表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
378/678

359話 クラン会議④

 さて、本題に入ろう。


「僕らに限らずそれなりに大きな力を保有する集団や個人の動向を監視されている」

 そう言うと上を指す。釣られて見上げる者が数名。ただそのまま見上げても倉庫の天井しか見えない。そうではなく七賢会議シーベン・ウェーシェーツトレフェンと名乗る組織が存在し彼らは星界(うちゅう)に浮かぶ天都(エヌマ・エリダス)と呼ばれる場所から大陸を監視し組織や文化のほか住人の行動を監視または抑制している連中の事だ。

「彼らの定めた規約(ルール)は残念ながら僕には判らない。どういった行動が彼らの定める禁忌(タブー)に触れて制裁対象となるのか? そんなわけで出来る限りコソコソと動きたい」


 この世界はなぜか特定分野がまるっきり進化していない。数百年レベルで進化がなく未だに中世レベルから脱却できていない。かと思えば農業革命は起きているのか食料品に関しては20世紀レベルだったり、土瀝青(アスファルト)や鉄筋混凝土(コンクリート)なんかもある。逆に鍛冶や工業製品に関してはせいぜい16世紀程度である。兎に角いろいろおかしい。

 それに知識人も多くは判を押したように過去文明の復元こそ至上の命題であるとばかりに新しいことを試みようとしない。


 そのおかげで僕は簡易魔法の工芸品エンケルヘット・アーティファクトである携帯トイレ、和花(のどか)錬金魔術(アルケミー)万能美容液(エセンティア)で一儲けできたのだけどね。


 その時は称賛されてお咎めはなかった。では一体どのラインまでが許されるのか?

 ただ七賢会議シーベン・ウェーシェーツトレフェンの定めた規約(ルール)を逸脱したものは消されるているからでは師匠が言っていた気がする。

 その為にも偽装が必要なのだ。

 何せ僕らがこれから用意するものはこの世界が最も繫栄していた2万年前の技術だからだ。ハーンから概要を聞いた限りでは「恐怖で世界征服も余裕です」との事だった。


「ところで……もう手中に収めた前提で話しているが、その島は安全は確認できているのか?」

 シュトルムがそう口にした。そういうだろうと思った。

「事前に【幻影地図ファンタズマル・マップ】で確認していて周辺状況も含めて確認はしている。あとは僕が直接出向いて確認かな」

「ここから結構な距離……目測だが375サーグ(約1500km)くらいあるが調査時間も結構かかるんじゃ?」

 恐らくシュトルムは十字路都市テントスの外壁が直径25サーグ(約100km)なのでそこから判断したのだろう。普通に移動すれば結構な距離だ。


「普通に考えるならね。でも僕ひとりなら【転移(テレポート)】で行って帰ってこれるから調査に一日かかっても――――」

「「「ダメ!」」」

 全てを言い切る前に待ったがかかってしまった。

(いつき)君はトラブルを引き寄せる体質だし一人はダメ!」

「負傷したときとか一人じゃ困るでしょ?」

「索敵要員は重要」

 和花(のどか)、アルマ、瑞穂(みずほ)がそれぞれの意見を口にする。和花(のどか)はともかくアルマと瑞穂(みずほ)の言い分は理解できるが今回に限れば身軽さ優先なので同伴者がいると困るのだ。


「三人とも忘れた? 僕は[身代わり人形(スケープ・ドール)]の呪いを受けているってことを」


ブックマーク、評価、感想、誤字報告などありがとうございます。

ちょっと仕事と両親の面倒でバタバタしております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ