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429話

 戦闘要員の選抜は決まっている。そろそろ修行の成果を実戦で試してみたいと言っていた健司(けんじ)魔導機器技師(マギ・インジグナー)のハーン、南方(ダルマニア)民族の槍戦士(ランサー)であるダグ、大型魔導艦(ザイドリック級)下級船員(ジャニオリィ)の際に特に戦闘能力が高いという評価のクラークと彼と同じ三班(ドレー・グラペン)であった四名、元自衛軍のおじさんら10人の合計16人だ。


 シュトルムを外したのは半森霊族(ハーフエルフ)のセシリーと添い遂げたいという事で家を捨てると宣言したものの彼の心理的に大きな手柄を以ってあわよくば戻るか新規の家を興すか考えている節があるためだ。

 メイザン司教(ビショップ)の様に損得勘定ではっきりと敵か味方かわかりやすい人より感情で動くシュトルムは普通に共同体(クラン)の秘密を洩らしそうで怖いである。

 密偵(スニーカー)のレルンからの報告書(レポート)にそう記してあった。


 あまり人を疑いたくはないけど…………。


 うちの共同体(クラン)は結構な数の職能奴隷(テクニカ・スクラブ)を抱えている。国がその気になれば共同体(クラン)の資産を接収する事も可能であり、その場合は職能奴隷(テクニカ・スクラブ)は資産として勘定されるので非常に困るのである。労働契約だけを結んだ労働奴隷(ラボロー・スクラブ)であれば重要情報は持っていないので接収されても困らないのだけどね。


 昼過ぎにはハーン以外の面子を王都アルディアに【転移(テレポート)】で送り届け僕はハーン以下魔導機器技師(マギ・インジグナー)6名と潜水母艦テンド・ロング・ダンフォで打ち合わせの最中である。



「――――樹さん(ボス)はウィンダリア王国が難癖付けて共同体(クラン)の資産の接収を企てていると思ってるわけですか?」

 そう問うのはブラートというハーンの次に優秀な魔導機器技師(マギ・インジグナー)だ。うちの魔導機器技師(マギ・インジグナー)集団は若いのにチート過ぎるくらいには優秀だ。

 こいつらまだ16歳なのだ。その代償かこの年齢の男に多い酒、女、博打にはまるっきり興味を示さず暇さえあれば技術書を読み漁ってる変人集団でもある。


「被害妄想ですめば笑い話で済むんだけどね。なので当初の計画に従って避難計画の準備だけしておいて欲しい」

 よーするに逃げた先である潜水母艦テンド・ロング・ダンフォ居住区画レジデンシャル・エリアの整備などである。


 兎に角権力(ちから)を持つと人はそれを自分の都合の良い様に使いたがる。


 さて、戻るとするか。


 ▲△▲△▲△▲△▲△▲


転移(テレポート)】でハーンを首都アフマーンへと送った後に僕も戻る。戻ったときには陽も沈みかけておりアリスが夕飯の支度をしているところであった。

 取り合えず本日は居残り組は襲撃を受けた賢者の学院(スカラー・アカデミア)の調査に向かっていたのでその時の話を聞かせてもらおう。

 食材などは独立商人(インディペンデント)のヘンダーソン氏の荷物から南方(アサド)の適正価格で買い取った。


 なぜかタイミング悪く佐藤君がやってきて夕飯として用意した親子丼に舌鼓をうち感動していた。召喚されてからこれまで日本食とは縁のない生活だったそうだ。南方(アサド)玉蜀黍(ズウィーベル)が主食で玉蜀黍粉のお粥(ブロップ)(メソズ)野菜(ダーゾビゥ)と数種類の香辛料(アロマータ)を煮込んだ煮込み(ストーベン)浅漬け(マリネ)乾燥果実(フリツェック)ばかりだったとか。

 他には牛肉の腸詰め(ボルント)野菜炒め(レギュームズフリッツ)がたまに出る事があったそうだが馴染みの味ではなく食欲がそそらなかったという。


 何杯もおかわりしている佐藤君は放っておいて賢者の学院(スカラー・アカデミア)での話を和花(のどか)に尋ねた。






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