントメント)が入っているので対応する。

 でも、どういった用件だろうなぁ?



 しかし竜王国エルマイセンかぁ…………。白竜山脈の中ほど、標高875サート(約3500m)にある周囲が切立った崖の難攻不落の国だという。国土ははウィンダリア王国の小さめの侯爵領くらいというから平方625サーグ(約2500km)らしい。そこに人口4万人が住む。


 国に入るのに飛行魔導輸送騎(マギ・エアロキャリア)か飛行できる騎獣(ラツァステットゥ)以外でほぼ侵入不可というとんでもない国だ。

 徒歩で入る場合は高さ375サート(約1500m)ほどの突風が吹き荒れる絶壁を登攀する必要がある。

 噂では標高250サート(約1000m)あたりまで通ずる地下街道(ポドジエムニィ)があると言われている。流石に物資を搬入路が何処かにあるよね?


 この世界の空気濃度は上空ほど薄く僕らのいた地球(テッラ)換算で1250サート(約5000m)相当である。中央アジアのタジキスタンがイメージとして近いのだろうか?


 現在は人類浄化聖戦を掲げる神聖プロレタリア帝国(白の帝国)から攻められていると言われているが実際のところは難攻不落の絶壁が攻略出来ずいるという。


 和花(のどか)と予定の確認をし名残惜しいとは思いつつ対面を気にして自室に戻る。


 ▲△▲△▲△▲△▲△▲




 時間は三の刻(六時)を過ぎたあたりだ。まだ日の出ではないが薄っすらと東側が明るくなってきている。

 整列する一堂に簡単な挨拶を済ませる。


「それじゃ行ってくるぜ」

 中型平台式(トル・プリック・)魔導騎士輸送騎(マギ・キャリア)に搭乗した健司(けんじ)がそう言って各位に号令をかける。

 魔獣(カーミナ・バーラナ)討伐は健司(けんじ)まとめ役(リーダー)に据えて補佐としてフリューゲル師などを据えている。

 荷台(カーゴスペース)には壁盾(タワーシールド)を持たせた装甲歩兵アーマタエ・ペダイテズを八騎並べてある。大型の魔獣(カーミナ・バーラナ)対策である。

 事前に調べた情報だと魔獣(カーミナ・バーラナ)のサイズは軽トラサイズと聞く。脆弱な(トゥル)族じゃ攻撃を受け止められないので盾役(タンク)として配備した。

 漫画みたいに盾役(タンク)(トゥル)族が受け止められたら良いんだけどねぇ。


 人員及び荷物の積み込みが終わると二騎の中型平台式(トル・プリック・)魔導騎士輸送騎(マギ・キャリア)が出発する。


 それを見送ったあとはメイザン枢機卿(カーディナル)との面会である。


 ▲△▲△▲△▲△▲△▲



「こちらが私の後任の者たちです」

 そう言ってメイザン枢機卿(カーディナル)が紹介してくれた者は法衣(ガーメント)を纏った双子の姉妹であった。一卵性双生児のようで髪型以外はほぼ区別がつかない。

「ご紹介に上がりましたミリエル・ノードです」

「同じくレオニー・ノードです。聖印(サーディ・シンボル)を見ていただければお分かりになるかと思いますが私たちは商業の神(マネイナ)の信徒であります」

 そう言って深々と礼をする。その動作も双子らしく同じタイミングであった。

 年の頃は僕と同じくらいだろうか? 若いなぁと思っていると、

「この若さで高司祭(ハイプリースト)とかなり優秀である」

 そう言ってメイザン枢機卿(カーディナル)が補足してくれる。

 商業の神(マネイナ)聖職者(クレリック)は多くが優秀な商人(マークアンテ)でもあり高い教養を持っているという。

 これまでメイザン枢機卿(カーディナル)が行っていた事をほぼ双子が引き継ぐことなる。

 僕らが使者として赴いている間に引継ぎを済ませるとの事だ。彼女たちは癒し手としても優秀だが神官戦士(モンク・ウォーリア)としての訓練は受けていないので冒険者(エーベンターリア)として連れ出すのは勘弁して欲しいとメイザン枢機卿(カーディナル)に言われてしまった。


 主要メンバーへの顔見せが終われば本日から引き継ぎ作業を始めるという。


 どういった人物かについては後日個人的に話してみようとか考えつつ時間が押しているので次の目的地へと移動する。




 病室に行きキーン先生に許可をもらい女の子だけを【転移門(ゲート)】で黒の偽勇者(佐藤くん)のところに移送した。

 流石は黒の偽勇者(佐藤くん)というべきか快く引き取ってくれた。



 そう。僕はついに【転移門(ゲート)】の魔術を使えるようになったのである。うちの共同体(クラン)だとフリューゲル師に次いで二人目という事になる。当面は使える事は隠す予定だ。


 黒の偽勇者(佐藤くん)のところから戻ってくるとお昼時だったのでさっさと食事を済ませようかと思っていると面会予約(アポイントメント)があった冒険者組合エーベンターリアギルド担当職員(オーサル・パーソナー)であるマクファイト伯爵令嬢(カウント・フィリア)が既に到着していると連絡を受けた。


 懐中時計(タスケナ)を取り出すと確かに予定の時刻の八半刻(一五分)前であった。


 新年早々忙しい…………。




そうえいばメイザン氏は司教(ビショップ)から枢機卿(カーディナル)に昇格したのを忘れておりました。


竜王国エルマイセンの面積ですが近いのは佐賀県とか神奈川県くらいのサイズですね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ