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459話 引っ越し③

 十字路都市テントスと自動工場(ファブリカー)で資材を調達し、建設は防衛軍のオジサンらにお願いした。オジサンらに魔導機器(マギテック)の適性があり魔導歩騎(マギ・ファンタリア)魔導重騎(マギ・オファー)を使いこなせるのが良かった。おかげで作業は予定より早く進んでいる。


 建設に関しては最も栄えた2万年前の設備をそのまま使おうかとも考えたのだけど、あの当時は外宇宙航行船が存在するような時代でありそれをそのまま持ち込むと違和感しかないのである。

 それもあって外観は今の時代に沿ったものとした。港湾都市の住宅に関しては結構自重して21世紀初頭くらいに抑えた。以前住んでいた迷宮都市ザルツにもあった集合住宅(イメアブル)だ。上水道の圧力がかなり高いので階層の高い建造物の上の方へと水を送る事が出来るためだ。


 ただし御屋敷の内装に関してはこれでもかというくらい当時の最高技術の粋を集めてもらった。

 都市を囲う市壁のサイズが高さ5サート(約20m)、厚さ2サート(約8m)ほどで一辺が1サーグ(約4km)ほどある。

 これは内部に家畜や田畑を用意する関係で最低限必要と判断したサイズだ。迷宮(アトラクション)を攻略が終わらない限り市壁の外は怪物が徘徊するゲームみたいな危険地帯だからだ。


 移住を決めたはいいけど一つ大きな問題がある。男女比だ。人口構成の大半が元防衛軍のオジサンらだ。こっちの世界だと年齢的に適齢期を過ぎた者もいる。問題はこの閉鎖的な空間に好き好んで嫁いで来る女性がどれだけいるかだ。

 鬼畜なことを言えば東方(オリエント)から戦争難民をこっちに引っ張ってくるという手もある。


 取り合えず万能素子(マナ)を無駄に使っている四つの迷宮(アトラクション)を攻略して生活環境が改善したから考えよう。

 収集できる万能素子(マナ)が少なく自動工場(ファブリカー)も性能を発揮できない。

 それに各分野の専門家を探してこなければいけない。特に畜産系だ。誰も経験者が居ない。


 夏の前月(7月頃)前週(上旬)の半ばに主要のメンバーの港湾領都ルードへの移住が終了した。ただ歓楽街(ロトリクトビアーテル)などもなく余暇をどう過ごさせるかという悩みがある。

 当面は物資を食いつぶす感じでの生活になるだろう。出来れば各種産業をなんとかしたい。

 十字路都市テントスの拠点に残してきた面子でこちらの事情をよく知るのはメイザン司教(ビショップ)だけだ。彼に一肌脱いでもらうか…………。


 夏の前月(7月頃)前週(上旬)の終わりに求めていた情報が来た。それは人材の方ではなく金稼ぎの方だ。東方(オリエント)に未盗掘と思われる遺跡(ダンジョン)があったという報告だ。

 人類の歴史は長いが意外と見つかっていない遺跡(ダンジョン)迷宮(アトラクション)がある。当時は興味が持たれず捨て置かれたのだろうか?


 だが、本当に未盗掘なら資金(かね)になる!


 都合の良い事に荷物を受け取りに十字路都市テントスの拠点に来ていた。ここからなら二日もあれば目的地の側まで移動できる。東方(オリエント)の南部域は戦闘が落ち着いているから面倒な事にもならないだろう。


 ラーケン艦長(キャピタイン)に目的地を告げると僕は遺跡(ダンジョン)攻略の面子を集めた。

 遺跡(ダンジョン)盗掘と聞いてフリューゲル高導師(アルタ・グル)が立候補した。魔術師として過去の魔法文明には触れたいだろうし許可した。

 次に立候補したのは健司(けんじ)だ。修行の成果を試したいとの事だ。[功鱗闘術]を人間向きに改良した[黄流闘術]を基礎から叩き込んである程度モノにしたらしい。

 次に立候補したのが最近になって斥候(スカウト)としての適性があると分かった九重(ここのえ)だ。精霊魔法(バイムマジカ)と無手の[金剛闘流]をある程度使いこなせる域に達したのでぜひ試したいと立候補してきたのだ。

 次に立候補してきたのは最近は女性陣の警護役になってしまっている純血の南方(ダルマニア)民族である槍使いのダグだ。

 そしてもう一人。これまで出番がなく鍛錬に明け暮れていた巨漢の盾戦士(タンカー)である九重(ここのえ)の相棒たる(たつみ)だ。

 ゲームと違って盾戦士(タンカー)の重要性はあまり高くない。本人もそれが分かっているのか試行錯誤を繰り返しているうちに装甲歩兵アーマタエ・ペダイテズの適性が発覚した。今回は閉所での運用試験に是非と売り込んできたのだ。


 微妙に男臭い構成だがこれで良いかとなった。


 あとはハーンが魔導機器(マギテック)の運用の面で同伴する。それに付随して最も適性の高い瑞穂(みずほ)が同伴する。

 ただしこの二人は遺跡(ダンジョン)には入らない予定である。



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章管理の都合でとりあえずここまでは予約投稿しました。次話は調整中です。

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