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397話 報告を受ける

「はぁ……」

 深いため息を漏らすと和花(のどか)は僕から離れ寝台(ベッド)の端にちょこんと腰を下ろす。幾度か深呼吸を繰り返していくと落ち着いてきたようだ。


「過ぎたことはもういいわ。とりあえず(いつき)くんが倒れてからの事を報告するね」

 内心はともかく見た感じは平静っぽい表情(かお)でそう告げると話し始めた。



 ▲△▲△▲△▲△▲△▲


 寝台(ベッド)で上体を起こし和花(のどか)から白き王(竜也)戦の結果と僕が目が覚める二週間(二〇日)ほどの出来事の報告を受けた。


 要約すると死ぬほど忙しいという事だ。


 省略しすぎか。


 まず共同体(クラン)の拠点を十字路都市テントスの外壁区南部の大通り沿いにある元富豪の邸宅を得た。

 師匠の紹介で教導員(ドーセンズ)代わりの引退間近の冒険者(エーベンターリア)が大量に到着しすでに教導業務(ドーセンソパズ)に入っているとの事。


 茨の園ジディーノ・ダィ・スパィンから派遣された子供らに訓練を施し戻ってきた船員(セーラー)らと組ませて平台型(プリツク)魔導騎士輸送騎マギキャバリエ・クラディアント魔導歩騎(マギ・ファンタリア)を組み合わせた運搬業務(トラスポーティ)を開始している事。


 雑多な使用人(ディペンデント)などが増え維持費が結構かかる事。


 白き王(竜也)撃退でさらに知名度が上がり若い冒険者(エーベンターリア)共同体(クラン)に加入させてくれと毎日押しかけてきて対処に困っている事。


 僕の復活の件で法の神(レグリア)の偉い人が、何をとは明言しなかったが良しなにと念を押して言った事。


 商業の神(マネイナ)神殿からの仲介要員が来た事。


 僕に【禁止命令(ギアス)】が科せられた事。それに関しては理由を聞いて納得もした。これに関しては無理が利かないので自身の能力を向上させるしかない。


 武の神(グラファスト)の神殿から僕に【天位(キャエレスティズ)】の称号を授与したいと連絡があった事。確か【天位(キャエレスティズ)】の称号は優れた武人に贈られる数少ない公的な称号で如何なる国においても準男爵(バロネット)相当の扱いを受けるという。家紋を持つことが許されるのだ。ただし貴族待遇は当代のみである。


 武の神(グラファスト)戦の神(ゲラン)の一派であって直接は関係ないけど、本家の戦の神(ゲラン)美優(みゆう)の件でちょっと印象が悪いんだよねぇ。


 箔付けとしたは金等級(第八階梯)冒険者(エーベンターリア)ってだけでも大きいのだけどハッタリを効かせるにはもう少し箔付けしても良いかもしれない。


剣聖(シュワート・ハイリグ)】のように当代ひとりで空位はない訳ではなく現在だと10人くらいは【天位(キャエレスティズ)】持ちが居たはずである。余談であるが師匠は【天位(キャエレスティズ)】を断っている。


 白き王(竜也)との戦いは犠牲者多数ではあったけどうちの共同体(クラン)に関しては死者ゼロであった。負傷者もすべて回復し心身ともに後遺症などは見られない。


「なるほどね……」

 和花(のどか)の報告を聞きそう呟いてみる。そこでふと気が付いた。

「ハーンは?」


「あ、忘れてた」

 どうやら完全に忘れていたようである。それも報告忘れではなく存在の方を……。


 という事は例の潜水母艦テンド・ロング・ダンフォに籠りっきりか。


 なら僕の行動は決まったかな。


 まずは例の件は横に置いておいてアルマに礼を述べなくてはならない。それから瑞穂(みずほ)に会い健司(けんじ)と会ってからハーンの様子見かな。


 暴走していなければいいけど。


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